商談準備のAI活用術!使い方や7つのメリット・役立つツールも紹介

スムーズな商談の成功には事前準備が不可欠ですが、ルーティンワークに追われ「商談準備に十分な時間を割けない……」と悩む営業担当者は少なくありません。
煩雑化する業務に追われていると、生産性が低下したり、チーム全体で準備の質にばらつきが生じたりすることもあるでしょう。
そこで、このような課題を解決できる、AIの活用が注目を集めています。
本記事では、商談準備におけるAIの活用術やメリットについて解説します。注意点や役立つツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
商談準備にこそAIを活用すべき理由

時間が足りずに準備不足のまま商談に臨んでしまうと、誰にでもできる形式的な会話しかできず、顧客との信頼関係は築けません。スムーズに商談を進めるには、入念な準備が不可欠です。
そこで商談準備にAIを活用すれば、Web上のあらゆる公開情報を瞬時に収集・分析でき、顧客の潜在ニーズなども把握できます。
顧客の課題やニーズだけでなく、現状なども深く理解したうえで商談に臨めば、顧客の状況に合わせて的確な提案ができるでしょう。
顧客から「よく理解してくれている」と信頼を得られれば、強固な関係性を構築でき、結果として成約につながりやすくなります。
商談準備にAIを活用する7つのメリット

AIの導入は、営業活動にさまざまなメリットをもたらします。
ここでは、商談準備にAIを活用することで得られるメリットを7つ紹介します。
- 顧客の課題やニーズを可視化できる
- 顧客への理解が深まる
- 業務効率と生産性の向上につながる
- 営業品質を標準化できる
- 属人化を解消できる
- 蓄積されたデータを活用できる
- 社内ノウハウを蓄積できる
顧客の課題やニーズを可視化できる
まず、顧客の課題やニーズを可視化できるのは、大きなメリットです。
これまでは、営業担当者の経験や勘に頼る傾向があり、顧客の企業概要や基本的な情報しか把握できないことが多くありました。
しかし、AIを活用すれば、Web上に公開されている情報を網羅的に収集・分析できます。これにより、顧客自身も気づいていない潜在的な課題や、競合に対する優位性なども把握できます。
結果として商談の質が向上すれば、成約につながりやすくなるでしょう。
顧客への理解が深まる
AIは、企業の基本情報や過去の取引データや、競合との比較情報など、人の手では多くの時間と手間がかかるクロス分析を瞬時に実行します。
この分析結果により、多角的な視点で顧客の状況と感情を深く理解できるようになります。
そのうえで商談に臨めば、顧客との信頼関係を構築でき、長期的な関係性による業績アップにもつながるでしょう。
業務効率と生産性の向上につながる
そして、業務効率化と生産性の向上につながるのもメリットです。
これまでは、情報収集や分析作業に多くの時間と手間がかかっていましたが、AIなら瞬時に実行するため大幅な時短になります。
これにより、営業担当者はノンコア業務から解放され、人にしかできないコア業務に注力できます。
AIにより削減した時間を、商談機会の創出や精度の高い資料の準備に充てれば、チーム全体の生産性と営業品質も向上するでしょう。
営業品質を標準化できる
これまで商談準備の質は、担当者の経験や勘によって左右されるのが課題でした。
AIは、トップセールスのノウハウや成功パターンを学習して、チームをサポートします。
結果として、経験の浅い担当者でも、経験豊富な担当者と近いレベルで商談に臨めるようになり、チーム全体で営業品質の標準化を実現できます。
属人化を解消できる
AIは、属人化の解消にも役立ちます。
個々の担当者が情報を管理する体制では、トップセールスのノウハウがブラックボックス化する課題がありました。
AIには、トップセールスのノウハウや分析プロセスなどが、データとして蓄積されるので、チーム全体で共有できる仕組みを構築できます。
AIの活用により、属人化を解消できるだけでなく、営業パフォーマンスの向上やチーム力の強化につながるのもメリットといえるでしょう。
蓄積されたデータを活用できる
AIが収集・分析したデータは、ナレッジとして蓄積され、そのデータは新人や経験の浅い担当者の教育にも活用が可能です。
また、AIのデータに基づく客観的なフィードバックは、人の主観が入らない一貫性のある指導を実現できます。
誰もが短期間で営業スキルを習得できる体制を整備できれば、結果として、OJT(職場内訓練)や研修にかかる時間とコストの削減にもつながります。
社内ノウハウを蓄積できる
AIツールは、営業活動の過程で生まれたあらゆる情報を、データとして蓄積します。
これらのデータは、社内ノウハウとして蓄積できるのもメリットです。もし、トップセールスが退職しても、ノウハウが失われるのを防げます。
さらに、蓄積されたノウハウは、新たな事業戦略を練る際や、マーケティング施策立案のヒントとしても活用できるでしょう。
商談準備にAIを導入する手順4ステップ

それでは、商談準備にAIを導入する手順を、4つのステップに分けて紹介します。
- AIを導入する目的を明確化する
- AI導入計画を策定する
- AIツールを選定する
- 社内体制を整備して現場に反映する
ステップ1.AIを導入する目的を明確化する
まず、なぜAIを導入するのか、その目的を明確化しましょう。
目的が曖昧なまま導入を進めても、現場でツールを活用できなければ、結局使われなくなってしまう可能性があります。
目的を明確化するうえで重要なのは、具体的に誰が見てもわかりやすく設定することです。
- 情報収集にかかる時間を30%おさえる
- トップセールスのノウハウをデータ化し共有する仕組みを構築する
このように、目標を具体的に設定しておけば、選定すべきツールが明確になり、現場での浸透もスムーズに進みます。
ステップ2.AI導入計画を策定する
目的を明確にしたら、次は、導入計画を策定しましょう。
ここで重要なのは「誰が・いつ・何を・どのように」進めるかを明確にして、導入計画のプロセスを可視化することです。
- 試験導入の期間と対象部門
- 本格導入のスケジュール
- AI活用ルールの策定
- 効果測定の指標(KPI)
上記は一例ですが、このように導入計画を明確に策定すれば、現場が混乱することなくスムーズな浸透と定着につながります。
ステップ3.AIツールを選定する
目的と計画が定まったら、次はAIツールを選定します。
一口にAIツールといっても、製品によって機能や特徴が異なるため、以下の点を意識しながら比較検討しましょう。
- 求める機能が搭載されているか
- 既存システムやツールと連携できるか
- 予算内で導入・運用できるか
- サポート体制が充実しているか
なお、導入計画の策定時に設定した「KPIを達成できるか」を意識しながら、比較検討するとよいでしょう。
ステップ4.社内体制を整備して現場に反映する
AIツールを選んだら運用に移行しますが、本格的な運用を開始する前に、いくつかやっておくべき準備があります。
- 試験運用を実施して現場の意見を収集する
- マニュアルを作成して社内で共有する
- FAQコンテンツの整備やサポート部門を設置する
- ツールの定着に向けた研修を実施する
また、社内体制を整備したら終わりではありません。定期的に現場のフィードバックを反映しながら、改善を繰り返し社内に浸透・定着させることが大切です。
商談準備におけるAIの活用術

では次に、商談準備におけるAI活用術の例を5つ紹介します。
- 情報を自動収集し整理する
- 市場・業界トレンドを自動調査し整理する
- 商談シナリオを作成する
- アイスブレイクネタを作成する
- 商談議事録をAIで作成できる仕組みを作る
情報を自動収集して整理する
顧客への理解を深めるには、できるだけ多くの情報が必要です。
しかし、必要な情報の収集と整理には時間と手間がかかるため、担当者に大きな負担がかかります。
AIツールを活用すれば、情報収集と分析のプロセスを自動化できるだけでなく、あらゆる公開情報から関連性の高いデータを瞬時に収集・分析も可能です。
これにより担当者は、情報収集に費やしていた時間を大幅に短縮でき、整理された状態で必要な情報のみを把握できます。
市場・業界トレンドを自動調査して整理する
AIは、顧客情報だけでなく、市場や業界のトレンドなども自動調査し整理します。
さらに、膨大な情報をリアルタイムで収集・分析し、商談に活かせる形で要約するのも得意です。
その結果、担当者は顧客のビジネス環境を深く理解したうえで、課題解決につながる最適な戦略の立案や、顧客を納得させる提案を提示できるでしょう。
商談シナリオを作成する
AIに蓄積された顧客情報や業界トレンドなどの情報は、商談シナリオの作成にも活用が可能です。
たとえば、複数の商品を提案する場合では、情報を総合的に分析し「この顧客にはどの商品から提案すべきか」といった内容のトークスクリプトを作成できます。
AIが作成した商談シナリオを活用すれば、経験の浅い担当者でも不安なく商談に臨めるでしょう。
アイスブレイクネタを作成する
AIは、企業の最新プレスリリースや担当者のSNS情報などから、相手の関心が高いトピックや、商談の雰囲気を和ませるアイスブレイクネタも提案できます。
予め指示しておけば、過去の失敗や政治的な内容などのNGな話題を回避でき、相手の属性に合わせたカスタマイズも可能です。
アイスブレイクネタが思いつかない時も、AIを活用すれば、商談の冒頭で相手との距離を縮めらるでしょう。
商談議事録をAIで作成できる仕組みを作る
人の手で議事録を作成すると、会議後に内容を思い出しながらになるため、記憶違いや聞き逃しなどが発生するリスクがあります。
そこで、商談議事録をAIで作成できる仕組みを構築すれば、商談内容をリアルタイムでテキスト化します。
これにより、誰が何を言ったかを正確に記録でき、担当者が商談に集中できるのもメリットです。
このような仕組みを構築すれば、議事録作成の工数削減とスムーズな情報共有を実現できるでしょう。
商談準備に役立つAIツールのおすすめ5選

商談準備の効率を上げるには、AIツールが欠かせません。
ここでは、商談準備に役立つAIツールのおすすめ5選を紹介します。
- Salesforce CRM
- Magic Moment Playbook
- Mazrica Sales
- Sansan
- Sales Crowd
Salesforce CRM

| 運営会社 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
|---|---|
| 料金 | Salesforce Starter:月額3,000円/ユーザー Salesforce Pro:月額12,000円/ユーザー |
| 機能 | 顧客情報を1か所に集約 顧客情報の一元管理 ノーコードでアプリを開発 Slackとの連携 |
| 無料トライアル | ◯(30日間) |
| 公式サイト | https://www.salesforce.com/jp/ |
Salesforce CRMは、世界No.1シェアを誇る、営業・マーケティング・サービスなど社内のあらゆる部門の情報を一元管理できるツールです。
高度な分析機能とAIが、データに基づいた戦略的な意思決定をサポートします。
特にAI機能は、顧客情報分析や市場トレンドの調査を自動化でき、商談準備の効率化に役立ちます。
拡張性が高く、あらゆるビジネス規模や業界に対応できるのも大きな特徴といえるでしょう。
Magic Moment Playbook

| 運営会社 | 株式会社Magic Moment |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ |
| 機能 | Teams上で操作 CRM連携 AIアシスタント AIデータキャプチャ オンライン商談の自動記録など |
| 無料トライアル | – |
| 公式サイト | https://magicmoment.jp/ |
Magic Moment Playbookは、営業活動の記録からネクストアクションまでを、一貫して自動化するAIセールスプラットフォームです。
AIが商談内容を自動で記録するので、担当者は商談に集中でき、議事録作成の手間も省けます。また、Teamsなどの慣れた画面で操作できるのも特徴です。
さらに、過去のデータをAIが分析し最適な提案を提示するので、担当者のスキルに左右されることなく、質の高い商談準備を実現できるでしょう。
Mazrica Sales

| 運営会社 | 株式会社マツリカ |
|---|---|
| 料金(税込) | Starter:7,150円/ID~ Growth:13,750円/ID~ Enterprise:20,350円/ID~ |
| 機能 | 顧客・案件・行動管理 メール・スケジューラ連携 レポーティング・分析機能 モバイルアプリ対応 外部サービス連携 企業データ自動収集 企業DBによる自動入力 監査ログなど |
| 無料トライアル | ◯(要問い合わせ) |
| 公式サイト | https://product-senses.mazrica.com/ |
Mazrica Salesは、直感的な操作性と、AIによる営業支援を強みとするSFA/CRMツールです。
案件の進捗をドラッグ&ドロップで管理できるなど、現場での使いやすさを考慮したデザインを採用しています。
AI機能は、過去の案件データから進行中の案件のリスクや受注確度を分析し、次に取るべき最適な行動を営業担当者に提示するのも特徴です。
また、商談や活動履歴の自動要約機能は、情報共有と商談準備の工数削減に役立ちます。
Sansan

| 運営会社 | Sansan株式会社 |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ |
| 機能 | 名刺管理 メール接続 人事異動 情報リスト作成 ニュース配信 メール配信など |
| 無料トライアル | – |
| 公式サイト | https://jp.sansan.com/ |
Sansanは、名刺や企業情報を一元管理し、社内で共有する仕組みを構築できるビジネスデータベースです。
- AI人物プロフィール:企業名と氏名からWeb上の情報を自動で収集・要約する
- AI営業ロールプレイング:対話型AIでいつでも商談の模擬演習ができる
- AI人脈チェック:商談相手と社内の誰が接点を持っているかを自動で抽出する
このようにAIを活用した、商談準備に役立つ機能も搭載されています。
商談のテーマ設定からアプローチ戦略まで、幅広くサポートできるのが強みです。
Sales Crowd

| 運営会社 | 株式会社Sales Crowd |
|---|---|
| 料金 | 要問い合わせ |
| 機能 | 企業情報抽出 マルチチャネルアプローチ 自動ナーチャリング 自動文字起こし |
| 無料トライアル | 無料デモ(要問い合わせ) |
| 公式サイト | https://www.aidma-hd.jp/sales/sales-crowd/ |
Sales Crowdは、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援)、CRM(顧客関係管理)の機能を統合したSaaS型営業支援DXツールです。
約700万件のリストと独自のタグを活用し、高精度なターゲティングを実現できるため、商談準備の初期段階から高い成果につなげられます。
AIによる予測分析機能を活用すれば、顧客行動に合わせた最適なフォローアップが可能になり、質の高い商談準備を実現できるでしょう。
商談準備にAIを活用する際の注意点

では次に、商談準備にAIを活用する際におさえておきたい、4つの注意点を紹介します。
- AIを現場に定着させる
- 質の高いデータを準備する
- セキュリティやプライバシーへの配慮を徹底する
- AIに丸投げしない
AIを現場に定着させる
AIを導入したものの現場に定着せず、誰も使わなくなるケースは多く見られます。
このケースで考えられる原因は「導入」が目的となり、現場の使いやすさが考慮されていないことです。
どれだけAIが優れていても、現場の担当者が使いやすさやメリットを実感できなければ定着しません。
AIを定着させるには、研修の実施やマニュアルの整備などで、利用しやすい環境の整備が不可欠です。
質の高いデータを準備する
AIの精度は、インプットされたデータの質によって変わります。
また導入初期は、学習データから不要な情報や誤りを削除し、質を高める作業が欠かせません。
AIの精度を上げるには、質の高いデータを準備しましょう。
特に、商談シナリオやトークスクリプトを作成する場合は、成功・失敗事例の両方をバランスよく学習させるのが精度を上げるコツです。
さらに、質の高いデータを継続的にインプットして、高い精度を維持する体制も整備する必要があります。
セキュリティやプライバシーへの配慮を徹底する
AIを活用するうえで、セキュリティやプライバシーへの配慮を徹底するのは非常に重要です。
AIにインプットするデータの中には、顧客の個人情報や会社の機密情報などが含まれる場合があります。特に、AIを学習させる目的でデータを活用する際には注意が必要です。
情報漏洩や不正利用を防ぐため、以下の点を徹底するとよいでしょう。
- 個人を特定できる情報を使用しない
- データの閲覧・編集権限を最小限にする
- データ転送時や保存時に暗号化する
- 社内でAIの利用ルールを策定する
このような対策を講じながら法令遵守を徹底すれば、安全にAIを活用できます。
AIに丸投げしない
AIは非常に便利ですが万能ではないので、提示した結果はあくまで参考情報として捉えましょう。
特に、顧客の表情や雰囲気、想定外の質問など、AIは人の感情に関わる要素を理解できません。この弱点を考慮せずAIに丸投げすると、商談が失敗に終わる恐れがあります。
AIを上手に活用するには、最終的なチェックを人の手で行うことが大切です。
商談準備がうまく行かないなら代行サービスがおすすめ

商談準備にAIを導入しても、必ず成果につながるわけではありません。というのも、商談の結果は、担当者のスキルや経験によって左右されるからです。
もし、AIの活用に取り組んでも「商談準備がうまく行かず成果につながらない」という課題が残るなら、代行サービスの活用を検討するのも一つの方法です。
ノウハウを持つプロが、ターゲティングや商談シナリオ作成を代行するので、効果的な商談に向けた準備が可能になります。
成果報酬の商談代行ならディグロスの「ディールプロ」

株式会社ディグロスでは、成果報酬型の商談代行サービス「ディールプロ」を提供しています。
3,400社以上の支援実績に基づくノウハウを駆使して、企業の商談から契約成立までを専門的にサポートし、営業プロセスを効率化します。
収集したリード情報に基づく具体的な商談の設定から、クロージングや契約書締結までの代行が可能です。
館内入館管理・安全なネットワーク・24時間監視など、万全のセキュリティ対策を講じています。
商談代行サービスをご検討中の企業様には、電話やメールでご説明しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:商談準備にAIを活用して成約率を高めよう

AIは、情報収集やシナリオ作成、議事録作成といった、商談準備のあらゆるプロセスを効率化します。
データの質にこだわることや、導入を目的とせず現場に定着させるなどの注意点はありますが、AIの導入により質の高い商談を実現できるでしょう。
本記事で紹介した情報を参考に、商談準備にAIを活用して成約率向上を目指してください。


