営業会議とは?無駄を解消する進め方や議題例・目的などを解説
営業会議は、以降の営業活動を効果的に行う目的で実施します。その他、進捗状況の確認や情報共有といった目的もあるため、属人化を防ぐ意味でも営業会議は必要です。
とはいえ、議題が多いと会議時間が長くなり、営業活動に支障をきたすケースは少なくありません。
では、どのような営業会議を実施すれば、有意義なものとなるのでしょうか。
そこで本記事では、営業会議の目的と役割について解説します。無駄を解消する進め方や、議題例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
営業会議とは ?
営業会議とは、担当者や管理者など、営業部に所属するメンバーによって開催されます。
営業活動は、個々の営業担当者が行いますが、属人化しやすいのが懸念点です。
担当者の不在時に顧客からの問い合わせがあった場合、他のメンバーが情報を知らなければ対応できません。早急な対応が必要なケースでは、顧客に不信感を与える恐れがあります。
こうした状況を防ぐためには、定期的に営業会議を実施して、社内で情報を共有する必要があります。
営業会議の目的・役割は5つ
それでは、営業会議を実施する目的と役割について見ていきましょう。
- 営業成績を把握する
- 目標達成に向けて営業活動を改善する
- 目標を再認識する
- 情報や課題の社内共有で属人化を防ぐ
- チーム全体のモチベーションを高める
営業成績を把握する
営業成績の把握は、非常に重要です。
営業成績が悪く売上が下がり続ければ、業績不振に陥る恐れがあります。業績不振が長期化すれば、倒産のリスクを高めかねません。
そこで、定期的に営業会議を実施して営業成績を把握しておけば、課題に対して迅速な対応が可能です。
問題が生じても早期に対処すれば、業績不振に陥るリスクを回避できます。
目標達成に向けて営業活動を改善する
営業活動は担当者に依存しやすいため、個々の担当者が問題を抱えていても、管理者が気づけないケースは少なくありません。
問題の解決に時間がかかれば、プロジェクトの遂行に支障をきたす恐れがあります。
そこで、定期的に開催される営業会議で各営業担当者が状況を報告すれば、目標達成に向けて営業活動を改善できます。
情報を共有することで、管理者や他の営業担当者からアドバイスをもらったり、フォローし合ったりできるのもメリットです。
目標を再認識する
近年営業の属人化を防ぐために、チーム営業を導入する企業が増える傾向があります。
営業活動はこれまで通り、個々の担当者が行うため、認識のズレを修正しなければなりません。
営業会議でチームとして目標を再認識すれば、認識の擦り合わせが可能です。チーム一丸となって取り組むため、コミュニケーションの強化にもつながります。
情報や課題の社内共有で属人化を防ぐ
営業職は属人化しやすい傾向があります。
迅速にプロジェクトを遂行し目標を達成するには、社内での情報共有体制を整備する必要があります。
営業部に所属するメンバーが集う営業会議は、情報共有に適した場といえるでしょう。
チーム全体のモチベーションを高める
チーム営業といっても、基本的に営業活動は個々で行わなければなりません。
問題を抱えていても相談できる人がいなければ、担当者のモチベーションが下がります。
そこで、定期的に開催する営業会議で進捗状況を報告すれば、解決策を見出せるでしょう。
チーム全体で取り組んでいると認識できれば、モチベーションアップにつながります。
無駄な営業会議ならやらないほうがいい
営業会議本来の目的や役割を正しく把握できていなければ、会議の開催が目的となる恐れがあります。
個々の担当者が進捗状況を報告するだけでは、営業会議を開催する意味がありません。営業会議に時間を取られて、他の業務に支障をきたせば本末転倒です。
無駄な営業会議で時間を取られるようなら、やらないほうがいいでしょう。会議を有意義なものにするためにも、以降で紹介するポイントをおさえてください。
営業会議の無駄を解消する10個のポイント
では次に、営業会議の無駄を解消するポイントを10個紹介します。
- 必要なメンバーだけを招集する
- 議題内容は事前に周知させる
- 役割分担を決めておく
- 質疑応答の時間を設ける
- 不要な議題を省く
- アジェンダに沿って進行する
- 議事録を作成する
- SFAツールなどの営業支援ツールを活用する
- 終了前に次回の会議内容を共有しておく
- 会議を目的にせず適度な頻度で実施する
必要なメンバーだけを招集する
まず、最低限必要なメンバーだけを招集してください。
必要以上のメンバーを招集すれば、報告だけでも時間がかかります。
もし、議論で意見の食い違いが生じれば、さらに時間がかかり他の業務を圧迫しかねません。
議題内容は事前に周知させる
議題内容を、事前に周知させるのも重要です。
会議の冒頭に議題を知らせると、その分余計な時間がかかります。
さらに、参加者が議題を知らないままでは、有意義な会議はできません。直前に知らされて言いたいことを言えなければ、不満を持つメンバーもいるでしょう。
事前に議題内容を周知しておけば、参加者は事前に準備ができるので、スムーズに会議を進行できます。
役割分担を決めておく
そして、役割分担を決めておくのも大切です。
役割は目的によって異なりますが、営業会議においては次のような役割を決めておくといいでしょう。
- ファシリテーター:進行役
- タイムキーパー:時間管理
- 書記:会議の内容を記録する
役割分担は同じ人が担当してもいいですが、ローテーションさせると能動的に参加できるため会議を活性化できます。
質疑応答の時間を設ける
営業会議には、質疑応答の時間を設けてください。
会議が形式的になると、無駄に時間を取られていると感じやすく、参加者のモチベーションが下がります。
質疑応答の時間があれば、担当者同士や管理者との意見交換ができるので、コミュニケーションの強化にもつながるでしょう。
不要な議題を省く
さらに、不要な議題は省くことも大切です。
不要な議題について議論しても、時間を無駄にする恐れがあります。
営業会議の効率を高めるコツは、インプットを減らして、アウトプットを増やすことです。
アウトプット | 課題の改善 新規提案 進捗管理の改善 |
---|---|
インプット | 進捗確認 資料内容の確認 社内伝達事項の確認 |
インプットは会議前に済ませておける内容です。アウトプットを増やせば、会議の生産性が高まります。
アジェンダに沿って進行する
アジェンダに沿って進行すれば、会議時間が長引くのを防げます。
会議で取り上げたい議題が複数ある場合は、設定時間を短めにするのもポイントです。
もし、予定時間を過ぎるような場合は、次回の営業会議に持ち越すことで回避できます。
議事録を作成する
議事録を作成すれば、営業会議に参加できなかったメンバーと情報を共有できます。
なお、書記がいない場合は、議事録作成ツールがおすすめです。作成した議事録は、データとしても活用できます。
SFAツールなどの営業支援ツールを活用する
SFAツールなど、営業活動を支援するツールの活用も有効です。
SFAツールを利用すれば、以下の業務を自動化できます。
- 進捗情報の管理
- 顧客情報の管理
- 営業活動の記録
- 報告など
このように業務を自動化できれば、営業会議の無駄を省き時間を短縮できます。
終了前に次回の会議内容を共有しておく
営業会議を終える前に、次回の会議内容を共有してください。
会議が終わってから個別に連絡するのは、手間と時間がかかります。会議中に共有しておけば時短になる他、伝え忘れなどのミスを防げるのもメリットです。
会議を目的にせず適度な頻度で実施する
そして、会議を目的にせず、適度な頻度で実施することも大切です。
営業会議の頻度は、週に1度を目安にするといいでしょう。
ただし、状況に応じて必要性が感じられない場合は、頻度を減らすなどの工夫も必要です。義務化してしまうと、会議が目的になる恐れがあるので注意してください。
営業会議で有効な議題例・ネタ
続いて、営業会議に有効な議題例やネタを紹介します。
- 営業目標や戦略の共有
- 課題に対する改善策や対処法
- 顧客からのフィードバック共有
- 成功事例やノウハウの共有
- 競合他社の動向と市場トレンドの共有
営業目標や戦略の共有
営業目標や戦略の共有は、チームメンバーの連帯感を高めるのに有効です。
会議は、目標の軸と具体的な戦略を決定する場としてうってつけです。
営業活動は個々の担当者が行いますが、営業目標や戦略を共有できていれば、担当外の仕事を理解できるようになりチームの一体感が高まります。
課題に対する改善策や対処法
議題に対する改善策や対処法を、議題に取り上げるのもおすすめです。
営業活動を行う過程で問題が生じたとき、担当者自身では解決できないこともあるでしょう。
営業会議で議題として取り上げれば、違う角度から解決策を見出だせることがあります。課題に対する改善策や対処法をナレッジとして共有すれば、営業力の底上げが可能です。
顧客からのフィードバック共有
顧客からのフィードバックを共有すれば、より具体的な議論が可能です。
フィードバックには貴重な意見も含まれるので、アイデアのヒントとして活用できます。討論が深まれば、コミュニケーションの強化にもつながるでしょう。
成功事例やノウハウの共有
チーム営業において、担当者のスキルで営業成績に差が生じるケースが少なくありません。
営業会議にて成功事例やトップセールスノウハウを共有すれば、営業プロセスの標準化が可能です。
その結果、営業力が上がり、顧客満足度の向上にもつながります。
競合他社の動向と市場トレンドの共有
営業活動を成功させ成果につなげるには、競合他社の動向と市場トレンドの把握が欠かせません。
しかし、担当者が個別に状況を把握するのが困難なケースもあります。
営業会議の場を活用すれば、情報を共有しやすいでしょう。
営業会議の失敗例
では最後に、営業会議の失敗例を3つ紹介します。成功のヒントとして参考にしてください。
- 会議時間が長くなる
- 単なる報告会になっている
- 発言しづらい雰囲気を作り出している
会議時間が長くなる
営業担当者は、営業活動に加えて事務作業や報告書の作成など、多くの業務を1人でこなさなければなりません。
会議が長引き時間内に業務を終えられなければ、残業を強いられることもあるでしょう。会議時間が長くなったことで本来の業務に支障をきたせば、モチベーションの低下につながります。
単なる報告会になっている
営業会議という名目があっても、実際には単なる報告会になっているケースは多くあります。
報告はミーティングや日報でも対応できます。ただの報告会になっているなら会議を見送ったり、頻度を減らしたりするのも選択肢の一つです。
発言しづらい雰囲気を作り出している
営業会議には、プロジェクトマネージャーやチームマネージャーなども参加します。
トップダウンの会議は、部下が発言しづらい雰囲気を作るので注意が必要です。
個別に指導する必要があるなら、会議外で対応しましょう。
まとめ:営業会議を効果的に進めて営業品質の向上につなげよう
営業会議は、営業活動を最適化するために欠かせません。
しかし、会議時間が長引き他の業務に支障をきたせば、プロジェクトの遂行を妨げる恐れがあります。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、営業会議を効果的に実施して営業品質を向上させてください。