コールセンターにおけるFAQの作り方ガイド!ポイントや例を紹介
コールセンターにFAQを導入すると、応対品質の均一化や顧客満足度の向上といった効果が期待できます。
とはいえ、コールセンターにおけるFAQにも種類があるため、作り方がわからない担当者は少なくないでしょう。
そこで本記事では、コールセンターにおけるFAQの作り方を徹底解説します。メリットや注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターにおけるFAQとは ?
コールセンターにおけるFAQには、「顧客向け」「オペレーター向け」「社内向け」があります。それぞれの特徴について解説します。
- 顧客向けのFAQ
- オペレーター向けFAQ
- 社内向けのFAQ
顧客向けのFAQ
顧客向けのFAQは、顧客自身で問題を解決できるようにサポートする目的があります。
多くの企業ホームページには「よくある質問」やFAQといったコンテンツが設置されているでしょう。
商品やサービスに関してわからないことがあったときに、ユーザーがホームページにあるFAQを利用すれば、コールセンターに電話をかけずにその場で自己解決できます。
顧客とって都合のいいタイミングで利用できるのもメリットです。
オペレーター向けFAQ
オペレーター向けのFAQは、オペレーターをサポートする目的があります。
- 問い合わせに対する回答例
- トラブルが生じたときの対処法
例えば、新人オペレーターが顧客からの質問にどう答えていいか迷ったとき、FAQの解答例を参考にすれば自身で対処できます。
トラブルが生じ自身では対処しきれないときも、FAQに対処法があれば冷、静かつ迅速に対処できるでしょう。
オペレーター向けのFAQは、マニュアルやトラブルシューティングとしても活用できます。
また、FAQの導入により、オペレーターの応対品質の均一化も図れるでしょう。
社内向けのFAQ
社内向けのFAQは、社員が業務を遂行するうえでの疑問を解決する目的があります。
例えば各種申請手続きの方法や、システムトラブルが生じたときの対処法などが掲載されています。
社内向けFAQは、社員の業務負担の軽減にもつながるでしょう。
コールセンターにFAQを導入する5つのメリット
では次に、コールセンターにFAQを導入するメリットを5つ紹介します。
- 応対品質の向上効果が期待できる
- 顧客満足度の向上につながる
- オペレーターの業務負担を軽減できる
- コスト削減につながる
- 社内で情報を共有できる
応対品質の向上効果が期待できる
コールセンターにFAQを導入すると、応対品質の向上につながります。
経験が浅く知識も乏しい新人オペレーターでも、FAQを見れば自身で対応できるでしょう。
自分で対応することで知識として蓄積されるため、応対品質の均一化も図れます。
顧客満足度の向上につながる
コールセンターの応対品質が向上すれば、結果として、顧客満足度の向上につながるのは企業にとって大きなメリットです。
顧客満足度の向上は、コールセンター本来の目的であり、企業のイメージアップにもつながります。
オペレーターの業務負担を軽減できる
オペレーターの業務負担を軽減できるのもメリットです。
コールセンターでは電話対応以外にも、事務処理や受注・発注手続きなど、業務が煩雑化しやすい傾向があります。
さらに、クレーム対応での精神的な負担が大きくなれば、離職率を高めかねません。
FAQの導入により顧客自身で解決できるようになり、問い合わせ件数が減ればオペレーターの業務負担も軽減されるでしょう。
コスト削減につながる
コスト削減につながるといったメリットもあります。
オペレーターの業務負担が軽減され、定着率が高まれば、採用コストやオペレーターの育成コストを削減できるでしょう。
また、FAQにより有人対応のリソースが減れば、コールセンターの運用費用の削減にもつながる効果が期待できます。
社内で情報を共有できる
社内で情報を共有できるのもメリットです。
システムの導入やマニュアルを整備すれば、社員は自由にFAQを閲覧できます。
ベテランオペレーターのノウハウをFAQで共有すれば、新人オペレーターでも的確な対応を実現できるでしょう。
社内全体で共有すれば、他部署との情報共有もスムーズです。
コールセンターにおけるFAQの作り方
それでは、コールセンターのFAQを作る手順を紹介します。
- 情報を収集する
- 質問をカテゴライズする
- 内容を整理して優先順位を付ける
- Q&A形式にまとめる
情報を収集する
まず、情報を収集しましょう。
これまでコールセンターに寄せられた問い合わせで件数の多いものや、実際に対応したオペレーターのヒアリングなどから、FAQに掲載する素材を集めます。
良い意見だけでなく、クレームやネガティブな意見も収集すれば、商品やサービスの改善や開発に活用できます。
質問をカテゴライズする
次に、質問をカテゴライズします。
例えば、商品やサービスを提供する企業のカテゴライズ例は以下の通りです。
- 商品やサービスに関する疑問
- トラブルシューティング
- 料金・送料関連
- 返品・交換対応について
- 契約関連
大枠を決めたら、各カテゴリで3〜4程度を目安に選定すると見やすくなります。ただし、数が多いと見づらくなるので、見やすさも意識してください。
内容を整理して優先順位を付ける
次に、内容を整理して優先順位を決めます。
よくある質問なら「問い合わせ件数が多い順」にまとめていくといいでしょう。
定期コースや定額プランなどでは、「回数縛り」や「解約に関する情報」など、顧客が求める情報を見極めながら優先順位を付けることも大切です。
Q&A形式にまとめる
最後に、Q&A形式にまとめましょう。
質問に対応する回答内容を作成していきます。
ここでポイントになるのが、誰が見ても理解できるように簡潔にまとめることです。
例えば、社内向けのFAQなら専門用語でも問題ありませんが、顧客向けのFAQに専門用語を使うと理解できないでしょう。
顧客満足度の低下にもつながるので、チェック係として第三者に確認を入れて、わかりやすさや情報の抜け漏れに気をつけましょう。
コールセンターでFAQを作る際の注意点
では次に、コールセンターでFAQを作るに当たって注意したいポイントを紹介します。
- あらゆる顧客に伝わる表現をする
- 必要な情報に素早くアクセスできるようにする
- 定期的に更新を行う
あらゆる顧客に伝わる表現をする
ユーザビリティを意識しましょう青。
特に顧客向けのFAQでは、商品やサービスに関する知識がない人が見ても理解できることが重要です。
解決したい疑問やトラブルに関するFAQが見つかっても、長文だと読まずにブラウザを閉じてしまう可能性があります。
専門用語や難しい言い回しを多用すると、途中で離脱しかねません。
誰が見ても使いやすく、理解しやすいようなFAQを作成してください。
必要な情報に素早くアクセスできるようにする
必要な情報に素早くアクセスできることも大切です。
カテゴリが見つかっても、何度もクリックさせる構造だと知りたい情報にたどり着くのに時間がかかります。ユーザーを混乱させかねません。
この場合は、検索機能を活用するといいでしょう。必要な情報のキーワードを入力すれば、すぐに知りたい情報にアクセスできます。
定期的に更新を行う
FAQは作成したら終わりではなく、定期的に更新してください。
例えば、新商品やサービスが増えているのに、古い商品やサービスに関する情報だけでは有益な情報を発信できません。
古い情報を参考にしたことで、思わぬトラブルに発展する恐れもあります。
また、顧客も知りたい情報が見つからなければ不便に感じるでしょう。
FAQは定期的に見直しや更新を行い、常に正確な最新の情報を発信できるように心がけてください。
コールセンターのFAQ例
ここでは、コールセンターのFAQ例を、顧客向け・オペレーター向け・社内向けに紹介します。
顧客向け
顧客が商品の返品について情報を得たい場合の例を紹介します。
Q:商品の返品は可能ですか?
A:お届けした商品に破損や相違があった場合は、商品同着後7日以内にお客様センターまでご連絡ください。なお、お客様都合での返品はお受けいたしかねます。
注意事項がある場合は、必ず記載しましょう。
オペレーター向け
次に、オペレーター向けのFAQで、クレーム対応の例を紹介します。
クレーム対応手順
- まず「ご不便・ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝罪する
- お客様の話を要約しつつ話を傾聴する
- 解決策や代替案を提示する
解決策や代案を提示する場合は、顧客の気持ちを尊重することも大切です。
対応例:「新品と同じ商品との交換や、返金対応をさせていただきますがいかがでしょうか」
※対応が難しいと判断した場合は、〇〇部〇〇までお問い合わせください。
※◯◯◯-◯◯◯◯まで、内線〇〇まで(部署の問い合わせ先を記載)
対応例では解決できないこともあるため、問い合わせ先も記載しておきます。
社内向け
社内向けのFAQ例として、貸与されたスマートフォンが故障した場合の例を見ていきましょう。
▪️スマートフォンが故障した場合
マニュアルを確認後、システム情報部にお問い合わせください
※マニュアルURL:http://~
※◯◯◯-◯◯◯◯まで(システム情報部の問い合わせ先を掲載)
マニュアルでは解決できない場合に備えて、問い合わせも掲載しましょう。
コールセンターでおすすめのFAQシステム5選
では最後に、コールセンターでFAQを作る際におすすめのシステムを5つ紹介します。
- Zendesk
- Helpfeel
- SyncAnswer
- NotePM
- アルファスコープ
Zendesk
運営会社 | Zendesk |
---|---|
主な機能 | メッセージジング AIチャットボット ヘルプセンターの構築 メールとカレンダーの連携 タスク及び商談予約など |
料金 | Zendesk Suiteプラン Basic:月額19ドル(2,757円)~ Suite Team:月額55ドル(7,980円)~ Suite Growth:月額89ドル(12,914円)~ Zendesk Sell:月額19ドル(2,757円)~ Suite Professional:月額115ドル(16,687円)~ Suite Enterprise:要問い合わせ Zendesk Sellプラン Sell Team:月額19ドル(2,757円)~ Sell Growth:月額55ドル(7,980円)~ Sell Professional:月額115ドル(16,687円)~ ※2024年1月時点 |
無料トライアル | ◯ |
公式サイト | https://www.zendesk.co.jp/ |
Zendeskは、対話型CX(顧客体験)です。
「カスタマー向け」と「営業向け」に分かれており、それぞれ無料トライアルで試してから導入を検討できます。
カスタマー向けはAIを搭載したチャットボットを採用し、一人ひとりに合わせて最適な提案を実現しています。
営業向けは、プランによって機能は異なりますが、スムーズな情報共有を可能にするでしょう。
Helpfeel
運営会社 | 株式会社Helpfeel |
---|---|
主な機能 | FAQ検索 商品・サービス検索 マニュアル検索 社内FAQ検索 |
料金 | 初期費用+月額費用 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ |
公式サイト | https://helpfeel.com/ |
Helpfeelは、インターネットを活用したクラウド型の検索SaaSです。
検索機能を充実させたことで、ユーザビリティの向上や問い合わせ件数の削減を実現できるでしょう。
さらに、FAQサイトツール以外にも、構築から運用までワンストップでサポートしているので、社内リソースを削減したい企業に適しています。
SyncAnswer
運営会社 | 株式会社SyncThought |
---|---|
主な機能 | FAQの作成 FAQの公開 FAQの分析 |
料金 | エントリー 初期費用250,000円 月額費用50,000円 スタンダード 初期費用500,000円 月額費用100,000円 プロフェッショナル 初期費用800,000円 月額費用200,000円 エンタープライズ 要問い合わせ |
無料トライアル | ◯(要問い合わせ) |
公式サイト | https://www.syncanswer.jp/ |
SyncAnswerは、コールセンター業務をサポートするクラウド型のFAQシステムです。
顧客に向けたFAQコンテンツの作成と公開だけでなく、分析もできます。
プランによってサイト数は異なりますが、オプションでサイト数を追加したり、自動更新の有無を選択したりもできます。
NotePM
運営会社 | 株式会社プロジェクト・モード |
---|---|
主な機能 | マニュアル作成 検索機能 動画共有 変更履歴を自動記録 レポート機能など |
料金(税込) | プラン8:月額4,800円 プラン15:月額9,000円 プラン25:月額15,000円 プラン50:月額30,000円 プラン100:月額60,000円 プラン200~:月額120,000円~ |
無料トライアル | ◯(30日間) |
公式サイト | https://notepm.jp/ |
NotePMは、社内向けのFAQシステムです。
マニュアルの作成や検索機能など、必要な機能は標準装備されています。
チャット連携やAPI連携もできて、マルチデバイスにも対応しているので幅広い用途に活用できるでしょう。
アルファスコープ
運営会社 | 株式会社プラスアルファ・コンサルティング |
---|---|
主な機能 | Q&Aの登録 検索機能 チャットボット 分析 自動化・工数削減など |
料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | – |
公式サイト | https://www.a-scope.com/ |
アルファスコープは、「ユーザー向け」「ユーザー向け・チャットボット」「オペレーター向け」の3種類を提供しています。
いずれのサービスにも、トレーニング・サポート・活用支援サービスが付帯しているので、社内ノウハウの蓄積にも役立つでしょう。
用途に合わせて追加できる、オプション機能も充実しています。
おすすめのFAQシステムはこちらの記事でより詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
まとめ:コールセンターのFAQはユーザビリティやわかりやすさを重視して作成しよう
コールセンターにFAQを導入すれば、オペレーターの業務負担を軽減できます。
顧客にとっても都合のいいタイミングで疑問や不安を解決できるため、顧客満足度の向上につながるでしょう。
FAQを作成する際は、ユーザビリティを重視することも大切です。ぜひ本記事で紹介した情報を参考にしながら、FAQを活用してください。