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カスタマーサクセスとは何か?意味や仕事内容・KPIをわかりやすく解説

カスタマーサクセスアイキャッチ

カスタマーサクセスは、サブスプリクションサービスの登場を期に日本でも注目されるようになった施策です。顧客の成功体験を支援する取り組みのことですが、国内ではカスタマーサクセスの認知度が低いため正しく理解できる人は多くありません。

カスタマーサクセスが顧客満足度の向上につながるため、正しく理解し実践すれば競合他社との差別化が可能です。

そこで本記事では、カスタマーサクセスの意味や仕事内容を徹底解説します。重要なKPIも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

カスタマーサクセスとは顧客の成功体験を支援する取り組みのこと

カスタマーサクセスとは顧客の成功体験を支援する取り組みのこと

カスタマーサクセス(CustomerSuccess)とは、顧客の成功体験を支援する取り組みのことです。

自社商品やサービスを利用している顧客の成功体験を支援することで、リピーターを獲得する目的があります。

企業が安定した利益を得るには、長期的に継続利用する顧客を獲得しなければなりません。

カスタマーサクセスは、顧客の課題を解決する目的も含まれるため、顧客満足度が向上すれば、その結果企業の売上にもつながります。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

まず、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いを表にまとめます。

カスタマーサクセスカスタマーサポート
取り組む姿勢能動的受動的
目的顧客の成功体験をサポートする(マイナス要素を減らす)顧客の疑問や不安を解消する(プラス要素を増やす)
アプローチのタイミング購買時問い合わせ時

カスタマーサポートは、顧客が抱える疑問や不安を解決して、顧客満足度を向上させるのが目的です。顧客からの問い合わせに対応しマイナス要素を減らすことで、顧客が安心できるように導く役目があります。

一方カスタマーサクセスは、顧客の成功体験をサポートするのが目的です。自社商品やサービスを購入する顧客に、継続利用や追加購入することで得られるベネフィットを訴求しプラス要素を増やします。

いずれも最終的に企業の利益や顧客からの信頼を勝ち取る目的は同じですが、プロセスが異なります

カスタマーサクセスが注目される5つの理由

カスタマーサクセスが注目される5つの理由

それでは、カスタマーサクセスが注目される理由を紹介します。

  1. ビジネスモデルが変化している
  2. 営業スタイルが変化している
  3. 他社商品・サービスとの差別化が求められている
  4. DXの必要性が増加している
  5. CX(顧客体験)の向上を重視する傾向が強まっている

ビジネスモデルが変化している

まず、ビジネスモデルの変化が挙げられます。

これまでは、顧客が商品を購入して使い切る、またはサービスを契約したら継続する「売り切り型」が主流でした。

しかし、サブスクリプションサービスの登場により、ビジネスモデルが大きく変化しています。

サブスクリプション型は、顧客が必要なときだけ利用して、利用期間に応じた料金を支払う仕組みです。必要性がある間は利用しますが、必要性がなくなれば自由に解約できます。

これにより企業は、契約したら継続が当たり前ではなくなったため、継続してもらうための取り組みが必要になりました。

営業スタイルが変化している

サブスクリプションサービスが普及したことで、営業スタイルも変化しています。

売り切り型では「契約がゴール」でしたが、サブスクリプション型では、「契約がスタート」です。

顧客が契約しても自由に解約できるため、継続してもらうための営業活動が必要になりました。

他社商品・サービスとの差別化が求められている

インターネットの普及やシステムの進化などにより、顧客行動も変化しています。

いつでもどこでも欲しい商品やサービスを購入できる他、同じような商品やサービスも増えています。

企業が生き残るには、競合他社との差別化が欠かせません

しかし、競合他社も行き残りをかけて差別化を図るため、他にはないオリジナル商品や独自サービスの提供でより差別化を図る必要があります。

DXの必要性が増加している

DX(Digital Transformation)の必要性が増加しているのも、カスタマーサクセスが注目される要因です。

DXとは、デジタル技術を駆使してビジネスモデルを変革すること。DXを活用すれば、顧客データを正確に分析できます。

たとえば、顧客情報を管理する際にDXの一種であるCRM(顧客関係管理)を活用すれば、膨大なデータにも対応できるだけでなく、社内でのデータ共有もスムーズです。

DXによりカスタマーサクセス向上効果が期待できるため、今後も需要は伸びていくでしょう。

CX(顧客体験)の向上を重視する傾向が強まっている

近年、CX(顧客体験)の向上を重視する傾向が強まっています。

そもそもCXとは、顧客が商品やサービスを購入してからアフターサービスまでの体験のことです。

購入した商品やサービスを顧客が気に入れば、継続的に利用してもらえる可能性があります。さらに、アフターサービスで顧客をサポートすれば、リピーターを獲得できるでしょう。

企業が売上を伸ばすためには、新規顧客の獲得も選択肢に入ります。

しかし、新規顧客の獲得にはコストも手間もかかるため、既存顧客のCX向上を図る方がコストや手間をかけずに済みます

カスタマーサクセスの仕事内容

カスタマーサクセスの仕事内容

次に、カスタマーサクセスの主な仕事内容を紹介します。

  1. 導入支援
  2. 継続的なサービス活用支援
  3. オンラインコミュニティの運営
  4. ヘルススコアのチェック
  5. 解約抑制に向けたアプローチ
  6. 他部署との連携

導入支援

導入支援とは、顧客が商品やサービスを購入した後、スムーズに使えるようにサポートすること。オンボーディングとも呼ばれています。

たとえば、購入した商品を使うのにセットアップが必要な場合は、カスタマーサポートでチュートリアルを提供します。

また、複雑な操作が必要な場合は、操作できるようになるまでサポートするのも導入支援の領域です。

継続的なサービス活用支援

継続的なサービス活用支援も、カスタマーサクセスでは欠かせない業務です。

カスタマーサクセスでは、契約したら終わりではありません。契約後にサービスを継続して利用してもらうための支援が必要です。

支援方法としては、モニタリングやウェビナーなどがあります。こうした支援を継続することで、顧客の課題を見出し最適な解決策を提案できるのがメリットです。

顧客からの声は、企業にとっても課題の把握や改善に役立つでしょう。

オンラインコミュニティの運営

オンラインコミュニティの運営も、カスタマーサクセスに欠かせない仕事です。

ウェビナーは企業と顧客の接点にすぎません。そこでオンラインコミュニティを運営すれば、顧客同士が情報交換する場を提供できます。

オンラインコミュニティを通じて、セミナーやイベントの開催もできるので、活用すれば顧客ロイヤリティの向上にもつなげられるでしょう。

ヘルススコアのチェック

カスタマーサクセスでは、ヘルススコアチェックも重要です。

ヘルススコアチェックとは、顧客が自社商品やサービスを継続利用するかを数値で表します。

  • サービスサイトへのログイン回数
  • セミナーの参加状況
  • アンケートへの回答率

ヘルススコアが高いほど、サービスを継続利用してもらえる可能性が高いと考えられます。

解約抑制に向けたアプローチ

解約抑制に向けたアプローチも重要です。

ヘルススコアチェックで数値が低い顧客は、解約する可能性が高いと考えられます。

顧客に継続利用してもらうには、早期に対策を取らなければなりません。

ヘルススコアが低いのは、商品やサービスに不満があるからだと考えられます。継続利用してもらうには、個々へのアプローチが必要です。

  • アンケートに回答した顧客に無料サンプルをプレゼントする
  • 定期的にクーポンを発行する

顧客に特別感を与えることで、解約抑制効果が期待できます。

他部署との連携

カスタマーサクセスでは、他部署との連携も欠かせません。

たとえば、顧客が自社アプリに使いづらさを感じている場合は、開発部門にフィードバックします。

顧客から商品やサービスに関する要望があった場合は、営業部や開発部と連携して開発に活かす工夫が必要です。

顧客の要望を各部署に伝えるのも、カスタマーサクセスの重要な役目です。

カスタマーサクセスで重要なKPI

カスタマーサクセスで重要なKPI

カスタマーサクセスでは以下のKPIが重要になります。それぞれに詳しく見ていきましょう。

  1. LTV(顧客生涯価値)
  2. チャーンレート(解約率)
  3. 顧客ロイヤリティ
  4. アップセル率・クロスセル率
  5. 顧客エンゲージメント
  6. 顧客満足度
  7. 既存顧客維持率

LTV(顧客生涯価値)

LTV(Life Time Value)は、顧客生涯価格のこと。顧客が与える総利益から、顧客獲得にかかるコストを引いた純利益を指します。

LTVは、顧客の価値を明確化するだけでなく、マーケティング戦略の立案にも役立つ指標です。

なお、LTVを最大化できれば、顧客ロイヤリティの向上にもつながります。

チャーンレート(解約率)

チャーンレートは、解約率を表す指標で、以下の計算式で割り出します。

「解約した顧客数÷契約した顧客数×100」

チャーンレートの数値が高ければ、解約率が高い状態です。数値が高い場合は、リピーターの獲得に向けて、早急に対策を取る必要があります。

顧客ロイヤリティ

顧客ロイヤリティは、顧客が企業に対してどれだけ愛着を持っているかを測る指標です。

顧客ロイヤリティが高いほど、顧客は企業を信頼し継続的に利用する可能性が高いと考えられます。

顧客ロイヤリティは、NPS(NetPromoterScore)で数値化できます。

NPSではまず、アンケートを実施して、アンケート結果に基づき顧客を3つのカテゴリーに分類します。

  • 10~9点:推奨者
  • 8~7点:中立者
  • 6点以下:批判者

「推奨者-批判者」の計算式で出た結果がNPSスコアです。

たとえば、100人に対してアンケートを実施して、次のような結果が出たとします。

カテゴリー人数割合
推奨者50人50%
中立者20人20%
批判者30人30%

これを計算式に当てはめると、50%-30%=20です。

NPSは、推奨者が多いと数値が上がり、批判者が多いと数値が下がります。

なお、日本では低く評価する傾向が見られるため、NPSが低くなることも少なくありません。

優良企業でもNPSが少なくなるケースがあるため、あくまでも目安として捉えるといいでしょう。

アップセル率・クロスセル率

アップセルは、今利用している商品やサービスよりも、グレードの高い商品やプランを提案する手法です。

クロスセルは、今利用してる商品やサービスに関連した、別の商品やサービスを提案する手法を指します。

アップセル率とクロスセル率は、高いほど売上の向上につながります

ただし、カスタマーサクセスの目的は顧客の成功体験をサポートすることです。ケースによっては、アップセル率やクロスセル率を重要視しない場合もあります。

顧客エンゲージメント

顧客エンゲージメントは、顧客が自社商品やサービスをどのくらい利用しているかを測る指標です。

  • 公式サイトやマイページへのログイン頻度が多い
  • 積極的に良い口コミを発信している
  • 競合他社との価格差があっても自社商品を継続利用している
  • 企業が発信した情報に素早く反応する

上記のような行動を取る顧客は、顧客エンゲージメントが高いと判断できます。

顧客満足度

顧客満足度は、顧客が自社商品やサービスにどれだけ満足しているかを測る指標です。

顧客満足度の調査は、アンケートや口コミなどで測定できます。顧客満足度が高いほど、カスタマーサクセスの効果が反映されていると判断できます。

既存顧客維持率

既存顧客維持率は、顧客が自社商品やサービスを長期間利用しているかを測る指標です。

数値が高いほど継続利用しているリピーターが多いので、顧客満足度の高さを把握できます。

健全な企業ほど、既存顧客維持率が高いのも特徴です。

カスタマーサクセスを成功に導く4つのポイント

カスタマーサクセスを成功に導く4つのポイント

カスタマーサクセスを成功に導くには、以下に紹介する4つのポイントを意識してください。

  1. 自社サービスを必要としているかを見極める
  2. データを最大限に取り入れる
  3. 顧客ごとに最適なサービスを提供する
  4. 組織全体で取り組む

自社サービスを必要としているかを見極める

まず、自社サービスを必要としているかを見極めてください。

自社サービスを必要としていない顧客にアプローチしても、リピーターになってくれる可能性は期待できません。

ミスマッチがあれば、顧客に注ぐコストや時間が無駄になる恐れがあります。

ミスマッチを防ぐには、顧客情報の分析が欠かせません。分析の結果、自社サービスを必要としていると判断できれば、リピーターを獲得できる可能性が高まります。

データを最大限に取り入れる

データを最大限に取り入れ活用することも大切です。

カスタマーサクセスの目的である、顧客の成功体験を支援するには、顧客ニーズを把握する必要があります。

顧客ニーズが曖昧なままアプローチしても、成果にはつながらないでしょう。

そこで重要となるのが、顧客データです。データを最大限に活用するにはCRMがおすすめです。

顧客情報を一元管理できるので、他部署との連携もスムーズになります。

顧客ごとに最適なサービスを提供する

顧客ごとに最適なサービスを提供してください 。

顧客によって課題が違うため、最適な提案も異なります。顧客ごとに最適な提案を実現するには、LTVに基づくタッチモデルに分けた支援が有効です。

  • ハイタッチ層:LTVが高い
  • ロータッチ層:LTVがやや高い
  • テックタッチ層:LTVが低い

ハイタッチ層には、マンツーマンでのサポートを心がけましょう。ロータッチ層はハイタッチ層よりも数が多くなるため、セミナーやワークショップで対応します。

テックタッチ層はさらに数が増えるので、動画やチャットボットなどでサポートすればコスト削減が可能です。

組織全体で取り組む

カスタマーサクセスは、組織全体で取り組むことを意識してください。

部署ごとのサポートも必要ですが、顧客の成功体験を重視するには他部署との連携が欠かせません。

組織全体で取り組めば、社内に活気が生まれモチベーションがアップします。

CRMやSFAなどのツールを活用すれば、情報共有もスムーズです。

カスタマーサクセスの成功につなげるツール3選

カスタマーサクセスの成功につなげるツール3選

では最後に、カスタマーサクセスの成功につなげるツールを3つ紹介します。

  1. Fullstar
  2. commmune
  3. arch

Fullstar

Fullstar
運営会社クラウドサーカス株式会社
料金Free:無料
Light:60,000円
Enterprise:要問い合わせ
主な機能チュートリアル作成
プロダクトアナリティクス
カスタマーサクセス管理
公式HPhttps://fullstar.cloudcircus.jp/

Fullstarは、無料からはじめられるカスタマーサクセスツールです。

チュートリアルをノーコードで作成できるので、工数をかけずにユーザー体験を実現できます。チュートリアルは、サポートへの問い合わせ件数削減にもつながるでしょう。

プロダクトアナリティクスでは、顧客ロイヤリティの把握に欠かせないアンケートを
簡単に作成できます。

カスタマーサクセス管理では、顧客一人ひとりの状況を瞬時に把握できるので、少ないリソースでもLTVの最大化を図れるでしょう。

SuccessHub

SuccessHub
運営会社コミューン株式会社
料金要問い合わせ
主な機能オーバービュー
アカウントの一元管理
アクション管理
自動アクション
個別連絡一括送信
タイムライン
公式HPhttps://www.successhub.jp/

SuccessHubは、顧客情報を一元管理しながら、状況に合わせて個別に最適なアクションを実行できるツールです。

顧客の利用状況を可視化できるので、最短距離でのアクションを可能にします。

顧客情報は、担当者やフェーズ単位で絞り込みできるため、見たい情報をすぐに引き出せます。

顧客単位で自動タスクを発行すれば、やるべきことを見逃しません。Slack・Chatworkと連携により、アクションの振り返りもできます。

arch

Arch(アーク)
運営会社HiCustomer株式会社
料金要問い合わせ
主な機能検討や支援に必要な情報を集約
検討・共有状況を見える化
テンプレート作成
Salesforce連携
公式HPhttps://arch.hicustomer.jp/

Arch(アーク)は、製品の提案から活用まで、お客様専用ページで一括管理できるツールです。

検討や支援に必要な情報を集約しているので、買い手がスムーズに目標を達成できるようにサポートします。

必要な情報を簡単に共有できるため、顧客の進捗やモチベーションを一目で確認できるのもポイントです。

顧客セグメントやフェーズごとに、テンプレートの作成も可能です。Salesforce連携すれば、転記コストゼロでデータを蓄積できます。

まとめ:カスタマーサクセスの重要性を理解して顧客満足度の向上につなげよう

まとめ:カスタマーサクセスの重要性を理解して顧客満足度の向上につなげよう

カスタマーサクセスは、顧客の成功体験を支援する取り組みです。

ビジネスモデルや営業スタイルの変化に伴い、企業が生き残るには他社競合との差別化が欠かせません。

また、DXの必要性増加やCXの向上を重視する傾向が高まる今、カスタマーサクセスの注目度も高まりつつあります。

本記事で紹介した情報を参考にしながら、カスタマーサクセスの重要性を理解して顧客満足度の向上につなげてください。

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