営業に欠かせないコミュニケーション能力は5つ!6つの伸ばす方法も解説
営業活動において、コミュニケーション能力は、顧客との信頼関係構築に欠かせません。
とはいえ「質問がうまくできず、商談が一方通行になってしまう」「お客様の言葉の裏にあるニーズを読み取れない」といった悩みを抱える営業パーソンは多いでしょう。
コミュニケーション能力は、誰でも生まれつき備わっているものではありません。いくつかのポイントを押さえ、意識的に身につける必要があります。
そこで本記事では、コミュニケーションを円滑に進めるスキルや、営業活動で成果を出すコツを解説します。
営業のコミュニケーションでよくある失敗
営業活動の成果が出ない原因はさまざまですが、不適切なコミュニケーションが根幹にあるケースが多いものです。
よくある失敗例は、次のとおりです。
- 相手の話を聞かず一方的に話し続ける
- 嘘や誇大表現をしてしまう
- 自社を良く見せようと他社を下げる発言をする
- 連絡手段やタイミングを自分都合でする
- 提案が論理的でなく抽象的になる
相手の話を聞かず一方的に話し続ける
相手の話を聞こうとせず、自分の話ばかり続けてしまうことは、よくある失敗例でしょう。
「商品の魅力を知って欲しい」「必要性を理解してほしい」という気持ちがあるのは、自然なことです。
しかし、相手の意思を汲み取らず一方的に話し続けることで「この人は自分の話を聞こうとしない」と感じるでしょう。一度与えた印象は、そう簡単には変えられません。
相手が求めているのは、自分の課題やニーズを理解してもらうことです。まずは質問を投げかけ、聞く姿勢を徹底してみてください。
嘘や誇大表現をしてしまう
嘘や誇大表現も、失敗例の一つに挙げられます。
成果を求めるあまり、相手が興味を示すような偽の情報を提供したくなるかもしれません。しかし、こうした行為は後のトラブルを引き起こす要因になります。
具体的には、以下のような例が挙げられます。
- 納期を短く見積もる
- 料金を安く見積もる
- 商品の性能や機能を実際よりも高く伝える
- 他人の実績を自分のことのように話す
- 実現不可能なことを「できる」と伝える
これらの行為は、顧客に不信感を与え、購入意欲を低下させてしまう可能性があります。場合によっては、法的な問題に発展する恐れもあるでしょう。
商品がいくら魅力的であっても、嘘や誇大表現は絶対に避けてください。誠実な対応を心がけることで、成約にも一歩前進するはずです。
自社を良く見せようと他社を下げる発言をする
他社をけなす発言も、コミュニケーションにおいてNGです。
「競合を下げるような物言いをすれば、自社を選んでもらえるだろう」と考えている方はいるかもしれません。しかし、悪口や陰口を言うような相手と話していて、気分がよくなる人はいないでしょう。
たとえば、以下のような発言です。
- 「あのメーカーの商品は口コミが悪くて買わない方がいい」
- 「あの会社は売上が低迷しているから、将来性がない」
仮に、目の前の相手と悪評することで盛り上がったとしても、周りにいる人が聞いたら不快な気分になるでしょう。また、他社を下げる発言をする会社という印象を持たれてしまいます。
他社を下げるような発言から得られるメリットは、一つもありません。
自社の商品をよく魅せたいのであれば、商品の特長をよく理解する必要があります。「うちの商品はここに自信があり、どこにも負けません」という言い方であれば、差別化できるでしょう。
言い方一つで、相手への印象は大きく変わります。
連絡手段やタイミングを自分都合でする
連絡手段やタイミングを自分の都合でするのも、よくありません。
コミュニケーション手段には、電話連絡が含まれます。電話連絡は、直接伝えられるというメリットがありますが、相手の状況が見えない点に注意する必要があります。
具体的には、以下の点に気を配りましょう。
- 相手が忙しい時間帯は避ける(相手が会社員であれば、連絡可能な時間帯を事前に聞いておく。一般消費者であれば、早朝と深夜の連絡は避ける)
- メールやチャットを通じて事前にアポイントメントを取る
相手が若い世代であれば、電話ではなくLINEやチャットといったツールを活用してもいいでしょう。
また、忙しいビジネスパーソンであれば、メールで済ませるのも選択の一つです。
連絡手段やタイミングは、顧客との信頼関係を築くうえで重要な要素です。顧客目線に立って、適切な方法で連絡を取るようにしましょう。
提案が論理的でなく抽象的になる
論理的でない提案も、コミュニケーションで失敗しやすい例です。
商品を説明する際、相手は「自分の悩みが解決できるか?」という点に興味を持ちます。
話の内容に具体性がないと、インパクトは残せません。
たとえば「〇〇が楽になる」「多くの人が利用している」という表現は、人によって受け取り方が変わり、説得力にかけるでしょう。
根拠のある数字や実際の評価を用いた提案を心がけてみてください。
営業のコミュニケーションで大切な5つのスキル
営業コミュニケーションにおいて、習得すべきスキルは以下の5つです。
- 準備する力
- 聞く力・傾聴力
- 事実に基づく説明をする力
- 具体的でわかりやすく話す力
- 相手の理解度や気持ちを察して進行する力
準備する力
営業のコミュニケーションには、事前準備が欠かせません。事前準備を徹底することで、後の営業活動がスムーズになります。
具体的に、以下のことを調査してください。
- 自社の強み
- 競合他社と比較して弱い部分
- 顧客が属する業界のトレンド
- 顧客ニーズの想定
- 商談目的
- 顧客や想定される反論を予測
相手の役職や実績、抱える悩みなど、できるだけ詳細な情報を収集するといいでしょう。
聞く力・傾聴力
営業コミュニケーションにおいて、傾聴力は非常に重要です。
相手の話をしっかりと聞き理解することで、適切な提案が可能になるでしょう。
また、傾聴力は相手との信頼関係を築くためにも重要です。
顧客は、自分の話を聞いてくれる担当者に信頼を寄せ、商品やサービスを購入する可能性が高くなります。
傾聴力を身につけるには、以下の点に注意してみてください。
- 相手の話を遮らない
- 適度に相槌を打つ
- 質問を投げかける
- 共感を示す
実践の場で不安があれば、ロールプレイングで練習を重ねてみてください。
日々の営業活動の中で意識的に傾聴力を磨き、顧客との信頼関係を築いていきましょう。
事実に基づく説明をする力
営業コミュニケーションでは、事実に基づく説明をする力は非常に重要です。
データによって裏付けされた説明は、信頼を寄せます。客観的な根拠があれば、納得感も得られるでしょう。
事実に基づく説明をするには、以下の点に注意しましょう。
- データや事例を用いて説明する
- 自信を持って説明する
失敗例でも紹介したとおり、事実に反する内容を提示してはいけません。営業活動は、信頼関係が重要なので、真摯な対応を心がけましょう。
具体的でわかりやすく話す力
具体的でわかりやすく話す力も、コミュニケーションで求められる要素です。
相手は、自分にわかりやすい言葉で説明された内容に、関心を示します。専門的で難しい言葉を並べてしまうと、商品やサービスの魅力が十分に伝わりません。
具体的でわかりやすく話すテクニックとして、PREP法を意識するのも一つの手です。
PREP法とは、結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)の順で説明する手法のこと。PREP法を用いることで、印象に残る説明が可能になります。
こうしたテクニックを活用しながら、顧客の視点に立って話すことが重要です。
相手の理解度や気持ちを察して進行する力
相手の理解度や気持ちを察するスキルも、営業活動において重要です。
気持ちに寄り添って進行することで、相手は心を開いて話すようになり、信頼関係を築きやすくなります。
話す際は、相手の表情や声のトーンを観察するといいでしょう。質問を投げかけ、共感を示してみてください。相手が緊張している様子であれば、自分の経験談を話してみてもいいでしょう。
こちらから話しやすい雰囲気をつくってあげることも、コミュニケーションの一つです。
営業のコミュニケーション能力を高める方法
営業コミュニケーションを円滑にするには、さまざまなスキルが求められます。
スキルを高めるためには、以下6つのポイントを意識してみてください。
- 見込み客について調べて理解する
- 相手が話しやすい雰囲気を作る
- 聞き上手になる
- 論理的に話すテクニックを取り入れる
- 社内メンバーのトークを聞く
- 同僚や先輩・上司にチェックしてもらう
見込み客について調べて理解する
実際に話す前に、見込み顧客を調査しておくと効果的です。具体的な提案が可能になり、成約率の向上につながるでしょう。
見込み顧客を調べるには、次の方法が有効です。
- Webサイトやソーシャルメディアを観察する
- 業界レポートを読む
- 展示会やセミナーに参加する
- 顧客との会話からヒントを得る
見込み顧客について調べる際は、複数の情報源から情報収集してみてください。また、ソーシャルメディアの情報は、信頼性を検証する必要もあります。
相手が話しやすい雰囲気を作る
相手が話しやすい雰囲気を作ることも、営業担当の務めです。
こちらが攻撃的で神経質な態度で話してしまうと、相手は萎縮してしまい本音で話せません。
話しやすい雰囲気づくりのコツとして、以下の点を意識しましょう。
- 相手の雰囲気に合わせた声のトーン
- 相手の言葉を否定しない
- 相手の目を見過ぎない
表情や声のトーンは、相手の雰囲気に合わせて話すようにしましょう。不自然なオーバーリアクションは控え、自然な会話を心がけてください。
相手の目を見過ぎないことも重要です。人の話を聞く場合、相手の目を見るのが基本であることは間違いありません。しかし、凝視しすぎると相手はプレッシャーを感じてしまいます。
相手の状況を観察しながら、話しやすい雰囲気を作ってみましょう。
聞き上手になる
コミュニケーション上手は、聞き上手です。聞き上手になるには、単純に聞くだけではなく、相手の言いたいことを理解することが重要です。
話を聞くことで、相手は「もっと話したい」という気持ちになるでしょう。つまり、本音を引き出すきっかけになります。
コミュニケーション能力を高めるには、相手の心を開くスキルに長けています。相手がどのような立場であっても、良好な関係が築けるでしょう。
論理的に話すテクニックを取り入れる
論理的な思考は、コミュニケーション能力を高める手段の一つです。
論理的思考のメリットは、次の3点です。
- 話のつじつまが合いやすくなる
- 相手が理解しやすくなる
- 提案力や交渉力が向上する
コミュニケーションは、情報伝達で有効な場なので、相手に正しく理解してもらわなければなりません。専門的な内容であれば、誰でも理解できる説明力が求められます。
論理的な思考で説明することで、相手が知りたい情報を整理しながら会話を展開できるでしょう。
社内メンバーのトークを聞く
他メンバーのトークを聞くことも、コミュニケーション能力を高める有効な方法です。
他メンバーのトークを聞くことで、コミュニケーションのヒントを得られます。自分の話し方の悪い癖に気づくきっかけになるかもしれません。
他メンバーのトークを聞くことは、自分のコミュニケーション能力を客観的に分析し、改善に役立ちます。トークを聞く際は、ただ聞き流すのではなくポイントをメモしておきましょう。
同僚や先輩・上司にチェックしてもらう
普段の営業トークを、同僚や先輩、上司に見てもらうことも重要です。
自分の癖や課題は、なかなか気が付かないものです。第三者にチェックしてもらうことで、自分では気が付かなかった課題を発見できるでしょう。
指摘された意見があれば、改善策を見つけることも大事です。PDCAを繰り返し、自身をレベルアップさせていきましょう。
営業の成約につなげるコミュニケーションマネジメント
営業の成約につながるには、コミュニケーションマネジメントを理解する必要があります。
コミュニケーションマネジメントとは、円滑なコミュニケーションを実現する手法のこと。営業職においては、顧客満足度や成約率に直結するため、特に重要な役割を果たします。
コミュニケーションマネジメントのポイントは、以下の4つです。
- 成約に導く計画を立てる
- 実行する
- 監視する
- 次に活かす取り組みをする
成約に導く計画を立てる
はじめに、成約に導く計画を立てます。
具体的には、以下の項目が必要です。
目標設定 | 具体的な目標を設定することで、何を達成したいのかを明確にする |
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ターゲット顧客の特定 | 誰にアプローチするのかを明確にし、効果的なコミュニケーション戦略を策定する |
チャネル選定 | 適切なコミュニケーションチャネルを選ぶ |
スケジュール作成 | 具体的なスケジュールを作成する |
計画を立てる際は、コミュニケーションする相手の見極めが重要です。キーパーソンになる人物は、早い段階で特定しておいてください。
実行する
計画に基づいて、コミュニケーションを取ります。
この段階では、顧客とのコミュニケーションを丁寧に行い、信頼関係の構築に専念しましょう。
顧客のニーズや反応を常に把握し、必要に応じて計画の修正も行ってください。
監視する
コミュニケーションの効果を測定し、目標達成に向けて進捗状況を把握します。顧客満足度調査やアンケートを実施し、顧客の反応を分析するといいでしょう。
問題点があれば原因を特定し、改善策を立案します。より効果的なコミュニケーション戦略を策定してください。
次に活かす取り組みをする
完了後は、次に活かす取り組みをしましょう。
前回のコミュニケーションで不足していた点があれば、新しいコミュニケーション手法を研究し、取り入れてみてください。
顧客ニーズの変化に合わせて、コミュニケーション戦略を定期的に見直すことが重要です。
営業の成果を最大化させるには社内コミュニケーションも重要
優秀な営業パーソンは、顧客だけでなく身内のコミュニケーションも丁寧です。身近である車内の仲間を大切にすることで、自然にコミュニケーション能力が高まるでしょう。
社内コミュニケーションを円滑にすることで、次のメリットがあります。
- 情報共有の促進
- 連携強化
- 問題解決の迅速化
- チームワーク向上
情報交換をする際は、自分の意見を明確に伝え、相手の意見を尊重することがポイントです。議論を通じて、より良いコミュニケーション能力を磨く練習になるでしょう。
円滑な社内コミュニケーションは、チーム全体の成功に不可欠です。
積極的に情報共有を行い、相手を尊重したコミュニケーションを心がけ、チームワーク強化に務めましょう。
組織力を高めるには、コミュニケーションツールを効率化する「セールスパフォーマー」がおすすめです。
セールスパフォーマーを導入することで、以下のメリットがあります。
- 明確な目標設定が可能
- 顧客分析による的確なニーズの把握
- 課題の迅速な特定
- 効果的な解決策の提案
- リスク管理
セールスパフォーマーは、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。詳細は、こちらからご覧ください。
まとめ:営業コミュニケーションを改善して成果の最大化につなげよう
顧客との信頼関係を築き、適切な提案を行うためには、効果的なコミュニケーションが欠かせません。
コミュニケーションは、顧客と商談する場だけでなく、社内においても同様に重要です。
日々の会話の中で情報共有を促進しチームワークを高めることで、顧客に最高のサービスを提供できるでしょう。