コールセンターの電話応対のコツは9つ!新人から身につけたい技術を紹介
企業の窓口として顧客からのさまざまな要望に応えるのが、コールセンターの役目です。
相手の顔が見えない電話応対では、話し方次第でネガティブな印象を与える恐れがあります。
特にクレーム対応では適切な対応が求められるため、コールセンターの印象が悪ければ企業イメージを損ないかねません。
そこで本記事では、コールセンターにおける電話応対のコツを9つ紹介します。新人から身につけておくと役立つ技術についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターでの上手な話し方のコツは9つ
それでは、コールセンターにおいて上手に話す9つのコツを紹介します。
- 正しい言葉遣いで話す
- 明るく柔らかな声を意識して話す
- 結論から伝える
- 対面同様に対応する
- 1秒間で5文字程度の早さを意識する
- 滑舌と聞き取りやすさを意識して話す
- 確認事項は必ず復唱する
- クッション言葉を取り入れる
- 顧客の目線に立って対応する
正しい言葉遣いで話す
まず基本となるのが、正しい言葉遣いで話すことです。
コールセンターでは、状況に合わせて「丁寧語・尊敬語・謙譲語」の3種類を使い分けなければなりません。
普段の会話では使わない言い回しも含まれるため、言葉選びを間違えると相手を不快にさせる恐れがあります。
状況に合わせて正しい言葉遣いで話すことを意識してください。
明るく柔らかな声を意識して話す
電話応対では、明るく柔らかな声を意識することも大切です。
例えば、無表情で話をすると声のトーンが下がりやすいので、相手に冷たい印象を与えます。
口角を上げると声のトーンが上がり、明るい声になります。常に笑顔を意識して話すように心がけるといいでしょう。
また、柔らかな声で話すと、緊張や怒りを緩和する効果も期待できます。
結論から伝える
顧客からの問い合わせには、結論から伝えることも大切です。
わかりやすく伝えようとすると、どうしても話が長くなります。求めている答えを得るまでに時間がかかれば、ストレスを感じることもあるでしょう。
説明や理由から話し始めるよりも、先に結論を伝えることで、後付の説明も理解しやすくなります。
対面同様に対応する
そして、対面同様に対応するように意識してください。
電話であっても対面であっても、お客様に対応するという点は変わりありません。
相手の顔が見えないからこそ、声や話し方で印象が決まってしまいます。
対面同様に、正しい姿勢と言葉遣いを理解して笑顔で対応すれば、顔が見えなくても良い印象を与えられるでしょう。
1秒間で5文字程度の早さを意識する
話すときは、目安として1秒間で5文字程度の早さを意識してください。
電話応対では、迅速かつ丁寧に話すことも大切ですが、早口で説明しても相手は理解しづらいでしょう。
1秒間に5文字程度は、最も聞き取りやすいスピードとされています。実際の電話対応に活用してください。
滑舌と聞き取りやすさを意識して話す
滑舌と聞き取りやすさを意識することも大切です。
滑舌が悪いと聞き取りづらいため、相手にストレスを与える恐れがあります。特にコールセンターでは、顧客から何度も聞き返されると、満足度の低下につながりかねません。
口周りや舌の筋肉のこわばりは、滑舌にも影響すると言われています。普段からマッサージやストレッチ、発声練習などを取り入れるといいでしょう。
確認事項は必ず復唱する
確認事項は必ず復唱してください。
コールセンターのオペレーターは、顧客の話を正確に聴くことも重要です。
確認事項を復唱するのは、聞き間違いを防ぐだけでなく、相手の話をしっかりと聴いているというアピールにもなります。
クッション言葉を取り入れる
適度にクッション言葉を取り入れるのもコツの1つです。以下に例を紹介しますので参考にしてください。
顧客の希望に添えないとき | • あいにくですが • ご期待に添えず申し訳ございませんが • 誠に申し上げにくいのですが |
---|---|
顧客にお願いするとき | • 恐れ入りますが • お手数をおかけしますが • お忙しいところ恐縮ですが |
顧客に尋ねるとき | • ご迷惑でなければ • もしよろしければ • 差し支えなければ |
状況に合わせて適切なクッション言葉を取り入れると、ネガティブな印象を緩和する効果が期待できます。
顧客の目線に立って対応する
顧客の目線に立って対応することも心がけてください。
コールセンターに電話をかける顧客の中には、電話が苦手だったり、不安を抱えていたりする方もいます。
オペレーター目線で話をすると、顧客の不安や不満を増長させかねません。
常に顧客目線に立ち、相手が何を求めているかを理解し適切に対応することが大切です。
コールセンターのクレーム対応のコツ
では次に、コールセンターでクレーム対応する際のコツを6つ紹介します。
- 謝罪する
- 顧客の話を要約する
- 顧客を否定しない
- クレーム内容によって適切な言葉を選ぶ
- 自分で対応できないときはエスカレーションする
- 感謝の言葉を伝える
謝罪する
クレーム対応で重要なのは、まず謝罪することです。
クレームを入れる顧客は、企業に対して不満や怒りを持っています。顧客が不満や怒りを持っていても、謝罪から入ることで自身の気持ちが受け入れられたと感じるでしょう。
謝罪は、クレームから大きな問題への発展を防止する効果が期待できます。
「顧客に不快な思いをさせたことに対しての謝罪」を丁寧な対応で示すことが大切です。
「この度はご不便をおかけして誠に申し訳ございません」など、前置きを入れるといいでしょう。
顧客の話を要約する
次に、顧客の話を要約します。
不満や怒りを抱えて電話をかけてくるときは、相手の感情も高ぶっているでしょう。
そこで顧客の話を聞いてから要約することで、きちんと話を聞いて対処する姿勢であることをアピールできます。
- 〇〇でお間違いないでしょうか
- 〇〇ということでよろしいでしょうか
自分の意見を聞いてくれている、理解してくれていると分かれば、顧客に安心感を与えられます。
顧客を否定しない
顧客を否定しないことも大切です。
クレーム対応では、顧客都合の理不尽な内容も含まれることがあるでしょう。
しかし、そこで顧客を否定すると、怒りや不満を増長させかねません。コールセンターの対応が悪いと判断されれば、企業のイメージダウンにつながる恐れがあります。
- お言葉ですが~
- そのようなことはないと思いますが~
上記のようについ言ってしまいがちなフレーズもありますが、クレーム対応ではNGなので注意してください。
クレーム内容によって適切な言葉を選ぶ
クレーム対応では、内容に応じて適切な言葉を選ぶ必要があります。
- 長く待たせたとき:大変お待たせして申し訳ございません
- 質問に答えられないとき:勉強不足でご迷惑をおかけして申し訳ございません
- 不手際があったとき:大変失礼いたしました、今後十分に注意いたします
- 相づち:ごもっともでございます、おっしゃる通りでございます
相手が感情的になっているときでも、常に冷静な対応ができるように、フレーズで覚えておくといいでしょう。
自分で対応できないときはエスカレーションする
オペレーターが対応できない場合は、エスカレーションという選択肢があります。
- 新人オペレーターでは対応できないとき:経験豊富なベテランオペレーターが対応する
- オペレーター権限では対応できないとき:責任者が対応する
オペレーター自身での対応が難しい場合は、エスカレーションによってトラブルを未然に回避できるでしょう。
ただし、エスカレーションはスムーズに行うためにも、体制を整えてから実施してください。
感謝の言葉を伝える
クレーム対応であっても、感謝の言葉を伝えます。
中には厳しい言葉を投げかけられることもあるでしょう。
しかし、クレームは商品やサービスの改善につながることがあります。
なお、感謝の言葉は会話の最初に「電話をかけてくれたこと」に対して、会話の最後に「貴重な意見を寄せてくれたこと」に対して伝えるのもポイントです。
コールセンターで対応が上手い人の特徴4つ
続いて、コールセンターで対応が上手い人の特徴を見ていきましょう。
- 顧客の声を傾聴する
- 正しい敬語で丁寧に話す
- 適量な音量でメリハリを付けて話す
- ネガティブな内容でもポジティブな表現を使う
顧客の声を傾聴する
顧客の話を傾聴できるオペレーターが多いほど、コールセンターの応対品質向上につながります。
傾聴とは、相手の気持ちに寄り添い親身になって耳を傾けることです。
傾聴力が高くなれば、相手の抱えている不安や悩みを把握し、適切な対応ができるようになります。
オペレーターが顧客の声を傾聴すれば、顧客に安心感を与えられるでしょう。
正しい敬語で丁寧に話す
正しい敬語で丁寧に話すのは、オペレーターにとっての必須事項です。
言っている内容が間違っていなくても、言葉遣いを間違えれば不信感につながります。
また、正しい敬語を使っていても、早口だったり声が小さかったりすれば顧客にストレスを与えかねません。
常に正しい言葉遣いで丁寧に話すことを意識してください。
適量な音量でメリハリを付けて話す
適量な音量と、メリハリを付けて話すのも、オペレーターに求められるスキルです。
声が小さいと聞き取りづらいですが、大きすぎても不快に思われかねません。
質問に対する回答であっても、要領を得ない会話は話が長くなります。
顧客が安心して会話ができるように、音量とメリハリを意識するといいでしょう。
ネガティブな内容でもポジティブな表現を使う
ネガティブな内容でも、ポジティブな表現を使えば好印象を与えられます。
まず、顧客が当日発送を希望しているものの、できないケースで見比べてみましょう。
ネガティブな表現 | 本日発送は、すでに締め切っているのできません |
---|---|
ポジティブな表現 | 大変申し訳ございません、本日発送受付は◯時までとなっております。 明日でしたらお急ぎ便での発送が可能でございます。 |
続いて、商品の返品を希望していて、返品不可のケースでも例を紹介します。
ネガティブな表現 | 返品は受け付けておりません |
---|---|
ポジティブな表現 | 大変申し訳ございません。 返品はいたしかねますが、新しい商品との交換であれば可能です。 |
このように、ポジティブな表現に言い換えることで、ネガティブな印象を緩和できます。
コールセンターにおける電話応対の注意点
コールセンターの電話対応で注意したいポイントを3つ紹介します。
- 顧客の話を途中で遮らない
- 馴れ馴れしく話さない
- 語尾を伸ばさない
顧客の話を途中で遮らない
顧客の話を途中で遮らないようにしてください。
特に顧客との会話中に、相手の話を遮るのはマナー違反です。
まずは相手が話し終わるのを待ってから、対応してください。
顧客が迷っているような場合は、「他に質問はございませんか?」「どうぞお話ください」などと促しましょう。
馴れ馴れしく話さない
馴れ馴れしく話すと相手を不快にさせる恐れがあります。
NGな言葉遣い | 良い言葉遣い |
---|---|
ちょっとお待ち下さい | 少々お待ち下さい |
どんな? | どのような |
こっち、そっち | こちら、そちら |
上記は、日常会話であれば問題ないでしょう。しかし、顧客に対して使うと馴れ馴れしい印象を与えるので注意が必要です。
語尾を伸ばさない
語尾を伸ばさないことも重要です。
「ですー。」「ですよねー。」と語尾を伸ばすと、不真面目な印象を与える恐れがあります。
普段から語尾を伸ばす癖があると、無意識に使ってしまうこともあるでしょう。
同僚や上司などに確認してもらったり、録音して自分で聞き直したりすることで対処できます。
コールセンターで対応のコツを磨くなら練習アプリの活用はおすすめ
ここまで、コールセンターにおける電話応対のコツを紹介しましたが、電話対応が苦手な方や新人オペレーターはどのようにすればいいかわからないこともあるでしょう。
電話対応のコツを磨きたいなら、「電話対応練習アプリ」を活用してみてはいかがでしょうか。
AI機能が搭載されたアプリなら、実践のシチュエーションを再現しながら練習ができます。
事前の音声入力やシナリオ設定をしておけば、さまざまなシーンを想定した練習により会話スキルを身につけられるでしょう。
1人でも練習できるので、電話対応のコツを身に付けたい方はぜひ試してみてください。
まとめ:コールセンターでの電話応対のコツをおさえて顧客満足度の向上を図ろう
企業の窓口として、顧客からの要望に応えるコールセンターの対応は、企業イメージにも直結します。
電話対応では相手の顔が見えないため、声の印象や話し方が重要です。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、電話対応のコツをおさえて顧客満足度の向上を図ってください。