BtoBマーケティングの手法21選!施策一覧をシーン別に解説
企業が企業をターゲットに実施するBtoBマーケティングには、さまざまな手法があるため、目的に合わせて適切な手法を見極める必要があります。
「適切なBtoBマーケティング手法がわからない……」
「成果につながるBtoBマーケティング手法を知りたい」
このように考えるマーケティング担当者もいるでしょう。
そこで本記事では、BtoBマーケティング手法21選を紹介します。施策一覧をシーン別に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
BtoBマーケティング手法の種類は大きく4つ
BtoBマーケティング手法は大きく4つに大別されます。
手法と施策一覧を以下の表にまとめました。
マーケティング手法 | 施策一覧 |
---|---|
マーケティング戦略の立案 | ペルソナ設定 カスタマージャーニーマップの作成 アンケート調査 ヒアリング調査 |
リードジェネレーション (見込み顧客の獲得) | テレアポ SEO対策 リスティング広告 ディスプレイ広告 SNS・SNS広告 メール配信 展示会・セミナー・ウェビナー ポータルサイト ホワイトペーパー 交通広告 |
リードナーチャリング (見込み顧客の育成) | メルマガ配信 YouTube動画 セミナー・ウェビナー |
リードクオリフィケーション (見込み顧客の選別) | セグメンテーション スコアリング カスタマージャーニーマップの再構築 チューニング |
このように、BtoBマーケティング手法は、プロセスごとに施策を実施することで精度を高められます。
BtoBマーケティング手法|マーケティング戦略の立案の施策一覧
それでは、BtoBマーケティング手法での、マーケティング戦略の立案における施策を紹介します。
- ペルソナ設定
- カスタマージャーニーマップの作成
- アンケート調査
- ヒアリング調査
ペルソナ設定
ペルソナ設定とは、ターゲットを絞るために、架空の人物像を設定してニーズを把握する施策です。
BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定では、企業情報と担当者の個人情報の両方を設定します。
ターゲット | 項目 |
---|---|
企業 | 業種 企業規模 従業員数 商材 売上高 課題 |
担当者(個人) | 氏名・年齢・性別 職種 所属部署 役職 決裁権の有無 課題 |
項目は詳細に設定するほど精度が上がります。認識のズレをなくすためには、設定したペルソナの情報を社内で共有することも大切です。
カスタマージャーニーマップの作成
次に、カスタマージャーニーマップを作成します。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が検討から購買までに辿るプロセスを可視化するものです。
- ニーズの認識
- 商品の認知
- 比較検討
- 購入
- 利用
- 継続
ペルソナに当てはめながら、初期から購入・購入後までの行動に関して、いくつかのタッチポイントを設定します。
顧客がどのような行動を取るかを可視化することで、課題やニーズをイメージしやすくなるといったメリットがあります。
アンケート調査
ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップを作成しても、情報が不足している場合は、アンケート調査で情報を深堀りします。
顧客の声を直接聞くことで、課題やニーズをより明確にできるのがメリットです。
ヒアリング調査
マーケティング精度を高めるには、より多くの情報が必要です。
さらに情報が必要な時は、既存顧客を対象にヒアリング調査を実施します。
既存顧客は、すでに自社商材を利用しているので、どのように自社商材を知ったのか、なぜ購入しようと思ったのかなど、顧客目線での情報を入手できます。
これらの情報は、新規顧客の獲得に向けたヒントとして活用できるでしょう。
BtoBマーケティング手法|リードジェネレーションの施策一覧
では次に、BtoBマーケティング手法における、リードジェネレーションの施策一覧を見ていきましょう。
- テレアポ
- SEO対策
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS・SNS広告
- メール配信
- 展示会・セミナー・ウェビナー
- ポータルサイト
- ホワイトペーパー
- 交通広告
テレアポ
テレアポは、顧客に電話をかけ商談の予約を取り付ける施策です。
電話でアプローチするため、飛び込み営業より営業コストを削減しつつ、大量アプローチを実現できます。
顧客と直接話ができる一方で、成功率は約1%程度とあまり高くありません。
テレアポで成果を上げるには、コミュニケーション力や提案力などのスキルが必要です。
そこで、会話の内容をまとめた「トークスクリプト」を活用すれば、スキルに乏しいスタッフでもスムーズに会話を展開できます。
こちらの記事では、テレアポのトークスクリプトについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
テレアポは挨拶が肝心!成功するトークスクリプトの作り方や例文を紹介
SEO対策
SEO対策とは、検索エンジン最適化のことです。
インターネットの普及に伴い、顧客は知りたい情報を検索して入手できます。
特にWebサイトは、有益な情報を発信できる他にも、問い合わせや資料請求から顧客情報を入手できるのもポイントです。
しかし、自社サイトが検索上位に表示されるには、SEO対策が欠かせません。
- 長期的に高い費用対効果が期待できる
- 企業のブランディング化につながる
BtoBマーケティングにおいてSEO対策を導入すれば、このようなメリットも得られます。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索結果の特定枠に広告を表示する施策です。
予め設定したキーワードで検索したユーザーだけに表示されるので、確度の高いリードを獲得できます。
また、リスティング広告は、ターゲットに合わせて「エリア」や「キーワード」を細かく設定できるのもメリットです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリに動画・画像・テキストなどの広告を表示させる施策です。
スライドショーや文字が流れるなど、動きを加えることでユーザーの目に留まりやすく、記憶に残りやすいという特徴があります。
細かい属性設定が可能であり、効果検証がしやすいのも特徴です。
リマーケティング機能を活用すれば、自社サイトを訪問したことがあるユーザーに向けて、再度広告を表示してアピールできます。
SNS・SNS広告
SNSは情報拡散力に優れていることから、近年多くの企業でも導入されています。
SNSを活用して広告を発信すれば、多くのユーザーに訴求できるのがメリットです。
また、自社商材を知らない潜在顧客が広告を目にする可能性もあるため、幅広い層に向けてアプローチできます。
また、SNS広告は、フィード(一覧)内に広告を表示するので、違和感なく広告を見てもらえるのもメリットといえるでしょう。
メール配信
メール配信は、Eメールを活用して情報を発信する施策です。
新商材の告知や、セミナー・ウェビナーのお知らせなど、幅広い用途に活用できます。
Eメールなら、発信する側と受け取る側の双方が、都合の良いタイミングで送信・確認できるのもメリットです。
広告では掲載できる情報は限られますが、Eメールなら、大量送信が可能であり、一度に多くの情報を発信できます。
なお、開封してもらうために「魅力的なタイトルや見出しを付けること「」キャンペーンや限定」など、特別感をアピールするのもポイントです。
展示会・セミナー・ウェビナー
展示会やセミナーは、確度の高い見込み顧客を獲得できる施策です。
そもそも、自社商材に興味や関心がなければ、わざわざ会場に足を運ばないでしょう。
展示会やセミナー会場に足を運ぶのは、自社商材に高い関心や興味がある顧客と考えられます。
さらに、顧客と直接会って話ができるため、課題やニーズを把握しやすいのがメリットです。
すぐに成約にはつながらなくても、名刺交換をすれば再アプローチがしやすく、顧客からの問い合わせにつながる可能性も期待できます。
ただしセミナーに関しては、当日会場に足を運べない顧客もいるため、ウェビナーの開催も有効です。
ポータルサイト
ポータルサイトとは、GoogleやYahoo! JAPANなど、インターネットにアクセスしたとき最初に表示されるページです。
ただし、ポータルサイトにも種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
総合型ポータルサイト | ニュースや天気など幅広い情報を網羅している |
地域型ポータルサイト | 特定地域の情報を取り扱う |
口コミ型ポータルサイト | 実際に商品やサービスを利用した人が感想を投稿する |
専門型ポータルサイト | 特定ジャンルに特化した情報を扱う |
ポータルサイトに登録する際は、複数を併用するといいでしょう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、顧客に有益な情報をまとめた資料のことです。
- 自社商品やサービスの比較一覧
- 導入事例
- 業務ノウハウ
- 市場調査の結果報告
- 展示会やセミナーのレポート
- 用語集
ホワイトペーパーは、自社サイトに掲載したり、メールやSNSで発信したりできます。
また、展示会やセミナーで配布する他にも、商談の際には営業資料としての活用も可能です。
交通広告
交通広告は、電車やバスなどの車内や駅に設置する広告のことです。
- ポスター
- 看板
- ステッカー
- デジタルサイネージ
このように設置場所に合わせて、さまざまな種類があります。
通勤・通学など、公共交通機関を利用する幅広いユーザーに訴求できるのがメリットです。
企業や自社商材の認知拡大に高い効果が期待できます。
BtoBマーケティング手法|リードナーチャリングの施策一覧
では次に、BtoBマーケティング手法での、リードナーチャリングの施策一覧を紹介します。
- メルマガ配信
- YouTube動画
- セミナー・ウェビナー
メルマガ配信
メルマガ配信は、メルマガ登録をした顧客に向けて継続的にアプローチできる、メールナーチャリングとも呼ばれる施策です。
メールナーチャリングは、大きく4種類に分かれています。
種類 | 特徴 |
---|---|
セグメントメール | 特定の条件にマッチする見込み顧客のニーズに合わせて情報を発信する |
ステップメール | 特定のアクションを起こした顧客に設定したスケジュールに合わせてメールを送信する |
サンクスメール | メルマガ登録や資料請求などの行動に対して自動でお礼メールを送信する |
案内メール | イベントやセミナー情報をお知らせする |
顧客によって有益な情報は変わるので、メールの種類を見極めることも大切です。
開封率を高めるために、事前のシナリオ設定やPDCAサイクルを回しながら分析や改善を続けてください。
YouTube動画
YouTubeでの動画投稿には、以下のメリットがあります。
- 多くの見込み顧客に訴求できる
- 自社商材の価値をわかりやすく伝えられる
- ありのままを伝えられるので信頼されやすい
- 二次利用できる
YouTubeは無料で視聴できるため、多くの見込み顧客に見てもらえる可能性があります。
広告やメールでは伝わりづらいニュアンスや使用感を伝えられる他にも、ありのままを見てもらえるので信頼されやすいのもメリットです。
また、作成した動画は、WebサイトやSNSに埋め込んだり、展示会や商談の際にも活用したりできます。
セミナー・ウェビナー
リードナーチャリングにおけるセミナーやウェビナーは、休眠顧客の掘り起こしに有効な施策です。
一度は自社商材に興味や関心を持った顧客でも、時間の経過とともに興味や関心が薄れたり、他社に乗り換えたりするケースは少なくありません。
そこで、休眠顧客を対象にセミナーやウェビナーでアピールすれば、再度自社商材への関心や興味を高められる可能性があります。
無料セミナーなら気軽に参加できますし、当日来場が難しいことも想定して、ウェビナーも検討するといいでしょう。
BtoBマーケティング手法|リードクオリフィケーションの施策一覧
BtoBマーケティング手法のリードクオリフィケーションの施策一覧は以下の通りです。
- セグメンテーション
- スコアリング
- カスタマージャーニーマップ
- チューニング
セグメンテーション
セグメンテーションとは、グループ分けをすることです。
セグメンテーションは市場細分化という意味があり、リードクオリフィケーションにおいては、見込み顧客をグループ分けすることを意味します。
どのグループに自社商材が受け入れられているかを分析することで、ターゲットを明確化できるのがメリットです。
スコアリング
スコアリングとは、見込み顧客に点数を付けて、アプローチする優先順位を見極めるのに役立つ施策です。
BtoBマーケティングでのスコアリングは、顧客の属性や行動評価軸に点数を付けていきます。
属性 | 項目:点数 |
---|---|
企業規模 | 大規模:10点 中規模:8点 小規模:5点 |
決裁権の有無 | 有り:10点 無し:5点 |
行動 | セミナーへや展示会での名刺交換:10点 資料請求・問い合わせ:8点 Webサイト訪問・閲覧:5点 |
スコアリングの点数が高いほど、アプローチする優先順位が高い顧客と判断できます。
カスタマージャーニーマップ の再構築
リードクオリフィケーションにおけるカスタマージャーニーマップは、顧客へのアプローチ方法を見極める施策です。
カスタマージャーニーマップを再構築する際は、以下の手順で作成します。
- ペルソナ設定
- 縦軸(行動・思考・感情・課題)
- 横軸(認知・比較検討・購入・購入後)
- 顧客の思考や感情を整理する
- タッチポイントを設定する
- マップに当てはめる
カスタマージャーニーマップを再構築すれば、顧客との接点を強化できます。顧客の目線で作成するため、顧客体験の向上につながるのもメリットです。
チューニング
チューニングは、効果の検証と改善を目的で実施する施策です。
徹底したマーケティングを実施しても、成果につながらないケースは少なくありません。
そこで、チューニングを実施すれば、マーケティング活動を振り返り課題を把握できます。
成果につながらなかった原因を明確にできれば、改善策を見出し以降のマーケティングに活かせるでしょう。
BtoBマーケティングを成功させる8つのポイント
では最後に、BtoBマーケティングの成功に向けて、おさえておきたいポイントを8つ紹介します。
- 顧客ニーズを正確に把握する
- ペルソナは具体的に設定する
- POPとPODを精査する
- 社内の情報共有体制を整備する
- スコアリングする
- ソリューションを提案する
- 具体的な事例をもとに紹介する
- 目的に合うツールを選ぶ
顧客ニーズを正確に把握する
まず、顧客ニーズを正確に把握する必要があります。
顧客ニーズが曖昧なままでは、顧客が納得する提案ができません。
これまでの豊富な実績や顧客からの評価を提示しても、ニーズにマッチしていなければ顧客は納得しないでしょう。
そこで顧客ニーズを正確に把握できていれば、顧客を納得させられる最適な提案を見出だせます。
ペルソナは具体的に設定する
ペルソナは、具体的に設定するのもポイントです。
設定がありふれていると、ターゲットの解像度が下がります。解像度が低ければ、有効な戦略を立案できません。
ペルソナを具体的に設定すれば、ターゲットの解像度が上がり、精度の高い戦略を立案できます。
もし、ペルソナ設定がうまくいかない場合は、ロイヤルカスタマー(自社商材に信頼や試合着を持つリピーター)を参考にするといいでしょう。
POPとPODを精査する
そして、POP(Point Of Difference)と、POD(Point of Parity)を精査するのも重要です。
- POP:最低限必要な要素
- POD:差別的要素
POPは、新規顧客を獲得するために、最低限持っていなければならない要素です。PODは、競合他社との差別化を図るために必要な、自社の強みを理解することを意味します。
POPとPODを精査するには、じっくりと時間をかけることも大切です。
社内の情報共有体制を整備する
社内での情報共有体制を整備するのも重要です。
たとえば、情報を共有できていないとリードクオリフィケーション精度が下がり、営業部に引き継ぐ営業リストを最適化できません。
また、マーケティング部が立案した戦略がうまく機能していたかを確認するには、営業部からのフィードバックが必要になります。
マーケティング部門だけでなく、他部門との連携をスムーズにするためにも、情報共有できる体制の整備は欠かせません。
スコアリングする
スコアリングは、見込み顧客に優先順位を付ける施策です。
自社商材に興味や関心がある見込み顧客でも、全てが成果につながるとは限りません。
無関心層や潜在層にアプローチしても、成果につながる可能性は低いでしょう。
営業リストに無関心層や潜在層が多ければ、営業活動が無駄足に終わる恐れがあります。
そこで、スコアリングにより見込み顧客に優先順位をつければ、営業活動の効率化につながるでしょう。
ソリューションを提案する
そして、ソリューションを提案するのもポイントです。
ソリューションとは、解決策や解決法という意味があり、BtoBマーケティングにおいては「顧客が抱える課題の解決策」を意味します。
営業部は、マーケティング部から引き継いだ戦略に基づき、顧客と商談します。商談を成功させるには、顧客ニーズにマッチしたソリューションを提案しなければなりません。
営業担当者が最適な提案ができるように、包括的なマーケティングを実施する必要があります。
具体的な事例をもとに紹介する
具体的な事例をもとに紹介すれば、説得力が高まります。
たとえば、カスタマージャーニーマップを作成する際に、過去の成功事例を交えて紹介すれば、課題解決に向けて、どのような情報が必要なのか、どんな施策が効果的なのかを把握できます。
作成する際に、情報の入手先や方法なども参考になるでしょう。
目的に合うツールを選ぶ
BtoBマーケティング効率をアップさせるには、ツールの活用も有効です。
マーケティングには、MAツールが用いられますが、他にも目的に合わせていくつか選択肢があります。
- MA(マーケティングオートメーション)ツール
- SFA(営業支援システム)ツール
- アナリティクスツール
- 広告運用自動化ツール
- アトリビューションツール
- BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール
ツールによって機能や得られる効果が異なるので、導入する際は、目的にマッチしていることが重要です。
こちらの記事では、BtoBマーケティングツールについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
BtoBマーケティングツールのおすすめ17選!選定ポイントや注意点も紹介
まとめ:自社に合うBtoBマーケティングの手法を実施して営業活動を最大化しよう
BtoBマーケティングと一口に言っても、さまざまな手法があります。
さらに手法ごとに施策も異なるので、目的に合わせて最適な手法や施策を見極めることが大切です。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、自社に合うBtoBマーケティング手法を実施して、営業活動を最大化させ成果につなげてください。