コールセンターマニュアルの見本を公開!作成の手順も5ステップで解説
コールセンターマニュアルの作成は、オペレーターのスキルアップや顧客満足度の向上、業務の効率化に欠かせません。
しかし「作成方法がわからない」「時間やコストがかかりそうで進められない」などの理由で作成を後回しにしている企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コールセンターマニュアルの見本を公開し、作成手順を5ステップで解説します。この手順に沿って作成すれば、誰でも簡単に効果的なコールセンターマニュアルを作成できるでしょう。
コールセンターマニュアルの作成に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
コールセンターマニュアルの作成目的は属人化の防止
そもそも、なぜコールセンター業務においてマニュアル作成が重要なのでしょうか。
コールセンターマニュアルを作成する目的には、属人化の防止が挙げられます。
コールセンターは、オペレーターのスキルや経験によって顧客対応の品質に差が生じやすくなる傾向があります。そのため「担当者によって対応手順が異なり、顧客を混乱させてしまう」「担当者が不在時は、状況が把握できない」という属人化によるトラブルを招きかねません。
そこでマニュアルを作成すれば、オペレーターのスキルや経験に関係なく、一定品質で顧客対応が実現できるようになります。オペレーターの退職や異動の際にも、スムーズな引き継ぎができるでしょう。
コールセンターマニュアルは2種類
コールセンターマニュアルは、インバウンドとアウトバウンドで異なります。
インバウンドのマニュアル
インバウンドコールセンターは、顧客からの問い合わせやクレームに対応する業務がメインです。
コールセンターの規模や商品によって問い合わせ内容は多岐にわたるため、顧客の立場に沿った対応が求められるでしょう。そのため、インバウンド向けのマニュアルには、顧客のニーズを的確に把握し、それらに応じた対応方法を記載する必要があります。
インバウンドコールについては、以下の記事で詳しく解説しています。参考にしてみてください。
アウトバウンドのマニュアル
アウトバウンドコールセンターは、企業から顧客に電話をかけて、商品やサービスの紹介や営業を行う業務がメインです。オペレーターには、企業の売上につながるような対応が求められます。
マニュアルには、営業力やプレゼンテーション能力といった、購入を促す手法・トークスクリプトを記載する必要があります。
コールセンターのアウトバウンド業務については、こちらの記事を参考にしてみてください。
コールセンターマニュアルの見本
コールセンターマニュアルには、企業や商品内容によって最低限組み込むべき項目があります。見本として、以下の内容を盛り込みましょう
- 会社の基本情報
- 自社商品・サービスの情報
- ビジネスマナー・社内のルール
- システム・ツールの操作方法
- トークスクリプト
- クレーム対応
会社の基本情報
マニュアルには、会社の基本情報を記載します。
会社概要を記載することで、会社や事業内容に対する理解や、会社への帰属意識を高められるでしょう。
会社概要を記載する際は、以下の内容を盛り込んでください。
- 会社名
- 所在地
- 事業内容
- 経営理念・ビジョン
企業理念やビジョンも記載することで、顧客対応を行う際の原動力につながるでしょう。
自社商品・サービスの情報
マニュアルには、自社商品やサービスの情報を記載しましょう。
具体的には、以下の項目を記載します。
- 商品の概要
- 特徴や活用するメリット
- 利用方法
- 注意事項
商品情報を記載することで、問い合わせに対する迅速な回答が可能になります。商品の魅力を伝えやすくなるというメリットもあるでしょう。
社内のルール・ビジネスマナー
社内ルールやビジネスマナーも、マニュアルに記載すべき項目です。
社内ルールは、企業やコールセンターの業務内容によって異なります。社内ルールを明確に理解しておくことで、業務を円滑に進められるでしょう。
ビジネスマナーは、社会人として最低限身につけておくべき項目です。電話のやり取りがメインになるコールセンターでは、ビジネスマナーへの理解が欠かせません。
電話対応の言葉遣いも身につけておくことで、顧客に好印象を与えられるでしょう。
なお、電話対応の言葉遣い一覧はこちらの記事で紹介していますので、あわせて参考にしてください。
システム・ツールの操作方法
システムやツールの操作方法も記載しておきましょう。
使用するシステムやツールは、コールセンターによって異なります。新人はもちろん、異動したスタッフもスムーズに業務できるようにしなければなりません。
それぞれのシステムやツールの操作方法を理解しておくことで、トラブルが発生した場合にも迅速に対応できます。
システムやツールの操作方法は、テキストだけでなく図や動画で作成しておくことも重要です。
オペレーターの理解度や学習スタイルに合わせて、適切なマニュアルを作成してください。
トークスクリプト
コールセンターマニュアルには、トークスクリプトも記載しておく必要があります。
トークスクリプトを記載することで、以下のようなメリットがあります。
- 顧客対応の基本を習得できる
- 顧客対応のスキル向上につながる
- 応対品質の均一化につながる
トークスクリプトを記載する際は、オペレーターが応用しやすいよう柔軟な構成で作成してください。トークスクリプトに頼りすぎてしまうと、顧客のニーズに応じた柔軟な対応ができません。
トークスクリプトの構成ポイントについては、こちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
クレーム対応
クレーム対応に関する内容も、コールセンターマニュアルに記載する項目のひとつです。
クレームをうまく処理できないと、企業イメージの低下につながりかねません。
クレーム対応をマニュアル化し適切に行うことで、顧客満足度の向上が期待できます。
クレーム対応の方法を記載する際には、以下の点に留意しましょう。
- クレーム対応の流れをおさえる
- 具体的な事例や対応例を挙げて、オペレーターの理解を深める
- クレーム対応の注意点やNGワードを明確に記載する
クレーム対応に関するマニュアルを作成した後は、OJTやロールプレイングを通じてオペレーターのスキルアップを図るようにしてください。
コールセンターマニュアルの作成手順5ステップ
では、コールセンターマニュアルの作成手順を5つのステップで解説します。
- マニュアル作成の責任者を決定する
- 現状分析をする
- 見本とするトークを書き出す
- フローチャートを作成する
- トークスクリプトを作成する
マニュアル作成を統括者を選定する
コールセンターマニュアルを作る際には、マニュアル作成の統括者を決定しましょう。
統括者は、以下のような役割を担います。
- マニュアルの作成目的や対象者を明確にする
- 対象業務を洗い出し、記載すべき項目を決定する
- 業務手順を設計し、マニュアルの構成を決める
- マニュアルを作成・編集する
- マニュアルの運用・改善を図る
マニュアル作成の責任者がいなければ、マニュアルの作成が滞ったり内容がバラバラになったりする可能性があります。そうなると、改善すべき点が見つかってもうまく進められません。
マニュアル作成の責任者を選ぶ際は、コールセンター業務に精通した人物が適任です。業務経験やスキルがある人物であれば、効率的に作成できるでしょう。
現状分析をする
続いて、現状分析を行ってください。
コールセンターにおける現状分析は、以下の点に注目しましょう。
- コールセンターの業務内容
- オペレーターのスキルレベル
- 顧客のニーズ(FAQやクレーム内容を参考にする)
現状分析を行うことで、マニュアルの品質は高まるでしょう。運用後の変化と比較することで、さらなる業務の効率化・改善が可能になります。
見本となるオペレーターのトークを書き出す
現状分析が完了したら、見本となるオペレーターのトークを書き出しましょう。
見本にするオペレーターは、以下のような人物を選定してください。
- 応対スキルが高い
- 顧客のニーズを的確に理解している
- 顧客に寄り添った対応を行っている
- 丁寧でわかりやすい話し方をしている
上記のトークから学ぶことで、顧客のニーズを汲み取る力や、顧客を安心させる力を習得できます。
オペレーターのスキルアップや顧客満足度の向上につながるので、ぜひ記載してみてください。
フローチャートを作成する
続いて、フローチャートを作成しましょう。
そもそもフローチャートとは、業務の流れを視覚的に表現した図のこと。コールセンター業務は、顧客からの問い合わせやクレーム対応など、さまざまな業務をこなします。フローチャートを記載することで、業務の抜け漏れ防止につながります。
フローチャートの構成方法は、以下の記事を参考にしてみてください。
トークスクリプトを作成する
最後に、トークスクリプトを作成しましょう。
トークスクリプトを作成することで、オペレーターの応対品質を均一化し、顧客満足度の向上や業務効率化につながります。
トークスクリプトを作成する際は、以下の点を意識してみてください。
- ペルソナを決める
- ヒアリング内容を設定する
- トークフローの骨組みを作る
- 具体的なトーク内容を組み込む
- クレームやよくあるFAQを記載する
なおトークスクリプトは、あくまでも基本的な対応を記載したものです。
顧客のニーズや状況に合わせて、臨機応変に対応できるように作成してください。
コールセンターマニュアルを作成する際のポイント
コールセンターマニュアルを作成する際は、以下4つのポイントを意識してみてください。
- 誰もが読みやすいレイアウトで作成する
- コールセンターでの言葉遣いもマニュアル化で落とし込む
- 定期的にマニュアルのアップデートをする
- マニュアルに沿った研修を繰り返し実施する
誰もが読みやすいレイアウトで作成する
コールセンターマニュアルは、誰もが読みやすいレイアウトで作成しましょう。
マニュアルが読みづらいと、オペレーターは内容をスムーズに理解できません。スキルアップが遅れる可能性もあるでしょう。
読みやすいマニュアルにするには、オペレーターが知りたい情報を瞬時に見つけ出せるレイアウトにします。
もし、テキストで伝わりにくい部分があるなら、図や表、イラストを活用してみましょう。
誰もがいつでも参照できるように、オンライン上で閲覧できるようにすると効果的です。
コールセンターでの言葉遣いもマニュアル化で落とし込む
コールセンターで用いる言葉遣いに関しても、マニュアル化しましょう。
コールセンターは、電話での対応がメインになるため、言葉遣いに注意しなければなりません。オペレーターの対応に不備があれば、顧客満足度にも影響してしまいます。
業務に適した言葉遣いをマニュアルに落とし込むことで、定着スピードがアップするでしょう。
コールセンターで活用できる言葉遣い一覧は、以下の記事で公開しています。ぜひ参考にしてみてください。
定期的にマニュアルのアップデートをする
マニュアルは、定期的にアップデートしてください。
マニュアルが古いと、オペレーターは最新の情報を取得できません。スキルアップが遅れてしまう可能性もあるでしょう。
具体的には、以下のタイミングでアップデートする必要があります。
- 商品やサービスの変更があった場合
- 顧客からの問い合わせやクレームの内容が変わった場合
- 法改正があった場合
- 新しいシステムを導入した場合
定期的なアップデートを実施することで、マニュアルを常に最新の状態に保ちコールセンターの品質向上につながります。
マニュアルに沿った研修を繰り返し実施する
マニュアルに沿った研修を繰り返し実施することも重要です。
コールセンター全体で、ロールプレイングを実施してもいいでしょう。
ただし、コールセンター業務は必ずしもマニュアルに沿って進行できるとは限りません。
マニュアルを基盤として、オペレーターが応用しやすいよう研修を実施してください。
まとめ:コールセンターのマニュアルを活用してスキルの均一化を図ろう
コールセンターマニュアルは、オペレーターのスキルアップや顧客満足度の向上に欠かせません。
作成する際は、誰がみてもわかりやすく、実践的な内容を記載するようにしましょう。
マニュアルを定着させることで、オペレーターの属人化を防ぎ応対品質の均一化を図れます。自社に合わせたマニュアルを作成してみてください。