自動架電システムのおすすめ9選!選び方や注意点を詳しく解説
架電業務を主とするコールセンターの立ち上げや運営には、多くのコストと手間がかかります。慢性的な人手不足が懸念される中では、人材の確保も容易ではないでしょう。
自動架電システムなら、このような課題の解決に役立ちます。
しかし、自動架電システムにも種類があるため、何を基準に選べばいいか迷うこともあるでしょう。
そこで本記事では、自動架電システムのおすすめ9選を紹介します。選び方や注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自動架電システムとは ?
自動架電システムとは、事前に録音した音声を使い一斉に架電するシステムのこと。自動で架電業務を行えることから、オートコールシステムとも呼ばれています。
架電業務を主とするアウトバウンドコールセンターでは、1日に大量の架電をこなさなくてはなりません。
オペレーター1人あたりが1日にこなせる件数は、200件前後です。さらに、コールセンター業界はさまざまな理由から、慢性的な人材不足が懸念されています。
そこで自動架電システムを導入すれば、架電量の大幅アップと業務効率化が可能です。
自動架電システムは4種類
自動架電システムには4つの種類があります。それぞれに特徴が異なるため、目的に合ったシステムを選ぶことが大切です。種類別に特徴を見ていきましょう。
- オートコール
- CTIシステム
- IVR
- プレディクティブコール
オートコール
オートコールは、事前に録音した音声を使用し、指定した電話番号に一斉送信するシステムです。
受電側は、システムの案内に従い番号をプッシュして対応します。
主な用途はアンケート調査ですが、オペレーターの数やスキルに左右されず架電業務の効率化が可能です。
メールやSMSでのアンケート調査が困難な場合には、オートコールシステムで代用できます。
CTIシステム
CTI(Computer Telephony Integration)システムは、コンピューターや電話・FAXを統合させたツールです。
コンピューターで顧客管理をしている場合は、顧客に電話をかける際に、コンピューターの情報を見て電話をかけることになります。また、会話中に顧客の情報を確認する必要がある際は、コンピューターで管理する情報を確認するため手間がかかるでしょう。
CTIシステムでコンピューターと電話を統合すれば、パソコンからワンクリックで発信したり、会話中も迅速に顧客情報を確認したりできます。
IVR
IVR(Interactive Voice Response)は、自動応答システムのことです。
顧客からかかってくる電話に自動で応答できるため、インバウンドコールセンターやお客様相談窓口などで活用されています。
IVRでは、受電時の自動メッセージでの対応以外にも、必要に応じてオペレーターに接続することも可能です。
IVRを活用すれば、24時間365日対応できるため、営業時間外の対応や災害情報の発信などにも役立つでしょう。
プレディクティブコール
プレディクティブコールは、リストに掲載された顧客に対して一斉発信し、つながった電話のみをオペレーターに転送するシステムのことです。
オートコールも一斉架電が可能ですが、1件ずつ架電するため時間がかかります。
一方、プレディクティブコールは、1度に複数の発信が可能な他にも、つながった電話のみをピックアップしオペレーターに接続します。
これにより、オペレーターの待機時間や業務負担を軽減し、業務効率化を図れるでしょう。
自動架電システムの選び方5つ
それでは、自動架電システムを選ぶポイントを5つ紹介します。
- オンプレミス型・クラウド型で選ぶ
- 最大発信数で選ぶ
- 自動音声の選択肢で選ぶ
- 必要な機能の充実度で選ぶ
- 導入コストと予算をみて選ぶ
オンプレミス型・クラウド型で選ぶ
自動架電システムは、オンプレミス型・クラウド型の2種類です。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
オンプレミス型 | カスタマイズしやすい 既存システムとの連携が可能 | 導入にコストと時間がかかる |
クラウド型 | 短期間・低コストで導入できる | カスタマイズしづらい セキュリティリスクがある |
オンプレミス型は、カスタマイズ性が高いので、既存システムとの連携にも対応できます。
ただし、システムを一から構築しなければなりません。導入コストがかかることに留意しましょう。
クラウド型は、インターネット上のシステムを利用するため、システムの構築が不要です。短期間の導入が可能で、導入コストもおさえられます。
一方、インターネット上でデータを管理するため、セキュリティリスクがあることに留意しましょう。また、インターネットに接続できない環境では使用できません。
それぞれに良し悪しがあるので、業務形態にマッチしたタイプを選ぶ必要があります。
最大発信数で選ぶ
1日あたりの最大発信数を確認しましょう。
1日あたりの発信数が制限される場合は、リストの顧客全員に発信できず、業務に支障をきたす恐れがあります。
自動架電システムを選ぶ際は、発信したい数以上の発信数に対応しているものを選んでください。
自動音声の選択肢で選ぶ
自動音声を使用する場合は、選択肢があるかを確認しましょう。
自動音声の種類としては、録音・声優・合成音声などが挙げられます。相手の顔が見えない電話越しの対応では、声のトーンや店舗で印象が変わります。
目的に合わせて最適な音声を選ぶことが大切です。
必要な機能の充実度で選ぶ
そして、必要な機能の充実度も確認してください。
例えば、自動架電システムでは解決できない内容では、オペレーターへの転送機能があるといいでしょう。
電話では伝えられない情報がある場合は、SMS送信機能が活躍します。既存システムとの連携など、業務効率化に役立つ機能があるかなど、目的に応じて必要な機能を確認しましょう。
導入コストと予算をみて選ぶ
導入コストと予算の確認も重要です。
まず、オンプレミス型とクラウド型では、導入コストとランニングコストが異なります。
さらに、「月額制」か「従量課金制」かでも、必要なコストは変わってきます。
自動架電システムを選ぶ際は、必要な機能の他にも予算と導入コストがマッチしているかを確認しましょう。
自動架電システムのおすすめ9選
続いて、自動架電システムのおすすめ9選を紹介します。
- MEGA-CALL
- Media Voice
- オートコールIVR
- Ever Automation
- オートコールBB
- List Navigator.
- ロボティックコール
- オートコール EXLINK CALL
- InfiniTalk
MEGA-CALL
運営会社 | 株式会社アセンド |
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料金 | 要問い合わせ |
タイプ | クラウド |
主な機能 | 督促業務 アンケート調査 イベント集客コール アウトバウンド業務効率化など |
公式サイト | https://mega-call.net/ |
MEGA-CALLは、最短3営業日で導入可能なクラウド型のコールセンターシステムです。
テレアポやアンケート調査など、1時間で最大30万コールのアウトバウンド業務に対応します。
他にも、書類返送や未収金などの督促業務や、イベント集客コールまで幅広い用途に対応できるのが特徴です。
契約は法人のみが対象ですが、メールでは24時間365日導入後のサポートにも対応しているので安心でしょう。
Media Voice
運営会社 | メディアリンク株式会社 |
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料金(税込) | あふれ呼IVR 初期費用:55,000円~ 月額費用:33,000円/1窓口 従量課金:22円/1件 オートコール 初期費用:132,000円 月額費用:88,000円~ 通話料:16円~/1コール 自動受付IVR 初期費用:110,000円 月額費用:11,000円~/1窓口 従量課金:55円~/着信100件以上 CSアンケートIV 初期費用:55,000円~ 月額費用:55,000円~ 従量課金:22円/1件 オンプレミス型IVR 基本パッケージ:275,000円 ユーザーライセンス:27,500円 |
タイプ | クラウド・オンプレミス |
主な機能 | あふれ呼IVR オートコール 自動受付IVR CSアンケートIVRなど |
公式サイト | https://mediaseries.medialink-ml.co.jp/mediavoice/ |
Media Voiceは、企業の規模や業種を問わず対応できる、音声テックIVRサービスです。
業界最安値を謳っているように、導入コストをおさえたい場合に向いています。
独自の音声テック技術を駆使しており、月間600万コールとシステム稼働率100%※という安定性の高さを実現。あふれ呼IVRやオートコールなど、目的に合わせてサービスを選べるのも魅力といえるでしょう。
※過去全てのユーザーでの実績値
オートコールIVR
運営会社 | 株式会社電話放送局 |
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料金 | 初期費用:50,000円~ 月額費用:50,000円~ |
タイプ | クラウド |
主な機能 | 入金コール フォローコール アンケート調査 見守り アポイントの確認 書類返送依頼 |
公式サイト | https://www.dhk-net.co.jp/service/autocall-system/ |
オートコールIVRは、SMSを活用して声によるダイレクトメールを届けられるサービスです。
1時間に5,000件以上の自動架電が可能なため、業務効率化やコスト削減に役立つでしょう。
用途は、アンケート調査や未入金の督促、フォローコールまで幅広く活用できます。
任意の日時を設定したスケジュール発信は、高齢者の見守りにも対応可能です。
Ever Automation
運営会社 | Foonz株式会社 |
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料金 | 初期費用・システム利用料0円 詳細は要問い合わせ |
タイプ | クラウド |
主な機能 | ボタン操作による設問回答 音声合成による個別変更 転送など |
公式サイト | https://www.ever-automation.com/ |
Ever Automationは、SNS連動型の自動架電システムです。
予め設定した対象に対して、架電タイミングを調整できます。1時間で最大10,000件の大量の架電が可能になるため、人的リソースに影響されません。
SNS連動型は顧客の返答率が高い傾向にありますが、繋がらない場合は「オート追客機能」により自動で再発信するので、機会損失の軽減にも役立つでしょう。
オートコールBB
運営会社 | スパイラル株式会社 |
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料金 | ライトプラン/1席11ch システム利用料:40,000円/初期40,000円/月次 通話料:3.8円~/分 ミドルプラン/3席11ch システム利用料:60,000円/初期・60,000円/月次 通話料:3.8円~/分 ハイプラン/5席21ch システム利用料:80,000円/初期・80,000円/月次 通話料:3.8円~/分 |
タイプ | クラウド |
主な機能 | 架電先管理 CTI/PBX連携 クリックコール・オートコール プレディクティブコール トークスクリプト 通話録音など |
公式サイト | https://www.bizbase.biz/acbb/ |
オートコールBBは、1席からでも導入できる自動架電システムです。
プレディクティブコール(自動発信)と、IVRが一体化されているので幅広い用途に対応できます。
文字起こしした文章を元にした音声データの作成や、オートコールでのアンケート調査の集計も可能です。
IVR機能は、オペレーターにも接続可能なので、自動音声では対応できないときも臨機応変に対応できるでしょう。
List Navigator.
運営会社 | 株式会社Scene Live (シーンライブ) |
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料金 | 無料体験版:0円 ビジネス版 利用料金:5,000円 基本料金:10,000円 初期費用+回線料金+通話料金:100,000円 |
タイプ | クラウド |
主な機能 | 音声テキスト化 音声解析 感情解析 トークチェックなど |
公式サイト | https://scene-live.com/service/listnavigator/ |
List Navigator.は、アウトバウンドに特化した自動架電システムです。
多回線による一斉発信に対応できる「プレディクティブ機能」や、アプローチ漏れを防ぐ「再コール機能」を搭載。APIやCRMとの連携によるデータ管理もできます。
多彩な分析機能も搭載されているので、ターゲット層からのアポ率アップにも役立つでしょう。
管理者アカウントは何名でも無料で発行できますし、必要な機能分のみの料金なので無駄なコストを削減できます。
ロボティックコール
運営会社 | 株式会社アイティフォー |
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料金 | 要問い合わせ |
タイプ | クラウド・オンプレミス |
主な機能 | 督促 通知 手続き確認 アンケートなど |
公式サイト | https://www.itfor.co.jp/cti/robotic-call.html |
ロボティックコールは、自動音声で架電するIVRシステムです。
大企業のコールセンターに適したオンプレミス版・プライベートクラウド版の他、中小企業に適したパブリッククラウド版を提供しています。
大量の架電にもスムーズに対応できますし、応答があればオペレーターに接続し、応答なしの場合は留守番電話に自動でメッセージを吹き込む機能も搭載されているのがポイントです。
幅広い用途に対応しており、予算に合わせて選べます。
オートコール EXLINK CALL
運営会社 | 株式会社エクスリンク |
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料金(税込) | 初期費用:66,000円~ 月額費用:33,000円~ 重量費用:9円~/1分 |
タイプ | クラウド |
主な機能 | 多回線 予約発信 音声登録 音声フロー LOG 留守電検知機能 |
公式サイト | https://www.ex-call.com/ |
オートコール EXLINK CALLは、オートコールとSMSの2つのチャネルでコンタクトする自動架電システムです。
まずオートコールで架電を実施し、顧客が興味を持った場合はURLをSMSで送信できます。
SMSで送信する場合は本人認証を行うため、セキュリティ対策にも配慮が可能です。
予約管理システムを導入している場合は、API連携により予約前日での機会損失を防げるでしょう。
InfiniTalk
運営会社 | ジェイエムエス・ユナイテッド株式会社 |
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料金(税込) | クラウド版:月額39,380円~ オンプレミス版:要問い合わせ |
タイプ | クラウド・オンプレミス |
主な機能 | PBX 通話録音 フリーシーティング ACD CMSなど |
公式サイト | https://www.infinitalk.co.jp/ |
InfiniTalkは、チャットアプリでコールセンターを運用できます。
複数人での情報共有が可能なため、ビジネスとプライベートでの使い分けも可能です。
クラウド型とオンプレミス型の両方に対応しているため、用途や予算に合わせて最適なタイプを選べます。
チャットアプリは、オペレーターが対応中でも、スーパーバイザーが指示を出したり、他部門への問い合わせをしたりがスムーズなのも魅力といえるでしょう。
自動架電システムを導入するメリット3つ
ここでは、自動架電システムを導入する3つのメリットを紹介します。
- 業務効率化を図れる
- コスト削減につながる
- 応対品質を一定に保てる
業務効率化を図れる
自動架電システムの導入により、業務効率化を図れます。
コールセンター業務は煩雑化しやすい傾向があることに加えて、業務量が多くなる傾向が見られます。
オペレーターの業務負担が大きくなれば、離職につながり業務に支障が出るなど、コールセンター全体にも影響を与えかねません。
自動架電システムを導入すれば、業務効率化につながり、オペレーターの業務負担を軽減できるでしょう。
コスト削減につながる
自動架電システムは、コスト削減にもつながります。
システムの導入により一斉送信が可能になれば、業務に必要なオペレーター数も減るので人件費の節約になるでしょう。
オペレーターの業務負担が軽減し離職率が減れば、採用コストも削減できます。
応対品質を一定に保てる
応対品質を一定に保てるのも、自動架電システムのメリットです。
オペレーターが対応する場合は、個人のスキルによって品質に差が生じるのは否めません。
その点自動架電システムは、大量架電でも常に同じ対応が可能です。
感情も入らないので、どんな場合でも一定の応対品質を保てます。
自動架電システムを導入する際におさえておきたい注意点
では最後に、自動架電システムを導入する際の注意点について紹介します。
- 自動音声だとすぐに切られやすい
- 質問への回答や会話はできない
- 固定電話にだけ架電できるシステムが多い
自動音声だとすぐに切られやすい
自動音声は、すぐに切られやすい傾向があります。
事前に録音した音声を使用するため、人によっては機械的で冷たい印象を持つ方も少なくありません。
また、案内が長いと最後まで聞かずに、途中で切られてしまうこともあります。
自動音声を使用する場合は、機械的にならない話し方を意識したり、案内を簡潔にしたりするといった工夫を取り入れることも大切です。
質問への回答や会話はできない
自動架電システムは、質問に対して回答や会話はできません。
電話を受けた方が、質問したいことがあっても自動架電システムでは対応できないのが留意点です。
求める回答が得られない場合は、顧客満足度の低下につながる恐れがあります。
自動架電システムでは解決しない場合に備えて、オペレーターに接続できる機能を備えておくといいでしょう。
固定電話にだけ架電できるシステムが多い
システムによる違いはあるものの、自動架電システムは固定電話だけに架電できるものが多く見られます。
携帯電話には架電できない場合があることに留意しましょう。
携帯やスマホを持つ層にもアプローチしたい場合は、固定電話以外にも架電できるかを確認してください。
まとめ:自動架電システムは業務形態に合わせて選ぼう
自動架電システムは、事前に用意した音声を使用し一斉架電を可能にします。
システムの導入により、コールセンターの業務効率化につながるだけでなく、オペレーターの業務負担を軽減できるでしょう。
自動架電システムは応対品質を一定に保てるといったメリットがある一方で、種類によって特徴が異なります。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、業務形態にマッチした最適な自動架電システムを選んでください。