営業職はなくなる?その真相や起こりうる変化・営業マン不要論も解説
近年AIやCRT技術の進化、オンライン取引の増加により「将来的に営業職がなくなるのでは?」と噂されています。
しかし、企業が売上を伸ばすには営業活動が欠かせません。ではなぜ営業職がなくなるといわれているのか?
本記事では、営業職がなくなるという噂の真相を徹底調査します。今後起こりうる変化や営業マン不要論についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
結論:営業職はなくならない
結論からいういと、営業職はなくならないでしょう。
たしかに、近年のAIやCRM技術の進化は目覚ましいものがあります。しかし、技術だけで営業活動のすべてに対応できるわけではありません。
顧客が気づいていない潜在的な課題を引き出し解決するインサイト営業は、営業マンなしでは成立しないでしょう。
優れた技術でもトラブルが起きた際は、人の手で対応する必要があります。
また、中長期的に取引を継続する際に欠かせない信頼関係の構築は、人と人によるやり取りなしでは成立しません。
よって、今後も営業職はなくならないと考えられます。
ただ営業職の人材は減少傾向にある
営業職自体がなくなることはないものの、営業職の人材は減少する傾向があるのは否めません。
厚生労働省がまとめた「令和5年の一般職業紹介状況」は以下の通りです。
- 全体の有効求人倍率:1.19%
- 営業職の有効求人倍率:2.14%
有効求人倍率が1を超えた場合は、「求職者<求人数」を意味するため、営業職が人で不足であることがうかがえます。
たとえば、テレアポ営業の効率を考えた場合は、オペレーターが1件ずつ電話をかけるより、一斉送信できるSNSの方が効率は格段にアップします。
新型コロナウイルス感染症対策として、訪問営業が減少する一方で、リモート営業が急速に普及しているのも営業職の人材が減少する要因です。
営業職がなくなるといわれる理由は大きく3つ
それでは、営業職がなくなるといわれる3つの理由についてそれぞれに詳しく見ていきましょう。
- インターネットの普及で消費者行動が変化している
- モノやサービスの売り方が多様化している
- AIやCRM技術の進化で営業効率が高まっている
インターネットの普及で消費者行動が変化している
まず挙げられるのが、インターネットの普及により消費者行動が変化したことです。
インターネットが普及する以前は、訪問営業やテレアポなどでアプローチするのが一般的でした。
しかし、インターネットの普及により消費者は、SNSや口コミで商品やサービスを認知できるようになっています。
営業マンがアプローチしなくても、インターネットにつながる環境さえあれば、消費者は好きなタイミングで購入できます。
インターネットの普及と消費者行動の変化によって、顧客と直接的な接点を持てなくなったのが1つ目の理由です。
モノやサービスの売り方が多様化している
次に、モノやサービスの売り方が多様化しているのも要因です。
売り方の多様化については、技術の進化だけでなく、新型コロナウイルスの影響も大きく関係しています。
オンライン商談が可能になったことで、訪問営業からオンライン営業に切り替える企業が増えています。
オンライン営業なら、時間とコストの削減が可能です。
顧客も手軽に利用できるオンライン商談を好む傾向があるため、今後も営業職の在り方は変わっていくでしょう。
AIやCRM技術の進化で営業効率が高まっている
技術の目覚ましい進化は、営業職がなくなるといわれる大きな要因です。
近年AIだけでなく、CRMやSFAなど営業活動をサポートするツールが登場しています。
AIにできることを任せれば、人にしかできない作業に注力できます。担当者は本来の業務に集中できるため、生産性の向上につながるでしょう。
やることが山積みでもCRMやSFAなどのツールを使えば、業務効率化につながります。
人にしかできない作業もありますが、技術で代用できて業務効率も上がれば営業職の必要性が減ります。
営業職が今後も必要といえる理由
近年インターネットやSNS、AIやCRMの技術が進化していますが、全てを技術でカバーできるわけではありません。さらに、営業職の需要は増加傾向にあるのでニーズがなくなることはないと考えられます。
営業職が今後も必要といえる理由については、以降で3つの視点から解説します。
- 専門的な知識を持つ人材が求められる
- 営業は顧客の課題解決をサポートする
- インサイト営業が重要視されている
専門的な知識を持つ人材が求められる
専門的な知識を持つ人材なら、今後も需要は高いと見ていいでしょう。
インターネットやSNSなら手軽に情報を入手できますが、発信できる情報は限定されます。
便利な技術やツールでも、顧客自身が求める情報を入手できなければ、顧客満足度の低下につながりかねません。
そこで専門的な知識を持つ人材がいれば、顧客が求める情報を提供できます。必要な情報を入手できれば、顧客満足度の向上につながるでしょう。
営業は顧客の課題解決をサポートする
そもそも、営業は顧客の課題解決をサポートする役目があります。
営業活動においては、自社商品やサービスの売り込みも重要です。しかし、強引に売り込んでも顧客の信頼は得られません。
顧客から信頼されるためには、顧客が抱えている課題を解決できる提案をする必要があります。
AIは文書作成やチャットボットなどで、顧客に対応できても、心理的な面までサポートできません。
心理的な面をサポートするには、営業職が必要です。
インサイト営業が重要視されている
近年、インサイト営業が重要視される傾向があるのも、営業職が必要な理由です。
インサイト営業では、顧客自身が気づいていない潜在的な課題を、営業マンによるヒアリングで導き出します。
インターネットではさまざまな情報を収集できても、顧客の潜在的な課題までは引き出せません。
インサイト営業の重要性が注目されている以上、営業職が完全になくなることはないでしょう。
営業職が将来的に生き残るための秘訣
続いて、営業職が将来的に生き残るために習得したい秘策を4つ紹介します。
- 専門性の高い知識を身につける
- セールステックを活用する
- インサイト営業の必要性を理解する
- 第三者目線で顧客に寄り添い対応する
専門性の高い知識を身につける
専門性の高い知識を身につけるのは、今後営業職で生き残るために必要不可欠です。
たとえばメーカーに勤務する営業マンなら、自社商品に関する知識は持ち合わせているでしょう。
しかし、顧客から技術的なことを質問された場合、専門的な知識がないと答えられません。答えられなければ、顧客にとって最適な提案ができず、顧客満足度が低下する恐れがあります。
顧客との商談で膨大なデータを分析する必要がある場合は、統計学の知識が必要です。
職種によって求められる知識は変わりますが、専門的な知識を身につけておけば臨機応変に対応できるでしょう。
セールステックを活用する
セールステックの活用も、この先営業職が生き残るために必要なことです。
セールステックとは、セールス(Sales)とテクノロジー(Technology)からなる造語で、ITを活用して業務効率化を図ることを指します。
欧米ではセールステックの活用が当たり前になっていますが、日本でも近年注目されるようになりました。セールステックの例としては以下があります。
- CRM(顧客管理システム)
- SFA(営業支援ツール)
- MA(マーケティングオートメーション)
セールステックを活用すれば、営業職だけでなく組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。
インサイト営業の必要性を理解する
そして、インサイト営業の必要性を理解することも大切です。
従来のソリューション営業では、ヒアリングで顧客の課題を引き出し、自社商品やサービスを解決する手段として提案してきました。
しかし、インターネットの普及や技術の進化により、顧客自身が自己解決できるケースも少なくありません。
そこでインサイト営業に切り替えれば、顧客自身が気づいていない潜在的な課題に効果的にアプローチできます。
潜在的な課題に気づけて、かつ最適な提案が受けられれば、顧客からの信頼を得られるでしょう。
第三者目線で顧客に寄り添い対応する
第三者目線で顧客に寄り添い、親身に対応することも必要です。
AIやツールを活用すれば、業務効率化を図れます。しかし、AIやツールでは感情面への細やかな対応ができません。
顧客に寄り添い対応するには、顧客情報を分析してニーズを把握する必要があります。
そこでおすすめなのが、株式会社ディグロスのCRMマーケティングです。
専用のCRMシステムを用いて、顧客のさまざまなニーズを分析し、蓄積したデータを元に最適なアプローチ方法・トークを導き出します。
詳細は電話やメールにてご説明いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
今後なくなる可能性のある営業職
では最後に、今後なくなる可能性のある営業職を紹介します。
- 単純な物販営業
- 個人向け訪問営業
- 営業事務
単純な物販営業
まず挙げられるのが、単純な物販営業です。
- 保険の営業
- 小売店の店頭販売
- 不動産営業
- 広告営業
上記は、主に商品やサービスの説明が主なため、AIでも十分に代用が可能です。
信頼関係の構築ができていれば、担当の営業マンから購入することもあるでしょう。しかし、信頼関係を構築できていない場合は、営業マンから購入する必要性を感じません。
個人向け訪問営業
個人向け訪問営業では、営業マンが顧客の自宅を訪問して商品やサービスを売り込んでいました。
アポイントなしで突然訪問されることもあるため、ネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。
インターネットの普及に伴い、好きなタイミングで情報を入手したり、商品やサービスを購入できたりする昨今では物販営業の需要が減退しています。
営業事務
営業事務も今後無くなる可能性が高いといえるでしょう。
営業事務の仕事 | 仕事内容 |
---|---|
書類作成 | 見積書や契約書の作成 注文書や発注書の作成 納品書の作成 受領書や検収書の作成 請求書の作成 |
ファイリング | 業務に関わる書類を分類しファイルに入れ保管する |
顧客管理 | 顧客情報を管理する |
在庫管理 | 在庫の確認と管理 |
上記は、RPA(パソコンで行う作業を自動化する)や、CRM(顧客管理システム)で対応できます。
ヒューマンエラーの予防や業務効率化を図れるメリットもあるため、システムにシフトする可能性が高いでしょう。
まとめ:営業職がなくなることはない!現在求められるスタイルに対応しよう
営業職は完全になくなる事はありませんが、営業人材は減少する可能性が高いでしょう。
今後営業職で生き残りたいなら、専門的な知識を身につけたり、セールステックの活用やインサイト営業への理解度を高めたりするなどで対処できます。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、現在求められる営業スタイルに対応できるようにしてください。