コールバックとは?コールセンターにおける意味や活用例を解説
コールセンターは、企業の窓口としてさまざまな要望に対応するため、もし不備があれば顧客満足度の低下につながりかねません。
さまざまな理由から電話に対応できないとしても、コールバックでフォローすることができます。
ただし、電話を折り返せばいいわけではないため、コールバックを行う際に、どのように対応すればいいか迷う方は少なくないでしょう。
そこで本記事では、コールバックの重要性や活用例を紹介します。メリットや注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コールバックとは発信者に折り返し電話をかけること
コールバックは、電話に対応できなかったり、担当者が不在で電話を取り次げなかったりしたときに、後から折り返すことです。
コールセンターではオペレーターの手が塞がっていたり、時間外の電話には対応できなかったりすることも少なくありません。
顧客がコールセンターに電話をかけるのは、疑問や悩みを解消するといった目的があります。中には、商品やサービスに対する不満を指摘したいという、クレームもあるでしょう。
いずれにしろ、顧客は目的があってコールセンターに電話をかけます。その際につながらなければ、不満が募ったり企業に不信感を持ったりする恐れがあります。
本来コールセンターは、顧客満足度の向上を目的に設置されるものです。顧客満足度の低下は、企業のイメージや信用を無くしかねません。
やむを得ない事情で電話に出られないとしても、顧客に不信感を与える以上はフォローが必要になります。
コールバックは、顧客満足度の向上に欠かせない重要な業務です。
コールバックは2種類
コールバックといっても、「電話を折り返す」と「通話料を抑える」の2種類があり、それぞれに意味合いが異なります。
- 電話を折り返すコールバック
- 通話料を抑えるコールバック
それぞれにどのような目的があるのかを見ていきましょう。
電話を折り返すコールバック
ビジネスシーンでは、シンプルに電話を折り返す意味で使われています。
コールセンターでは、オペレーターや担当者の手が塞がっており電話に出られないときにコールバックで対処します。
これには、目的があって電話をかけてきた顧客に対応できなかったことに対して、お詫びの意味を込めてフォローする必要があるからです。
通話料を抑えるコールバック
通話料を抑えるためのコールバックもあります。
例えば、携帯電話から電話をかけている場合、固定電話よりも通話料が高くなるケースがあります。
国際電話ではコレクトコールサービスを利用するのが一般的です。このシステムを国内向けに応用した電話機もあり、通話料を節約したいときに役立ちます。
コールセンターにおけるコールバックの活用例
コールセンターでは、以下のような場合にコールバックを活用します。
- 電話に対応できなかった顧客へのフォロー
- スナッチ対応
- 繁忙期や混雑時の業務を標準化する
まず、電話に出られなかったり、担当者不在で対応できなかったりした場合は、顧客満足度の低下を防ぐためにもフォローが欠かせません。
また、営業時間外の電話に対しては、翌営業日に電話をかけ直すのもフォローの意味合いがあります。
スナッチ対応とは、顧客の名前と電話番号を聞いてから、オペレーターが折り返す手法です。
コールセンターは、時期や時間帯によって電話が集中することがあります。特に週明けは電話が集中しやすい傾向があるため、コールバックによって業務を標準化させることができます。
コールバックに欠かせない項目
コールバックを行う際に欠かせない、3つの項目を紹介します。
- 名前
- 電話番号
- 折り返しの希望日時
名前
コールバックでは、顧客の名前が必須です。
電話をかけてきた顧客の名前の他、担当者につなぐように言われた場合は、担当者の名前も聞いておきましょう。
電話番号
そして、電話番号もコールバックには欠かせません。
コールバック機能が搭載された電話機を導入すれば、自動で折り返せます。
しかし、コールバック機能が搭載されていない電話機では、折り返す相手の電話番号が必須です。
折り返しの希望日時
相手にとって都合のいい日時を選ぶことも大切です。
電話を折り返すことを伝える際は、名前や電話番号の他にも、希望日時を聞いておきましょう。
コールバックを活用する5つのメリット・効果
コールバックの活用は、コールセンター側にも顧客側にもメリットがあります。それぞれにどのような効果を与えるのかを見ていきましょう。
- 電話業務の効率化につながる
- 顧客満足度の向上につながる
- 営業時間外も対応ができる
- 対応できなかった顧客の獲得につながる
- オペレーターの負担軽減になる
電話業務の効率化につながる
まず、電話対応における業務の効率化につながります。
コールセンター業務は煩雑化しやすいうえに、業務量が多いのでオペレータースキルに乏しいと業務効率が低下する恐れがあります。
業務効率が低下すれば、顧客の待ち時間が増えクレームにつながることもあるでしょう。
コールバックは、フォローに集中できるので業務効率化につながる効果が期待できます。
オペレーターも業務に集中しやすいため、応対品質の向上効果も期待できるといったメリットもあります。
顧客満足度の向上につながる
顧客に明確な目的があって問い合わせたところで、電話がつながらなかったり待たされる時間が長かったりすれば、顧客満足度が低下しかねません。
コールバックで待ち時間を短縮できれば、顧客にストレスを与えずに済むため、顧客満足度の向上につながるでしょう。
顧客満足度の向上は、コールセンター本来の目的でもあります。
さらに、顧客満足度が向上すれば、企業のイメージアップやブランディング化につながる効果も期待できるでしょう。
営業時間外も対応ができる
IVR(自動応答システム)を導入していれば、営業時間外も顧客に対応できます。
顧客によっては、コールセンターの営業時間内に電話をかけられないこともあるでしょう。
そこで、IVRを活用すれば、営業時間外で電話に対応できないことや、翌営業日に折り返すことも伝えられます。
IVRなら、24時間365日対応が可能になるのもメリットです。
対応できなかった顧客の獲得につながる
顧客が企業の商品やサービスに興味があり電話をかけても、オペレーターの手が塞がっていれば対応できません。
対応できなかった場合は、機会損失リスクが高まります。
フォローの意味合いでコールバックすることで、機会損失リスクを軽減して顧客獲得につなげられるでしょう。
オペレーターの負担軽減になる
オペレーターは電話対応以外にも、さまざまな業務をこなす必要があり、どうしても業務量が増える傾向があります。
特に繁忙期や電話が集中する時間帯は、電話に対応できないことも少なくありません。
待たされる時間が長くなれば、顧客の不満が増え厳しい言葉を投げかけられることもあるでしょう。
オペレーターや担当者が電話に対応できなかったとしても、後からコールバックでフォローすれば顧客の不満や不信感を軽減できます。
顧客もオペレーターに要望を伝えられるため、クレームを軽減できるのもメリットです。
コールバックを行うときの注意点
コールバックは必ずしも顧客満足度を高められるとは限りません。シチュエーションによっては、マイナスにはたらく恐れもあります。
そこで、コールバックを行うにあたっての注意点を具体的に紹介します。
- 緊急性のある用件には不向きである
- 折り返し時間の設定次第で不満につながる恐れがある
緊急性のある用件には不向きである
コールバックは、緊急性のある用件には不向きとなるのが留意点です。
緊急性が高い場合は、迅速な対応が求められます。
例えば、購入した商品の不具合やトラブルが起きてすぐになんとかしたいのに、折り返すと言われたら顧客満足度の低下につながりかねません。
中には、蔑ろにされたと感じる方もいるでしょう。
緊急性の高くない用件はコールバックでも問題ありませんが、緊急性に応じてすぐにオペレーターまたは、担当者につながる仕組みを作っておく必要があります。
折り返し時間の設定次第で不満につながる恐れがある
折返し時間の設定によっては、顧客の不満につながる恐れがあるので注意が必要です。
例えば、希望時間が午前10時~12時、13時~15時など、数時間の余裕を持たせることもあるでしょう。
10時~12時で予約した場合は、時間内であっても12時直前では待たされたと感じる可能性があります。
折り返し時間を設定する場合は、できるだけ細かくするといいでしょう。
コールバックはIVRの導入で自動化
IVRによってコールバックを自動化すれば、繁忙期もスムーズな対応が可能です。
クレームの場合は、待たされることで顧客の不満が大きくなる傾向があります。
IVRで自動化すれば、応対品質が向上するので、顧客の不満やオペレーターの精神的負担も軽減されるでしょう。
まとめ:コールバックを活用して顧客満足度の向上につなげよう
コールセンターは慢性的な人材不足の傾向があり、電話が集中するとオペレーターが電話に対応できないことがあります。
電話がつながらなかったり、長い時間待たされたりすれば、顧客満足度が低下するだけでなく企業のイメージにも影響を与えかねません。
コールバックによりオペレーターも業務に集中できるので、顧客満足度の向上につながりやすくなるでしょう。