営業フローチャートの作成方法・メリットを解説
営業フローチャートという言葉を知っていても、具体的にどのように作成・活用するのかを知らない方は多いのではないでしょうか。
営業フローチャートを活用すると、属人化を防ぎつつ、スムーズに業務に取り掛かるためのガイドができあがります。
この記事では、営業フローチャートが重要な理由や作成方法を紹介します。
営業フローチャートとは
営業フローチャートとは、営業業務において、どの工程でどのようなアクションを行うべきかを言語化し、それらをまとめてチャート化したものです。
営業の仕事では、リストの作成からアポイントの取得、商談、アフターフォローなど、さまざまな業務が発生します。
それぞれの業務において、どのようなアクションを誰に対して行うかを示すのが営業フローチャートです。
営業業務は担当者や顧客によって取り組み方が異なることが多く、手法が属人化しやすい傾向にあります。
属人化している状態では、新たに配属された社員や新入社員が何を基準に活動すればいいのかを教育することが難しくなってしまうでしょう。
営業フローチャートを作成すれば、営業を行ううえでのガイドラインとして活用できるため、新入社員でも混乱せずに仕事に打ち込めます。
たとえば、「新規アポイントを取るためには、電話で〇〇を伝える」「商談後には先方へ△△のメールを送りアフターフォローを行う」などは、営業フローチャートでよく見られる代表例です。
営業フローチャートの例
営業フローチャートの理解を深めるために、営業フローチャートの一例をご紹介します。
ここでは、新規顧客を獲得し商品を提案するチャートを例に挙げます。
1. リード獲得:広告、自社メディア、SNSなどを通じてリードを獲得する
2. アプローチ:確度の高い見込み客に対してメールや電話でアプローチする
3. 初回訪問:初回訪問のアポイントを取得する
4. 営業活動ヒアリング:顧客が抱えるニーズをヒアリングする
5. 提案・見積:ニーズを満たす商品の見積を作成・提案する
6. 受注:具体的な契約の話を交わし、クロージングする
これは営業フローチャートを体系化した一例であり、実務では「新規顧客獲得の営業フローチャート」や「既存顧客掘り起こしの営業フローチャート」など、シチュエーションに応じて営業フローチャートを使い分けることが一般的です。
営業フローと営業プロセスの違い
営業フローと似た用語として営業プロセスがあり、どちらも営業業務の流れを構造化する際に用いられます。
営業プロセスとは、営業業務の全般を可視化することです。
「リストの作成」や「メール対応」、「商談」などの流れを可視化することで、営業の流れを把握できます。
営業フローは、営業プロセスにおける業務の一部をさらに細分化し、細分化した項目ごとの対応方法までを言語化することです。
たとえば「新規顧客の獲得」にフォーカスして詳細や対応方法を言語化したものは、営業プロセスではなく営業フローに分類されます。
営業プロセスの目的は「営業業務における流れの理解」であり、営業フローの目的は「各営業業務における手順の理解、対応方法の理解」であると考えるとイメージしやすいでしょう。
新入社員に業務を教える場合は、まずは営業プロセスを活用し流れを説明し、営業フローをマニュアルとして活用させると、スムーズに仕事に取り掛かれます。
営業フローチャートが重要な理由
営業フローチャートが重要な理由を具体的に3つご紹介します。
1. 営業活動の振り返りによる改善を見込める
2. 営業における抜け漏れ・ミスを防止できる
3. チームで営業の取り組みを共有できる
1.営業活動の振り返りによる改善を見込める
1つ目の理由は「営業活動の振り返りによる改善を見込めること」です。
営業フローチャートを活用すると、社員はチャートに沿って活動を進めます。
もし期待どおりの成果を得られなかった場合は、改善点がチャートのいずれかの工程にあると限定できます。
もしチャートを活用してなかった場合は、「どのような流れで活動していたのかの振り返り」作業が発生してしまい、流れのどこに改善点があるのか判断するのにも苦労します。
2.営業における抜け漏れ・ミスを防止できる
2つ目の理由は「営業における抜け漏れ・ミスを防止できること」です。
営業フローチャートに沿って業務を進めれば、必要な工程が網羅されているため、抜け漏れやミスを防止できます。
もし営業フローチャートを活用しないと、新入社員は業務に動きがある度に、「次は何をしよう」と考えながら行動しなければいけない事態に陥ります。
そうなれば間違った判断をしたり、判断をしないまま放置したりしてしまうことが増えるでしょう。
3.チームで営業の取り組みを共有できる
3つ目の理由は「チームで営業の取り組みを共有できること」です。
営業フローチャートを共有すると、それぞれの社員が同じように業務に取り組めます。
属人化することなく仕事の流れを可視化できるため、多くの社員が成果を収められるでしょう。
優秀な成績を収めた社員がいるなら、どの工程でどのような取り組みをしたのかを共有することで、成功の秘訣を具体的にチームで共有できます。
また、営業に課題を抱える社員がいたなら、フローチャートの工程ごとに取り組み方を確できるため、チームでのフォローの質が高まります。
営業フローチャートの作成方法
営業フローチャートの作成方法を4ステップでご紹介します。
企業から購入するメリットの理解を深めるためにも、購入以外でテレアポリストを入手する方法を3つご紹介します。
1. 作成の目的を設定する
2. 営業関係者の現状を把握する
3. 営業の流れをチャート化する
4. フローチャートを活用する
1.作成の目的を設定する
1つ目のステップは「作成の目的を設定すること」です。
営業フローチャートを活用すると、各業務に対して的確に行動を取れます。
ただ、目的がないまま作成すると形骸化は避けられません。
自社の営業部門にどのような課題があるかをヒアリングし、その解決策の選択肢として営業フローを作成すれば、目的は明確に設定されます。
2.営業関係者の現状を把握する
2つ目のステップは「営業関係者の現状を把握すること」です。 フロー内の工程では、商談相手などの関係者が登場します。 それら関係者をフローに盛り組むことで、誰に対してアクションを取るべきかが明確になります。
関係者をフローに盛り込む際は、それぞれの関係者がどのような立場や状況であるかも明確にしましょう。
誰が決定権を持つのか、その人との商談アポイントを取得できるのかなどを明らかにしておけば、効率よくアプローチできるようになります。
3.営業の流れをチャート化する
3つ目のステップは「営業の流れをチャート化すること」です。
ここまでのステップで作成したフローを時系列に沿ってチャート化しましょう。
誰が見ても同じ取り組みを行える営業フローチャートにするために、時系列であることが欠かせません。
新入社員でも迷うことなく参考にできるチャートに仕上げましょう。
4.フローチャートを活用する
4つ目のステップは「フローチャートを活用すること」です。
このステップではフローチャートを実際に活用し、その過程でブラッシュアップをします。
完璧なフローチャートを一度で作ることは困難です。
また、取引先や市場の状況は変化しつづけているため、フローチャートの改善は欠かせません。
営業フローチャートを作成する際のポイント
効果的な営業フローチャートを作成する際のポイントを4つご紹介します。
1. 時系列で作成する
2. 誰でも理解できるように作成する
3. 具体的に作成する
4. 既存のフローチャートを参考にする
1.時系列で作成する
1つ目のポイントは「時系列で作成すること」です。
先述のとおり、時系列で作成することは、誰が見ても同じようなアクションを起こすために欠かせないポイントです。
業務の内容によっては、順序が逆転するだけで大きな損害が出ることもあります。
フローチャートを活用する社員が順序で悩むことのないように作成しましょう。
2.誰でも理解できるように作成する
2つ目のポイントは「誰でも理解できるように作成すること」です。
営業フローチャートのメリットのひとつに、属人化を防げることがあります。
ただ、理解しにくいチャートを作成するとメリットを活かせません。
図や箇条書きを用いて、誰でも理解できるチャートを作成しましょう。
3.具体的に作成する
3つ目のポイントは「具体的に作成すること」です。
アクションの目的は何か、アプローチするべき対象は誰か、いつ行動するべきかなど、具体的に記しましょう。v 人の名前や数字などを用いれば、具体的なフローチャートを作成できます。
4.既存のフローチャートを参考にする
4つ目のポイントは「既存のフローチャートを参考にすること」です。
営業フローチャートをゼロから作成するとなると、何から考えればいいのか混乱してしまうことがあります。
その際は既存のフローチャートを参考にしましょう。
過去に社内で使用されていたフローチャートをフォーマットとして活用し、要所をアレンジすることでたたき台が完成します。
その後に組織内でのコミュニケーションを踏まえて使用可能な状態に仕上げ、仮運用することでブラッシュアップしましょう。
まとめ:営業フローチャートにより売上アップ!
今回は営業フローチャートについて解説しました。
営業フローチャートを作成すれば、属人化を防ぎつつ、誰でも迷うことなく営業業務に取り組めるようになります。
ただ、一度フローチャートを作成したところで完璧には仕上がらないため、運用しながらブラッシュアップを重ねましょう。