ミラーリング効果を営業・マーケティングに活用するコツを伝授!注意点も紹介

営業やマーケティングで顧客との関係性を構築するには、信頼できる企業であると理解してもらう必要があります。
こうしたシーンでは、心理学の一つである「ミラーリング効果」の活用が有効です。
ミラーリング効果は、アポ獲得や商談に有効なコミュニケーション方法としても知られています。
そこで本記事では、ミラーリング効果を営業やマーケティングに活用するコツについて解説します。注意点や併用すると効果がアップする心理テクニック3選も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ミラーリング効果とは ?

ミラーリング効果とは、相手の真似をして親近感や安心感を与える心理テクニックのことです。同調効果とも言われています。
対面する相手の言葉や表情、姿勢などを鏡写しのように真似ることで好感を与える効果が期待できます。
日常生活や恋愛でも活用できますが、特にビジネスシーンにおいては顧客との関係性を構築したい時に有効です。
ミラーリング効果で得られる4つのメリット

それでは、ミラーリング効果で得られるメリットを4つ紹介します。
- 顧客との関係性を構築しやすくなる
- 顧客ロイヤリティの向上につながる
- 企業風土が活気づく
- チーム力の強化につながる
顧客との関係性を構築しやすくなる
顧客に向けた初回アプローチでは、お互いが初対面同士なので緊張してしまい、思うように会話が進まないケースは少なくありません。
そこでミラーリング効果を活用すれば、初対面の相手とも打ち解けやすくなります。
初回アプローチで好印象を与えて信頼できる企業だと理解してもらえれば、成果にもつながりやすくなるでしょう。
顧客ロイヤリティの向上につながる
顧客に信頼できると理解してもらえれば、安心感を与えられるので、結果として顧客ロイヤリティの向上につながるのもメリットです。
コミュニケーションを通じて、商品・サービスに対する信頼や愛着を持ってもらえれば、優良顧客の獲得にも結びつくので、継続的な購入や利用にもつながりやすくなるでしょう。
優良顧客を獲得できれば、新規顧客を紹介してもらえる可能性もあります。
企業風土が活気づく
ミラーリング効果を社内で活用すれば、企業風土が活気づくのもメリットです。
同じ部署で働いていても、相手の内面まで理解するのは容易ではありません。ミラーリング効果は、相手の内面にある共通点を見出す効果も期待できます。
共通点を持つ人材でチームを構成すれば、業務効率が向上します。内面が異なる人材でチームを構成すれば、多様性が生まれるので新たな視点から戦略を立案できるでしょう。
チーム力の強化につながる
ミラーリングによって、趣味や嗜好という内面での共通点が見つかると相手との距離が縮まります。
共通点を持つスタッフでチームを構成すると、仲間意識が生まれて連帯感も高まるでしょう。
お互いをフォローし合って切磋琢磨すれば、チーム力を強化できます。
ミラーリング効果を活用する5つのポイント

では次に、ミラーリング効果を活用するポイントを5つ紹介します。
- 相手の言葉を真似る
- 相手の表情をミラーリングする
- 相手の仕草をミラーリングする
- 声のトーンやテンポを相手に合わせる
- 相手のテンションも意識する
相手の言葉を真似る
相手の言葉を真似るバックトラッキング(オウム返し)は、比較的簡単に実施できます。
たとえば、「忙しくて大変だったよ……」と言う相手に対して「忙しくて大変でしたね!」と切り返せば、自分の話を聞いて共感してくれていると安心感を与えられます。
全く同じ言葉を使えない場合は、似た言い回しでも問題ありません。
相手の表情をミラーリングする
相手の表情をミラーリングするのも有効です。
相手が笑顔なら、自分も笑顔で答えるとよいでしょう。悩みや不安について話しているなら、真剣な表情で接すると真摯に対応していると印象付けられます。
相手の仕草をミラーリングする
相手の仕草もミラーリングに活用できます。
- 相手がお茶を飲んだら自分も水を飲む
- 相手が資料を手に取ったら自分も資料を手に取る
- 相手が姿勢を正したら自分も姿勢を正す
- 相手がパソコンや手帳を開いたら自分も開く
- 相手が手を口元に当てたら自分も口元に手を当てる
このように相手と同じ仕草を取ることで、親近感を与える効果が期待できます。
声のトーンやテンポを相手に合わせる
声のトーンやテンポを相手に合わせるのも有効です。
たとえば初対面の相手と話す時は、緊張から声が上ずったり震えたりすることもあります。このような場合は、落ち着いたトーンを意識するとよいでしょう。
相手がゆっくり話しているのに、こちらが早口で話すと「急かしている」とネガティブな印象を与えかねません。
逆に相手が早口なのにスローテンポで話すと、相手をイライラさせる恐れがあります。話すテンポも相手に合わせてみてください。
相手のテンションも意識する
ミラーリングでは、テンションを合わせるのも重要なポイントです。
たとえば自社商材を提案するシーンでは、つい力が入ってしまいテンションが上がることもあるでしょう。
相手が冷静なのに、ハイテンションのまま話すと不快感を与える恐れがあります。
商談では相手の状態を意識しながら、テンションを合わせることも大切です。
ミラーリング効果を活用できるシーン

では次に、ミラーリング効果を活用できる3つのシーンを紹介します。
- 問い合わせメールへの返信
- 顧客との関係性を構築したい時
- 顧客とのオンライン商談や打ち合わせ
問い合わせメールへの返信
顧客からの問い合わせがきたら、その顧客は自社商材への関心や興味が高いと考えられます。
しかし、いきなり長文のメールを送りつけると、警戒される恐れがあるので注意してください。
問い合わせメールの内容が簡潔な時は、丁寧にお礼と挨拶を述べたら、簡潔に要件のみを伝えるとよいでしょう。
商材について詳しい説明を求めている場合は、資料やカタログなどを添付すれば理解しやすくなります。補足する内容であれば、本文に記載しても問題ありません。
なお、改行や句読点などをミラーリングするのも有効です。
顧客との関係性を構築したい時
相手との関係性を構築したい時こそ、ミラーリングを活用してください。
声のトーンや話すテンポ、表情や仕草をミラーリングすれば、初対面の相手とも打ち解けやすくなります。
初回アプローチで好印象を与えられれば、その後も商談もスムーズに進むでしょう。
相手に信頼できる企業だと印象付けられれば、関係性を構築しやすくなるだけでなく、企業ブランディングを高める効果も期待できます。
顧客とのオンライン商談や打ち合わせ
オンライン商談や打ち合わせは、相手との距離感があるのが課題です。
そこでミラーリングを活用すれば、画面越しでも熱意を伝えやすくなります。画面越しに対応する場合は、対面よりも少しオーバーアクションを意識するとよいでしょう。
相手の表情や仕草、声のトーンやテンポを意識しながら、ミラーリングを活用してださい。
ミラーリング効果を活用する際の注意点

ミラーリング効果を活用する際の注意点を3つ紹介します。
- 相手に気づかれないように配慮する
- シーンに合わせて使い分ける
- 最適なタイミングで実施する
相手に気づかれないように配慮する
ミラーリングは、相手の真似をするので、意図的にやっていると気づかれると相手を不快にする可能性があるので注意してください。
露骨に真似をしすぎてしまい「馬鹿にしている」と受け取られると、商談が破断になる恐れがあります。
あくまでも自然に、相手に気づかれないように配慮する必要があります。
シーンに合わせて使い分ける
ミラーリングは、シーンに合わせて使い分けましょう。
たとえば、相手が不快感や不信感をあらわにしているような場合、ミラーリングは不適切です。
ミラーリングは、相手が冷静な時、ポジティブな感情を抱いている時に活用してください。
最適なタイミングで実施する
ミラーリングはタイミングも重要です。
相手と全く同じタイミングでミラーリングすると、感づかれる可能性があり、タイミングが遅すぎると十分な効果を発揮できません。
相手がアクションを起こしてから、4~5秒を目安にするとよいでしょう。
ミラーリング効果と併用できる心理テクニック3選

では最後に、ミラーリング効果との併用で、効果アップが期待できる心理テクニックを3つ紹介します。
- 初頭効果
- シンクロニー現象
- 単純接触効果
初頭効果
初頭効果は、第一印象のイメージが残り継続する心理効果のことです。
たとえば、初対面の営業担当者の「スーツにシワが寄っていた」「ワイシャツの襟が汚れていた」という場合は、だらしない人という印象を与えます。
第一印象でネガティブなイメージを持たれると、払拭するのは困難です。
身だしなみを整えて笑顔で丁寧に挨拶すれば、清潔感がある明るい人というポジティブな印象を持ってもらえるでしょう。
初対面で好印象を与えられれば、次回以降の商談でも好印象が続くので、関係性を構築しやすくなります。
シンクロニー現象
シンクロニー現象は、時間をともにした相手と言動が似てくる現象のことです。
たとえば、顧客に電話やメールをしようと持っていたタイミングで、相手から電話やメールが来た場合はシンクロニー現象が起きていると判断できます。
ミラーリング効果を併用すれば、相手との距離感も近くなり関係性を構築しやすくなります。
単純接触効果
単純接触効果とは、繰り返し接触する相手に好感を抱くようになる心理効果です。
初対面では少し緊張感があっても、何度も会っていれば緊張もほぐれて親近感を持てるようになります。
商談は複数回行うことも多いので、ミラーリング効果と併用すれば信頼関係を構築しやすくなるでしょう。
なお、こちらの記事では、単純接触効果について詳しく紹介しています。営業での意味も解説していますので、あわせてご覧ください。
単純接触効果とは?営業での意味や活用のコツと4つの手法を紹介
まとめ:ミラーリング効果を活用して顧客と良好な関係性を構築しよう

ミラーリング効果は、営業やマーケティングにおいても活用できる心理テクニックです。
相手に気づかれないように配慮は必要ですが、適切なタイミングで活用すれば、顧客からの信頼を勝ち取れるでしょう。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、ミラーリング効果を活用して、顧客と良好な関係性を構築して成果につなげてください。