インサイドセールスこそMAツールを導入すべき!その理由と7つの活用方法
インサイドセールスは、メールや電話など非対面で見込み顧客との関係性を構築しながら、商談の機会を創出する役割があります。
MAツールは、マーケティング業務を自動化するものなので、一見インサイドセールスとは無関係に思われるかもしれません。
しかしインサイドセールスには、マーケティング視点での活動も求められるため、MAツールの必要性は高いといえます。
本記事では、インサイドセールスこそMAツールを活用すべき7つの理由を紹介します。活用ポイントや注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インサイドセールスにMAツールを導入すべき理由
そもそも、インサイドセールスの役割は、マーケティング部門から引き継いだ見込み顧客を育成して、商談の機会を創出することです。
すでにマーケティング部門がアプローチすべきリードを創出していますが、リストに記載された全ての見込み顧客が成果につながるとは限りません。
リストに記載された見込み顧客から、購買意欲の高いホットリードを抽出してアプローチできれば、成果につながる可能性が高まります。
インサイドセールスが実施するホットリードの抽出には、MAツールが必要不可欠です。さらに、MAツールには、見込み顧客の課題やニーズを見える化できるという特徴もあります。
インサイドセールスにMAツールを活用すれば、分析精度が向上して成果につながりやすくなるでしょう。
インサイドセールスで活用したいMAツールの機能3つ
では早速、インサイドセールスで活用したいMAツールの機能を3つ紹介します。
- 顧客情報の一元管理機能
- リードのナーチャリング機能
- リードのスコアリング機能
顧客情報の一元管理機能
インサイドセールスで見込み顧客との関係性を構築するには、顧客への理解が欠かせません。
情報が不足していると、抱えている課題やニーズを正確に把握できないため、顧客を納得させる提案はできないでしょう。
アプローチするタイミングを見極めるにも、以下の機能を活用して顧客情報を把握しておく必要があります。
- トラッキング機能:顧客に関するデータを取得する
- リード管理機能:取得したデータを管理する
トラッキング機能では、自社Webサイトでの顧客行動や、メルマガを開封したタイミングなどのデータも取得できます。
リード管理機能は、顧客に関するあらゆる情報を一元管理できるのもメリットです。
リードのナーチャリング機能
MAツールには、リードナーチャリングに役立つ機能も搭載されています。
機能 | 概要 |
---|---|
メルマガ自動配信 | 顧客に有益な情報を定期的に配信できる |
ステップメール配信 | 特定のアクションを起こした顧客に設定したタイミングでメールを配信する |
パーソナライズド広告の表示 | 顧客の行動に基づきニーズにマッチした広告を表示する |
継続的に顧客との接点を持つことで、関係性を構築しやすくなります。
リードのスコアリング機能
スコアリングは、顧客の属性や行動に対して点数を付け評価する機能です。
インサイドセールスにおいては、見込み顧客に優先順位を付ける際に役立ちます。
以下に、BtoCとBtoBでのスコアリング例を紹介します。
BtoC | 自社の公式SNSのフォロー:している10点/していない5点 資料請求や問い合わせ:あり10点/なし3点 セミナーやウェビナー:参加している15点/参加していない5点 |
---|---|
BtoB | 担当者の決裁権:あり20点/なし5点 従業員数:1,000人以上10点/500~1,000人8点/500人以下5点 自社プロダクトとの関連性:高い10点/低い3点 |
上記は一例ですが、スコアリングの点数が高いほど、アプローチすべき優先順位が高いと判断できます。
インサイドセールスにおけるMAツールの活用ポイント7つ
では次に、インサイドセールスにおいて、MAツールを活用するポイントを7つ紹介します。
- ABM分析とアプローチを促進する
- ホットリードへのフォローをする
- メール配信でナーチャリングを自動化する
- 架電リストの優先順位付けをする
- 休眠顧客を掘り起こしアプローチする
- 受注確度の高いリードの分析と抽出をする
- マーケティング施策の効果測定とフィードバックをする
ABM分析とアプローチを促進する
まず、ABM分析とアプローチの促進に活用できます。
ABM(Account Based Marketing)とは、特定の企業をターゲットに設定したBtoBマーケティング手法です。
通常のBtoBマーケティングでは、広範囲のターゲットから見込み顧客を創出します。ABM分析では、ターゲットを絞り込めるため業務効率が格段にアップします。
MAツールを活用すれば、ターゲットの購買意欲を可視化できるので、確度の高い見込み顧客の創出が可能です。創出がスムーズに進めば、アプローチも促進されるでしょう。
ホットリードへのフォローをする
マーケティング部門が創出した見込み顧客は、以下の4種類に分類されます。
種類 | ニーズ(必要性) | ウォンツ(購買意欲) |
---|---|---|
今すぐ客 | 高い | 高い |
そのうち客 | 低い | 高い |
お悩み客 | 高い | 低い |
まだまだ客 | 低い | 低い |
インサイドセールスで優先的にアプローチするのは、ホットリードに該当する「今すぐ客」です。
MAツールには、スコアリングで高評価を獲得すると通知する機能があります。その機能を活用すれば、ホットリードに対して迅速にフォローできます。
メール配信でナーチャリングを自動化する
MAツールには、メールを自動で配信する機能が搭載されています。
事前のシナリオ設定は必要ですが、一度設定したら後は自動で一斉配信も可能です。
メールを自動配信した後は、効果測定のレポートも作成できます。手作業で一件ずつ送信するよりも効率が上がるので、レポートを参考にした効果検証に時間を充てられるのもメリットです。
架電リストの優先順位付けをする
架電リストの優先順位付けにも、MAツールが役立ちます。
スコアリングの結果を元に角度の高い見込み顧客を自動で抽出するので、業務効率化を図れるのもメリットです。
ただし、ターゲットによって、スコアリングの設定項目が異なります。数字だけを鵜呑みするのではなく、効果測定と改善をしながら定量的に判断することも大切です。
休眠顧客を掘り起こしアプローチする
MAツールは、顧客情報を一元管理できるので、休眠顧客を掘り起こしアプローチする際に活用できます。顧客ごとに行動を把握できるため、1to1アプローチができるのもメリットです。
新規顧客開拓以外にも、既存顧客に対してクロスセルやアップセルを目的とした提案をする際にも役立つでしょう。
受注確度の高いリードの分析と抽出をする
インサイドセールスにおいては、受注確度の高いリードを抽出することも重要です。
スコアリングの結果を活用すれば、受注確度の高いリードの分析と抽出も自動化できます。
受注確度の高い見込み顧客を抽出して、中長期的に関係性を構築できれば、質の高いリストをフィールドセールスに引き渡せるでしょう。
マーケティング施策の効果測定とフィードバックをする
MAツールに記録された情報は、マーケティング施策の効果測定やフィードバックにも活用できます。
さらにデータを見える化できるので、状況を把握しやすく、部門間での情報共有もスムーズになるでしょう。
相互フィードバックにより、これまで気付けなかった課題を見出し改善していけば、業務品質が向上します。結果を社内で共有すれば、応対品質の標準化にも役立つでしょう。
インサイドセールスでMAツールを取り入れるときの注意点
では最後に、インサイドセールスにMAツールを取り入れる際の注意点を5つ紹介します。
- 自社に適したMAを選ぶ
- 専門部門の立ち上げが必要になる
- 情報共有体制を整備する必要がある
- 既存システムと連携可能であるかを確認する
- 設定状況を定期的に見直す必要がある
自社に適したMAを選ぶ
MAツールといってもさまざまな種類があり、搭載されている機能も異なります。
- 求める機能が搭載されているか
- 導入コストと予算がマッチしているか
- 操作性に優れているか
このように、自社の現状や目的に合わせて適したMAツールを選ぶことが大切です。
専門部門の立ち上げが必要になる
インサイドセールスは、分業制を前提としています。
新たにインサイドセールス部門を立ち上げる場合は、組織改革が必要になるので、社内の理解を得てから導入しましょう。
社内の理解を得られないまま導入すると、現場が混乱して業務がストップする恐れがあります。
- 分業型:マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスが連携
- 独立型:インサイドセールスがマーケティングも兼ねる
- 協業型:状況に応じて分業型と独立型を併用する
分業にも種類があるので、自社の現状にマッチしたタイプを見極める必要があります。
内製化が難しいなら、外注を検討するとよいでしょう。
こちらの記事では、インサイドセールス代行会社のおすすめや選び方を紹介していますので、あわせてご覧ください。
インサイドセールス代行会社のおすすめ10選!選び方や費用相場も紹介
情報共有体制を整備する必要がある
分業制を前提としたインサイドセールスの成功には、情報共有体制の整備が重要な鍵を握ります。
情報を共有できないと、認識のズレが生じてスムーズに業務を遂行できません。確認漏れや伝達ミスが生じれば、失注リスクを高める恐れがあります。
情報の共有には、ツールを活用しましょう。MAツールの他にも、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)などは、情報共有体制の整備にも役立ちます。
既存システムと連携可能であるかを確認する
すでに導入しているシステムやツールがある場合は、新たに導入するMAツールと連携可能であるかも重要です。
連携できないと、業務効率が低下する恐れがあります。さらに、連携のために別途ツールやシステムを追加することになれば、余計なコストがかかるので注意が必要です。
設定状況を定期的に見直す必要がある
MAツールの導入にあたって、アクセス権限やトラッキングコードの埋め込みなど初期設定が必要です。
こうした設定は一度設定すれば、後は自動で対応しますが、状況が変わることもあります。状況が変わっているのに設定を変更しなければ、正確な分析や抽出ができません。
設定内容は定期的に見直して、常に最適な状態にしておく必要があります。
まとめ:インサイドセールスにMAツールを導入して営業力を強化しよう
MAツールは、マーケティング業務を自動化するツールですが、インサイドセールスにも応用が可能です。
電話やメールなどを利用して非対面で顧客にアプローチするため、担当者の業務量が多く、負担も大きくなるのが懸念点です。
そこでMAツールで作業を自動化できれば、業務効率化や業務負担が軽減されます。
作業の自動化により業務効率が上がると、アプローチ数や成果率の向上にもつながるでしょう。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、インサイドセールスにMAツールを導入して営業力を強化してください。