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営業戦略を立てるのに役立つフレームワーク18選!立て方や具体例も紹介

営業戦略を立てるのに役立つフレームワーク18選!立て方や具体例も紹介のアイキャッチ

営業戦略は、ビジネスの成功において非常に重要ですが、いざ立てようとしても、何から手をつければいいか迷う方も多いのではないでしょうか。

「営業戦略のフレームワークは種類が多すぎてどれを使えばいい迷う」
「フレームワークの具体的な使い方がわからず、結局成果につながらない……」

このような悩みを抱えている方もいるかもしれません。

そこで本記事では、そんな悩みを解決する、営業戦略の立案に役立つ18個のフレームワークを紹介します。各フレームワークの具体的な活用方法や、具体例についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

営業戦略のフレームワークとは?

営業戦略のフレームワークとは?

営業戦略のフレームワークとは、営業の課題を見える化し、具体的なアクションにつなげるための設計図のことです。

漠然とした目標や課題を、論理的なステップに沿って整理・分析することで、具体的なアクションプランへと落とし込めます。

これにより、勘や経験に頼るのではなくデータや事実に基づいた、客観的かつ効果的な営業戦略を立案・実行できるようになります。

営業戦略と営業戦術の違い

営業戦略と営業戦術の違い

「営業戦略」と「営業戦術」は混同されがちですが、それぞれが担う役割は明確に異なります。

営業戦略営業戦術
役割目標に向けてどのような方針・方向性で進めるかを決める目標に向けてどのように進むか具体的な手段を決める
期間中長期的短期的
具体例・新規開拓のターゲットを若年層に絞り込む
・既存顧客との関係性を強化してアップセル・クロスセルを狙う
・特定地域の企業にテレアポを行う
・SNS広告・Web広告を出稿する

営業戦略は、目的地と進むべきルートを決める「シナリオ」です。一方、営業戦術は、そのルートを進むための具体的な「手段」を指します。

どれだけ優れた営業戦略があっても、それを実行する適切な戦術がなければ目標は達成できません。

逆に、いくら優れた戦術があっても、戦略がなければ場当たり的な行動に終わり、継続的な成果にはつながらないでしょう。

目標を達成するには「営業戦略に基づいて営業戦術戦術を組み立てる」ことが重要です。

営業戦略の立案にフレームワークを活用する3つのメリット

営業戦略の立案にフレームワークを活用する3つのメリット

それでは、営業戦略の立案にフレームワークを活用する3つのメリットを紹介します。

  1. 効果的な戦略を立案できる
  2. 自社の課題を客観的に把握できる
  3. 説得力のある提案ができる

効果的な戦略を立案できる

フレームワークを活用する最大のメリットは、勘や経験に頼らない、論理的な戦略を立てられることです。

営業戦略の立案では、市場や競合、自社の強み・弱みなど、多くの要素を分析する必要があります。これらの情報を頭の中だけで整理しようとすると、抜け漏れや偏りが生じがちです。

そこでフレームワークを活用すれば、複雑な情報を整理し、枠組みとして可視化できます。

これにより、必要な項目を抜け漏れなく網羅的に分析でき、客観的な事実に基づいた戦略を効率的に導き出せるようになります。

自社の課題を客観的に把握できる

営業活動においては、個人の経験や勘に頼りすぎると、本当に解決すべき課題が見えにくくなることがあります。

フレームワークは、現状を定量的・定性的な視点から分析できるため、自社の課題を客観的に把握できます。これにより、漠然とした課題を客観的に捉えられ、具体的な改善点として特定できるでしょう。

また、分析結果が明確な形で残るため、定期的な見直しも容易になり、継続的な改善につなげられます。

説得力のある提案ができる

フレームワークを用いて立案された営業戦略は、客観的なデータや論理的な根拠に基づくため「なぜこの戦略が必要なのか」について、説得力のある提案ができます。

漠然と「売上を伸ばしたい」と提案するのではなく、顧客分析や競合比較といった具体的なデータを提示することで、社内の理解を得やすくなるでしょう。

また、これは顧客への提案でも同様です。顧客の課題を深く理解し、その解決策として自社製品が最適である理由を論理的に説明できるため、信頼を獲得し成果につながりやすくなります。

営業戦略の立案に役立つフレームワーク13選

営業戦略の立案に役立つフレームワーク13選

営業戦略の立案に役立つフレームワーク13選を紹介します。

  1. 4C分析
  2. 3C分析
  3. 4P分析
  4. PEST分析
  5. SWOT分析
  6. 5W1H
  7. STP分析
  8. VRIO分析
  9. ファイブフォース分析
  10. バリューチェーン分析
  11. ロジックツリー
  12. ビジネスモデルキャンバス
  13. ランチェスター戦略

4C分析

4C分析は、顧客視点で市場を分析するためのフレームワークです。

自社が提供する商品やサービスが、顧客にとってどのような価値を持つのかを、以下の4つの要素から洗い出します。

要素概要
Customer Value(顧客価値)自社商材が顧客にもたらすメリットや価値
Cost(顧客コスト)商品やサービスの購入・利用にあたり顧客が支払うコスト
Convenience(利便性)顧客がいかに手軽に商品やサービスを利用できるか
Communication(コミュニケーション)顧客とのつながりや関わり、どのように関係を築いていくか

4C分析により、自社商材が顧客に与えるメリットや価値を明確にできれば、価格以外の付加価値を顧客に提示できます。

たとえば、価格競争に陥っている課題に対して、競合との差別化を図る際に有効です。

3C分析

3C分析は、市場や事業環境を分析するための基本的なフレームワークです。

顧客・競合・自社の3つの視点から、自社の強みと弱みを洗い出します。

要素概要
Customer(市場・顧客)市場規模顧客の購買行動やニーズ市場の成長性など
Competitor(競合)競合のシェア商品・サービスの特徴営業手法価格戦略など
Company(自社)自社のブランド力技術力営業力資本力など

3C分析により、克服すべき課題と、発揮すべき強みが明確化されます。

さらに、顧客に選ばれるための効果的なアプローチや、他社との差別化戦略の洗い出しにも活用できます。

4P分析

4P分析は、自社商材を顧客にいくらでどのようにして提供するのかを、以下の4つの要素から分析します。

要素概要
Product(商品・サービス)製品の機能品質デザインブランド名パッケージなど
Price(価格)商品・サービスの価格割引支払い方法など
Place(流通)流通チャネル販売拠点在庫管理など
Promotion(販促)テレアポ広告広報営業活動SNS活用など

単に自社商材を売るのではなく、いかに効率的かつ効果的に市場に浸透させるかを考える必要があります。

なお、4つの要素は、整合性を持って組み合わせるのも重要です。

PEST分析

PEST分析は、自社の外部環境をマクロ視点で分析するフレームワークです。

自社の立ち位置と自社を取り巻く環境を把握して、ビジネスチャンスやリスクを、以下の4要素から見つけ出します。

要素概要
Politics(政治)法改正規制緩和・強化税制政治の安定性国際関係など
Economy(経済)景気の動向物価為替金利消費者の購買力など
Society(社会)人口動態ライフスタイル流行価値観教育環境意識など
Technology(技術)AIDX通信技術新素材特許など

PEST分析は、自社ビジネスに影響を与える外部環境の変化を予測できるため、中長期的な営業戦略の立案に不可欠です。

SWOT分析

SWOT分析は、内部環境にある「自社の強みと弱み」、そして外部環境にある「機会と脅威」を分析するためのフレームワークです。

要素概要
Strength(強み)他社にはない競争優位性や強み
Weakness(弱み)自社の弱点や課題
Opportunity(機会)外部環境にあるビジネスチャンス
Threat(脅威)外部環境にある自社へのリスク

SWOT分析の目的は、単に4つの要素を洗い出すことではありません。最も重要なのは、それぞれの要素を組み合わせて、具体的な戦略を導き出すことです。

各要素をバランスよく分析すれば、漠然とした戦略ではなく、具体的なアクションにつながる営業戦略を策定できるでしょう。

5W1H

5W1Hは、営業戦略の「具体的な行動計画」を立てる際に用いるフレームワークです。

要素概要
When(いつ)期限やスケジュール
Where(どこで)対象エリアや実施場所
Who(誰が)責任者や担当者
What(何を)具体的な目標や行動
Why(なぜ)目的や理由
How(どのように)実施する施策や手段

営業戦略を具体的に可視化できるため、誰が見てもわかりやすいのが特徴です。

STP分析

STP分析は、市場全体を顧客ニーズに基づいて細分化し、自社が狙うべき市場を明確にするためのフレームワークです。

要素概要
Segmentation(セグメンテーション)市場を細分化する
Targeting(ターゲティング)狙う市場を絞り込む
Positioning(ポジショニング)自社の立ち位置を明確にする

上記の各要素から「誰に対して何をどのように売るか」を明確化します。

漠然とした全体像を整理し、自社の強みやリソースを最大限に活かせる市場を絞ることで、競合にはない自社独自の強みを打ち出した営業戦略を立案できます。

その結果、市場で優位性を確立できれば、効果的に営業活動を進められるでしょう。

VRIO分析

VRIO分析は、自社の経営資源が競争優位性の源泉となり得るかを、以下の4要素から分析するフレームワークです。

要素概要
Value(経済的価値)顧客のニーズを満たしコスト削減に貢献できるか
Rarity(希少性)競合他社が持っていない希少な資源か
Inimitability(模倣可能性)競合他社が容易に模倣できないか
Organization(組織)競争優位性を最大限に引き出す組織体制か

これらの分析結果に基づき、各要素の有無で判断します。

たとえば、経済的価値が高くても、それが模倣されやすいものであれば、一時的な競争優位性しか生み出しません。

VRIO分析を通じて、競合との差別化ポイントを明確にし、持続的な競争優位性を確立するための営業戦略を立てることが重要です。

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、自社を取り巻く環境を5つに分類し、各脅威に対してどのようにすれば優位性を確立できるかを導き出すフレームワークです。

要素概要
新規参入新たに市場へ参入する可能性を分析
既存競合業界内のライバルとの競争状況を分析
代替品既存商品やサービスの代わりとなる製品の脅威を分析
売り手の交渉力原材料や部品などを提供する売り手の交渉力を分析
買い手の交渉力顧客の価格交渉力や他社への乗り換えやすさを分析

ファイブフォース分析は、業界全体の構造を客観的に把握できます。これにより、短期的な売上だけでなく、中長期的な収益性を高めるための営業戦略を立てられます。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、自社が提供する商品やサービスが、顧客に届くまでの一連の事業活動を、価値の連鎖として捉えるフレームワークです。

「主活動」と「支援活動」に分類し、それぞれがどのように価値を生み出しているかを分析します。

分類概要活動例
主活動商材が顧客に届くまでのプロセスで直接的に価値を生み出す活動製造販売・マーケティング物流サービスなど
支援活動主活動を支えるための間接的な活動経営管理技術開発人事管理資材調達など

バリューチェーン分析を活用することで、事業活動全体を俯瞰し、個々の営業活動だけでなく、組織全体としての生産性向上やコスト削減につながる営業戦略を立案できます。

ロジックツリー

ロジックツリーは、複雑な問題を論理的に分解し、原因や解決策を構造化して考えるためのフレームワークです。

一本の幹から枝分かれするように要素を分解していくため、全体像を把握しやすくなります。

タイプ概要
Whatツリー(問題の全体像を把握する)全体を構成する要素に分解する
Whyツリー(問題の原因を究明する)なぜその問題が起きているのかを深掘りする
Howツリー(解決策を導き出す)どのように問題を解決するかを考える

目的によって3つのタイプを使い分けながら、営業戦略の課題解決や目標達成プロセスを明確化します。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、事業の全体像を9つの要素で可視化し、ビジネスモデルを俯瞰的に捉えるためのフレームワークです。

要素概要
Customer Segments(顧客セグメント)どのような顧客グループに価値を届けるか
Value Proposition(価値提案)顧客にどのような価値やメリットを提供するか
Channels(チャネル)顧客に価値をどのように届けるか
Customer Relationships(顧客との関係)顧客とどのような関係を構築・維持するか
Revenue Streams(収益の流れ)どのような方法で収益を得るか
Key Resources(主要リソース)価値提案に不可欠な経営資源
Key Activities(主要活動)価値提案の実現に向けて行うべき主要な活動
Key Partners(主要パートナー)価値提案の成功に不可欠な協力者や企業
Cost Structure(コスト構造)ビジネスモデルの運営にかかるコスト

このように、ビジネスモデル全体を一枚の図で整理することで、営業部門だけでなく他部門とスムーズに情報を共有でき、共通認識のもとで戦略を立案できます。

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略は「弱者」と「強者」という2つの立場から、それぞれの状況に合わせた競争戦略を立てるためのフレームワークです。

弱者の法則(第一法則)強者の法則(第二法則)
特徴経営資源が少ない弱者は、特定分野に兵力を集中させ、戦場での優位性を確保する圧倒的な兵力を持つ強者は、広範囲で戦力を展開し、総合力で勝利を目指す
営業戦略への応用特定の地域、顧客層、商品にリソースを集中投下して、特定分野のシェア獲得を目指す広範な顧客層や地域をターゲットに、多様な商品を展開し、ブランド力や組織力でトップを目指す

元々は軍事戦略として生まれたものですが、営業戦略を始めとしてビジネスの分野でも広く活用されています。

営業戦術に活用可能なフレームワーク5選

営業戦術に活用可能なフレームワーク5選

では次に、営業戦術に活用可能なフレームワーク5選を紹介します。

  1. BANT
  2. SPIN
  3. AIDMA
  4. MEDDIC
  5. FABE分析

BANT

BANTは、商談を通じて顧客の購入意思を判断するためのフレームワークです。

要素概要
Budget(予算)顧客が製品・サービス導入に充てる予算があるか
Authority(決裁権)商談相手に決裁権があるか
Needs(必要性)顧客が製品・サービスを必要としているか
Timeline(導入時期)導入時期はいつ頃か

上記の各要素は、商談の質を高め、成約率を向上させるうえで非常に有効です。

たとえば、商談の初期段階で4つの要素をヒアリングすることで、その商談が成約につながる可能性が高いか、低いかを判断できます。

なお、こちらの記事では、BANTについて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

BANTとは?情報の聞き方や活用術・役立つフレームワークを解説

SPIN

SPINは、顧客の課題解決に向けた提案の質を高めるためのフレームワークです。

商談を通じて顧客の潜在的なニーズを引き出すために、以下の4種類の質問を順番に行います。

要素概要
Situation(状況質問)顧客の現状を把握するための質問
Problem(問題質問)顧客が抱える課題を特定するための質問
Implication(示唆質問)課題がもたらす影響を認識させるための質問
Need-Payoff(解決質問)解決策の重要性を認識させるための質問

これらの要素を順に質問することで、顧客自身に課題の深刻さを認識させ、自社製品の必要性を感じてもらうように導きます。

会話を展開しながら質問するため、押し売りではない顧客主体の営業を実現でき、結果として成約率を高められるでしょう。

AIDMA

AIDMAは、消費者が商品やサービスを購入するまでの「心理的なプロセス」を5つの段階に分けて示したフレームワークです。

このモデルに沿って分析することで、顧客の心理に合わせた効果的なアプローチを考案できます。

要素概要
Attention(注意)顧客が商品・サービスを認知する段階
Interest(関心)商品・サービスに興味を持つ段階
Desire(欲求)商品・サービスを欲しいと感じる段階
Memory(記憶)商品・サービスを記憶に留める段階

IDMAを活用すれば、顧客の購買フェーズに合わせて適切な営業アプローチを検討できるようになります。

MEDDIC

MEDDICは、商談の進捗状況と成約確度を管理するためのフレームワークです。

主に、高額な商材や複雑なソリューションを扱う法人営業で活用されており、購買プロセスに関わる複数の関係者や部署が存在するケースで有効です。

要素概要
Metrics(指標)顧客が成果を測るための具体的な指標を把握する
Economic Buyer(決裁者)最終的な購買の決裁権を持つ人物を特定する
Decision Criteria(意思決定基準)顧客が導入を決定する際の評価基準を把握する
Decision Process(意思決定プロセス)顧客の社内で承認を得るまでのプロセスを把握する
Identify Pain(課題の特定)顧客が抱える具体的な課題や痛みを特定する
Champion(擁護者)顧客企業内で自社商材の導入を積極的に推進する人物を見つける

各要素を丁寧に確認していくことで、経験や勘に頼らず論理的に商談を進められます。

MEDDICの活用により、商談をコントロールしやすくなれば、確度の高い案件に集中できるでしょう。

FABE分析

FABE分析は、営業活動において、顧客に「なぜこの商品を買うべきか」を明確に理解してもらうためのフレームワークです。

要素概要
Feature(特徴)製品やサービスが持つ事実や機能
Advantage(利点)特徴が競合製品と比較して優れている点
Benefit(顧客の利益)顧客が利点から得られる具体的なメリット
Evidence(証拠)顧客の信頼性を高める客観的なデータや根拠

単に商品やサービスを紹介するのではなく、顧客の課題解決に焦点を当てた提案を行う際に活用できます。

営業戦略を立案する手順6ステップ

営業戦略を立案する手順6ステップ

営業戦略を立案する手順を、6つのステップに分けて紹介します。

  1. 現状の課題を特定する
  2. 営業戦略の目標を設定する
  3. フレームワークを活用して分析する
  4. 営業方針を決定する
  5. 戦略方針を決定する
  6. 実行し効果測定を繰り返す

以降でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

ステップ1.現状分析で課題を特定する

営業戦略を立てるうえで、最も重要なのが「現状の課題を正確に特定すること」です。

課題を特定する際は、売上や利益といった定量的なデータだけでなく「なぜ目標を達成できなかったのか」「顧客のニーズが変化していないか」といった定性的な要因も深く分析する必要があります。

このステップでは、3C分析やSWOT分析を活用しながら、自社の強み・弱みや、市場の機会・脅威を客観的に把握し、解決すべき課題を明確化しましょう。

ステップ2.営業戦略の目標を設定する

現状の課題を特定したら、次は具体的な目標を設定します。

目標設定は、単に「売上を上げる」といった漠然としたものではなく、より具体的で達成可能なものにすることが重要です。

5W1Hを活用すれば、チーム全体で共通認識を持ち、進捗状況を正確に把握しながら、目標達成に向けた行動を促進できるでしょう。

ステップ3.フレームワークを活用して分析する

次はさまざまなフレームワークを活用して、詳細な分析を行います。

たとえば、自社の内部環境や外部環境を深く掘り下げたい場合は、以下のフレームワークが役立ちます。

  • PEST分析:外部環境がビジネスに与える影響を把握できる
  • SWOT分析:自社の強み・弱みと市場の機会・脅威を整理できる
  • STP分析:顧客を細分化し狙うべき市場を特定する
  • 4P分析:顧客に提供する製品の価値を最大化する戦略を策定する

このようにフレームワークを組み合わせることで、より具体的かつ実践的な営業戦略を構築できるようになります。

ステップ4.営業方針を決定する

これまでの分析結果をもとに、次は営業活動の具体的な方向性を決定します。

この営業方針は、後続のステップで具体的な行動計画へと落とし込むための「指針」となります。

そのため、自社の強みや市場での立ち位置を考慮し、達成可能な数値目標と紐づけて設定することが重要です。

ステップ5.戦略方針を決定する

営業方針が決まったら、それを実行するための具体的な戦略方針を決定しましょう。

たとえば、「新規顧客の獲得」という目標に対しては、以下のように戦略を立てます。

  • 見込み客の発見:テレアポ・ウェビナー開催・広告の活用
  • 商談:SPIN話法やBANTフレームワークを用いたヒアリング
  • クロージング: 顧客の課題解決に焦点を当てた提案書の作成

このように、一連のプロセスを細分化することで、営業チームは何を・いつ・どのように実行すべきかが明確になり、効率的に目標を達成できるでしょう。

ステップ6.実行して効果測定を繰り返す

策定した営業戦略は、実行したら終わりではありません。

戦略を実行した後は、PDCAサイクルを回しながら効果測定を行い、改善を繰り返していくことが重要です。

  • Plan(計画):ステップ1~5で策定した営業戦略
  • Do(実行):戦略に基づいた具体的な営業活動を実行する
  • Check(評価):営業活動の結果(売上・商談数・成約率など)を分析・評価する
  • Action(改善):評価結果をもとに戦略を改善し次の計画に反映する

このように、できるだけ短いスパンでPDCAサイクルを回すことで、市場や顧客の変化に柔軟に対応でき、戦略の精度を継続的に高められるでしょう。

営業戦略フレームワークを効果的に活用するコツ

営業戦略フレームワークを効果的に活用するコツ

続いて、営業戦略フレームワークを効果的に活用するコツを3つ紹介します。

  1. フレームワークを活用する目的を明確にする
  2. 複数のフレームワークを組み合わせる
  3. 分析よりも実行することを重視する

フレームワーク活用の目的を明確にする

フレームワークはあくまで「課題解決のためのツール」です。

まずは「なぜそのフレームワークを使うのか?」という目的を明確にすることが、効果的な活用への第一歩となります。

フレームワークを使うこと自体が目的にならないように注意しましょう。

複数のフレームワークを組み合わせる

単一のフレームワークだけで分析すると、特定の視点に偏り、全体像を捉えられない恐れがあります。

より精度の高い営業戦略を立てるためには、複数のフレームワークを組み合わせて使うことが重要です。

たとえば「売上が上がらない」という課題がある場合、以下のように複数のフレームワークを段階的に活用しましょう。

  1. 3C分析やSWOT分析で、市場・競合・自社の現状を総合的に把握する
  2. STP分析で、自社が狙うべき顧客層を絞り込み、市場での立ち位置を明確にする
  3. 4P分析で、顧客に製品やサービスを提供する具体的な戦術を落とし込む

このように、複数のフレームワークを組み合わせれば、課題の発見から具体的な戦略の立案まで、一貫性のある論理的な思考プロセスを構築できます。

分析よりも実行することを重視する

緻密な分析や戦略の立案に時間をかけすぎると、実行が遅れたり、市場の変化に対応できなくなったりする可能性があります。

フレームワークはあくまでも、営業戦略をより効率的かつ論理的に策定するためのツールです。分析にばかり時間を費やして、肝心の行動に移せなければ意味がありません。

そのため、分析と戦略策定にはあらかじめ期間を設けておくことをおすすめします。

戦略を素早く実行し、その結果から得られたフィードバックを次の行動に活かせば、常に最適な営業活動を進められるでしょう。

営業戦略フレームワークを活用した成功事例

営業戦略フレームワークを活用した成功事例

では最後に、営業戦略フレームワークを活用した成功事例を3つ紹介します。

  1. スターバックス|3C分析
  2. IKEA|SWOT分析
  3. ユニクロ|PEST分析

スターバックス|3C分析

スターバックスは、3C分析を活用して、コーヒー市場での優位性を確立しました。

スターバックスの3C分析

Customer(市場・顧客)学生・若年層〜シニア世代など幅広い顧客層
Competitor(競合)ドトールとかタリーズなどのチェーン店ファストフードやコンビニなど安価なコーヒーショップ
Company(自社)高級感とブランドイメージの確立高品質な商品とサービスの提供こだわりの店舗づくりパーソナルなカスタマイズ

3C分析を通じて、競合との差別化ポイントを明確にし、顧客の潜在的なニーズに応えることで、独自の営業戦略を成功させています。

IKEA|SWOT分析

IKEAは、SWOT分析を活用することで、独自のビジネスモデルを確立し、世界的な家具ブランドとしての地位を築きました。

IKEAのSWOT分析

Strengths(強み)直接販売のビジネスモデルショールーム形式で生活をイメージさせる「体験」を提供組み立て式の採用で製造・物流コストを削減できる
Weaknesses(弱み)製品の安全性や環境への影響など過去の不祥事グローバル企業としての拡張の失敗ブランドや商品に対する否定的な意見
Opportunities(機会)国際展開と他市場への進出マーケティング戦略の進化外部とのコラボレーション
Threats(脅威)価格競争の激化原材料価格と物流コストの上昇消費者ニーズの変化

SWOT分析を通じて自社の強みを最大限に活かし、弱みをカバーしながら市場の変化に柔軟に対応することで、独自の営業戦略を成功させています。

ユニクロ|PEST分析

ユニクロは、PEST分析を活用し、外部環境の変化を的確に捉えることで、国内外で成長を続けてきました。

ユニクロのPEST分析

Political(政治)東南アジア諸国との貿易協定による生産コストの削減国内の消費税増税や海外の関税政策
Economic(経済)デフレ経済の進行による安価で質の高い衣料品への需要増大世界的な景気変動による消費者の購買行動の変化
Social(社会)カジュアルファッションの浸透能性衣料の関心が高まっている
Technological(技術)ヒートテックやエアリズムなどの高機能素材の開発Eコマースの普及によるオンライン販売の強化

PEST分析を通じて外部環境を深く理解し、それに合わせた製品開発やマーケティング戦略を立案しています。

そして、常に市場の変化に対応し続けているのも、注目される理由と言っていいでしょう。

まとめ:営業戦略のフレームワークを使いこなして成果につなげよう

まとめ:営業戦略のフレームワークを使いこなして成果につなげよう

営業戦略フレームワークを活用すれば、経験や勘に頼らず、論理的かつ体系的に戦略を構築できます。

効果的に活用するためには、単一のフレームワークに頼るのではなく、複数のフレームワークを組み合わせることが重要です。

本記事で紹介した情報を参考にしながら、営業戦略フレームワークを使いこなして成果につなげましょう。

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