営業の情報共有を実施したい!外せない項目とポイントを解説
コロナ禍による働き方の多様化によってリモートワークが普及し、メンバー同士で顔を合わせる機会が少なくなりました。
そのような環境の中でも、自社の成果を上げるために意識的に行いたいのが「情報共有」です。
営業チーム内において情報共有の習慣化は、自社の営業活動のスキルアップに役立ち、業績アップにもつながるでしょう。
本記事では、いま営業の情報共有が必要な理由と行うことで得られるメリット、成果を出しやすい共有方法を解説します。
営業の情報共有が必要な理由
営業の情報共有が必要とされる理由は、コミュニケーションを増やし、営業活動を円滑に進めるためです。
営業担当者は外回りによる移動時間が日々の大きな割合を占め、社員同士でゆっくりと情報交換する時間が多くとれません。加えて、働き方改革やリモートワークの普及によって、社員同士の顔を合わせる機会が少なくなっているため、意識的に情報共有に取り組む必要があります。
成功・失敗例、トラブル事例などの情報共有を積極的に行うことは、担当者同士でコミュニケーションを生み出します。結果、チーム全体のスキルアップにつながり、営業活動を進められます。
営業の情報共有を行うメリット
営業の情報共有を行うことで得られるメリットを5つ紹介します。
1. 属人化しがちな情報をチームで把握できる
2. 営業活動の可視化につながる
3. 報連相がスムーズになる
4. チーム内のコミュニケーション強化につながる
5. チーム全体のスキルアップにつながる
属人化しがちな情報をチームで把握できる
営業担当者ひとりひとりが抱えている情報をチームで把握することで、業務の属人化防止につながります。
同じ営業チームに所属していても、担当者によって抱えるお客様や案件は異なるため、営業活動で蓄積された商談のプレゼン内容や課題、顧客データなどは異なります。個別で抱えてしまうと、もし担当者が不在の場合や急な異動が起きた際、連携がスムーズにいきません。
情報共有を習慣化しておくことで、万が一の場合にもチーム内でサポートできるようになります。
営業活動の可視化につながる
営業活動が可視化されることもメリットです。
営業担当者は電話やメール、商談や資料作成などさまざまな業務をこなしています。日報や週報での報告だけでは、どのようにアプローチしたものか、適切な対応ができているかなど、マネージャーや上長が細かな部分まで把握することは困難です。
日々の行動履歴や対応方法をチーム内で共有し、プロセスを見える化することで、営業活動を適切に行えるようになり、担当者の評価を明確にすることができます。
報連相がスムーズになる
社内の報連相がスムーズになることもメリットです。
※報連相とは、報告・連絡・相談を指します。
上長に結果報告する場合、一連の流れを一度に説明するとなると時間を要してしまいます。報告書を作成する時間もかかり、業務の非効率化になりかねません。
対応履歴や商談内容を日頃から情報共有しておくことで、上長は営業担当者の行動を把握することができ、報・連・相をスムーズに行えます。
チーム内のコミュニケーション強化につながる
チーム内におけるコミュニケーション力の強化もメリットです。
営業担当者は複数の案件を進行している場合が多く、抱えている課題もさまざまです。
情報共有を定着させると、万が一トラブルが起きた場合でも、周囲からアドバイスを受けたり助け合ったりと、周囲の協力が得られやすくなるでしょう。
日頃から情報共有をすることで相談しやすい雰囲気をつくることができ、連帯感も生まれます。チームの人間関係を良好に保てるようになるのです。
チーム全体のスキルアップにつながる
チーム全体のスキルアップにもつながります。
営業担当者によって契約件数や進捗は異なります。成果を出している営業担当者が顧客に対してどのようにアプローチし、どうヒアリングを行ったか、そのノウハウを共有することでチーム全体の成果にも良い影響をもたらします。
中には、あまり自分が培った営業の情報やノウハウを共有したくない人もいるかもしれません。
ですが、営業チーム全体がスキルアップすれば、新入社員研修の際にも役立てることができ、早期戦力につながるでしょう。
営業における情報共有すべき項目
営業活動において情報共有するとよい3つの項目を紹介します。
1. 案件・商談内容
2. 顧客情報
3. 対応事例
それぞれ具体的に見ていきましょう。
案件・商談内容
まず、案件や商談内容の情報です。
案件や商談内容の共有は、担当者が不在のときに代理として別の人材への引き継ぎに役立ち、進行もスムーズに進められ停滞する心配もありません。
【共有すべき主な案件や商談内容】
● アプローチ方法(いつ、どこで、だれが商談したか)
● どのような商談をしたか
● 進捗状況
● 成約の見込み率
● 受注予定
● 契約金額
● 訪問回数
ただし、機密情報は情報漏洩の観点から共有しないように注意しましょう。
こうした情報を展開しておくことで、担当者が不在の際にほかの担当者が引き継いで行うことが可能になり、顧客からの信頼も得られやすくなります。
顧客情報
そして、顧客情報も必ず共有すべきです。
顧客情報を共有しておけば、仮に担当者が変更しても引き継ぎがスムーズに行われ、クライアントの手間もかかりません。
【共有すべき主な顧客情報】
● 顧客の基本情報(企業名・住所・代表者名・お問合せ方法など)
● SNS運用状況
● 顧客の収益性(累計売上・利益・購入頻度・購入単価)
● 顧客の趣味、思考
● 対応履歴
顧客情報がメンバー間で共有できていれば、担当者に変更があってもスムーズに引き継ぐことができ、業務効率化に役立ちます。
対応事例
続いて、成功体験やトラブル対応といった事例共有です。
過去の事例を共有することで、適切なアプローチ方法、反応の良かった提案資料の作り方を見出すことができます。
また、トラブル対応事例に関しては何が原因だったのかを他者目線で掘り下げることができ、今後の営業活動に活かすことができます。
対応事例を共有するためには、日々の商談概要を記録しておくことが重要です。ツールを活用するのもよし、上長にリアルタイムで報告するのもよし、自社の活動に合わせて残しておくといいでしょう。
営業の情報共有を行う際のポイント
最後に、情報共有する際のポイントを説明します。情報共有を実践する前に確認しておくことで、成果につながりやすくなります。
1. 目的を明確にしておく
2. 共有項目を決めておく
3. ルールをきめておく
4. 情報共有ツールも視野に入れてみる
5. コスパを意識して取り組む
それぞれ見ていきましょう。
目的を明確にしておく
まず、目的の明確化です。
どのような情報を何のために共有するのかを具体的に決めておきましょう。メンバー全員が把握しておくことで、自社全体の成果アップにつながりやすくなります。
例えば、成果につながったヒアリング内容を共有するとします。営業担当者にとっては個人の実績であるため、共有することに抵抗を感じる場合もあるでしょう。
個人のスキルを共有することがなぜ必要なのかを自社で明確にし、メンバーが納得した上で行うことをおすすめします。
共有項目を決めておく
共有項目を事前に決めておきましょう。
ここでポイントとなるのが、初めから多く設定するのではなく、徐々に共有する項目を増やしていくこと。担当者が持っている情報は膨大な量なので、一度にすべての情報を共有するとなると、たくさんの時間がかかってしまいます。
最初の頃は限定的な項目からスタートし、習慣化してきたら共有する内容を増やしていきましょう。
ルールを決めておく
情報共有するにあたって、ルールの決定も欠かせません。
営業担当者が持っている情報は、どれもすべて機密性の高いものばかりです。共有する環境によっては情報漏洩のリスクが生じかねないので、場所・時間・タイミングはもちろん、使用するツールがあれば使い方の周知徹底なども図っておきましょう。
社内においても、どのメンバーまで共有するのか範囲を決めておくことをおすすめします。
営業支援ツールも視野に入れてみる
営業支援ツールの導入を検討してみることをおすすめします。
営業支援ツールとは、ITやAIなどを活用したデジタルツールのこと。ツールの種類によって、担当者の行動履歴や商談内容、スケジュール管理できるものなど多種多様です。
営業支援ツールを活用することで保管場所を統一することが可能になり、資料や報告書の管理にばらつきが生じてしまうことを防げます。
無料のものから有料のものまで幅広くリリースされているため、自社の予算に合わせて取り入れてみるといいでしょう。
営業支援ツール(SFA)とは?導入するメリットと選ぶ際の注意点まで解説!
コスパを意識して取り組む
最後に、コストパフォーマンスを意識して取り組みましょう。
営業の情報共有は、チーム内の風通しをよくし、営業部門全体のスキルアップ、さらに自社の業績を高めることが目的です。
共有する時間に労力を注ぐことは大切ですが、情報のシェアにこだわりすぎると本来の営業活動の目的が見失われてしまいます。よって、コストパフォーマンスの悪化にもつながりかねません。バランスを図りながら情報共有を行っていきましょう。
営業の情報共有は積極的に実施しよう!
営業内で、情報共有をスムーズに行うには、メンバー全員の意識改革と、習慣化するための仕組みづくりが重要です。
業種によっては共有範囲や頻度が異なってくるでしょう。営業の情報共有は、社内全体の組織力強化にもつながるので、営業活動に合わせつつ積極的に実施してみてください。