AI時代に営業職はどう変わる?代替される仕事・必要なスキルを解説
生成AIや分析AIの普及によって、営業の現場でもAIを活用する場面が増えています。
その一方で、「AI時代になると営業職はどうなるのか」という不安の声も聞かれます。
この記事では、AI時代に営業がどう変わるのか、代替される業務と残る業務、必要なスキル、活用事例と注意点まで解説します。
目次
AI時代に営業職はどう変わる?

AI時代の営業は、仕事そのものがなくなるのではなく、自動化が進む業務と人の判断が引き続き重要な業務に分かれていくと考えられます。
見込み客リストの作成やデータ入力、資料作成といった定型的な準備作業は、AIによる自動化や支援を活用できる業務です。
一方で、顧客との信頼関係づくりや、状況に応じた提案の判断、価格交渉といった業務は、引き続き人が担う役割として残ります。
営業担当者にとっては、AIに任せる業務を見極めながら、人の判断や対話が重要な業務に時間を使うという働き方への転換が求められます。
AI時代に営業で代替される業務

営業のプロセスの中には、AIによる自動化や支援が活用できる業務があります。
以降では、6つの業務を紹介します。
- 見込み客リストの作成
- 顧客情報の収集・整理
- 営業メールの下書き作成
- 商談内容の文字起こし・要約
- 営業データの分析
- 問い合わせへの一次対応
上記の業務に共通するのは、あらかじめ手順や答えが決まっている定型的な作業である点です。
見込み客の抽出や顧客情報の整理、メール文面の作成といった準備作業は、データやパターンをもとに処理できる、AIが得意とする領域です。
商談内容の文字起こしや要約、営業データの分析も、AIを活用することで作業時間を短縮できる場合があります。
よくある質問への一次対応も、想定される質問と回答があらかじめ整理できていれば、AIに任せられる業務です。
業務量が多く、処理手順を標準化できる業務は、AIによる自動化の対象として検討できる領域です。
例外的な内容が含まれる場合は、人の確認や対応を組み合わせることが大切です。
AI時代に営業で残る業務

定型業務がAIに置き換わる一方で、次のような業務は現時点では人の関与が重要と考えられる業務もあります。
- 顧客との商談や関係構築
- 価格・契約条件の交渉
- クレームやトラブルへの対応
- 顧客ごとに異なる複雑な提案の組み立て
- 大型案件のクロージング
上記の業務に共通するのは、顧客の状況や感情を踏まえた柔軟な判断が必要になる点です。
商談や関係構築では、顧客ごとに異なる反応を見ながら対話を重ねる必要があり、決まった手順に当てはめるだけでは信頼を築けません。
価格や契約条件の交渉、クレーム対応も、その場の状況に応じて判断を変える柔軟さが求められる業務です。
顧客ごとに複雑な提案を組み立てたり、大型案件を最終的にまとめ上げたりする場面でも、経験に基づく総合的な判断が欠かせません。
AIは判断のための材料や参考情報を提示できますが、最終的な対応や意思決定は、引き続き経験を積んだ営業担当者が担う役割として残ると考えられます。
AI時代でも営業に人の力が必要な理由

以降では、AI時代でも営業に人の力が必要な理由を解説します。
- 顧客との信頼関係づくりは人が担う必要がある
- 言葉にされていない課題をくみ取る必要がある
- 複雑な課題に合わせて提案を組み立てる必要がある
- 価格や契約条件の交渉には人の判断が求められる
- 重要な意思決定では納得感や信頼感が影響する
顧客との信頼関係づくりは人が担う必要がある
営業では、商品・サービスの内容だけでなく、担当者との対話や説明が顧客の意思決定に影響する場合があります。
機械的なやり取りだけでは、顧客が安心して相談したり、本音を話したりする関係を築けません。
継続的なコミュニケーションを通じて信頼を積み重ねていくプロセスは、現時点では人が担う部分が大きい業務です。
AIは情報提供や商談準備を支援できますが、顧客の状況を踏まえた対話や関係構築では、人の関与が引き続き重要になると考えられます。
言葉にされていない課題をくみ取る必要がある
顧客は、自分の課題やニーズを必ずしも明確に言語化できるとは限りません。
会話の中の細かな反応や表情、話の流れから、言葉にされていない課題を察知する力が営業には求められます。
AIはテキストや音声などから会話の傾向を分析できますが、顧客の背景や関係性、その場の文脈まで含めて判断する際には限界があります。
潜在的な課題を引き出すヒアリングは、経験を積んだ人が強みを発揮できる領域です。
複雑な課題に合わせて提案を組み立てる必要がある
顧客の状況が複雑であるほど、複数の要素を組み合わせて、その顧客に合った提案を組み立てる力が必要になります。
決まったパターンに当てはめるだけでは、顧客の実情に合わない提案になる場合があります。
AIを活用して提案候補や参考情報を整理できますが、複数の条件を踏まえた最終的な提案では、営業担当者の判断が重要になる場合があります。
複雑な提案ほど、担当者の経験や工夫が成果に影響します。
価格や契約条件の交渉には人の判断が求められる
価格や契約条件の交渉では、顧客の反応を見ながら、その場で柔軟に条件を調整する判断力が求められます。
決まったルールだけでは対応しきれない例外的な要望が出ることも多く、状況に応じた対応が必要になります。
AIで過去の交渉事例や条件を整理することはできますが、顧客の反応や社内条件を踏まえた交渉では、人による判断が重要になります。
交渉の結果は今後の関係性にも影響するため、慎重な対応が求められます。
重要な意思決定では納得感や信頼感が影響する
高額な商品や長期契約では、条件の比較だけでなく、疑問点への説明や個別事情への対応が意思決定に影響する場合があります。
重要な意思決定の場面では、人が対面や対話を通じて丁寧に説明する対応が求められます。
AIによる効率化を進める場合も、こうした重要な場面まで自動化しすぎないよう配慮が必要です。
AI時代に営業担当者に求められるスキル

以降では、AI時代に営業担当者に求められるスキルを解説します。
- ヒアリング力
- 課題発見力
- 提案設計力
- AI活用スキル
- 情報検証力
- データ活用力
ヒアリング力
AIが情報を整理・分析するためにも、元となる情報を的確に集めるヒアリングの質が重要になります。
表面的な質問だけでなく、顧客が背景や考えを丁寧に確認する力が求められます。
顧客から適切な情報を得られれば、AIによる整理や分析に利用できる情報も充実します。
課題発見力
顧客の話や周辺情報から、根本的な課題を見極める力は、AIによる分析結果を活かすうえで欠かせません。
AIの分析結果を参考にしながら、顧客との対話を通じて課題を整理する力が重要です。
課題発見力が高いほど、顧客にとって本当に必要な提案につなげられます。
提案設計力
提案設計力とは、顧客の課題に対して、複数の要素を組み合わせた解決策を組み立てる力のことです。
AIが提案の候補や参考情報を示しても、それらを顧客に合わせて構成し直すのは営業担当者の役割です。
提案設計力は、顧客の状況に合わせて提案内容を整理する際に重要なスキルです。複雑な課題を扱う商材ほど重要になります。
AI活用スキル
AIに何を任せ、何を人が担うべきかを判断できるAI活用スキルが、これからの営業担当者には求められます。
AIツールへの指示の出し方や、出てきた結果の活用方法を工夫できると、業務効率化につなげられます。
AI活用スキルが不足していると、導入したツールを十分に活かせない場合があります。
情報検証力
情報検証力とは、AIが出力した情報が正しいかどうかを確認・検証する力のことです。
特に、AIが作成した文章やデータには、誤った情報が含まれる可能性があります。
中でも、価格や契約条件など顧客に直接影響する情報については、正確性を確認する姿勢が欠かせません。
情報検証力を持たずにAIの出力をそのまま使うと、顧客とのトラブルにつながるリスクがあります。
データ活用力
データを見るだけでなく、そこから次のアクションを導き出せるかが重要です。
AIが示した傾向をもとに、優先すべき顧客や改善すべきトークを判断する場面でも、この力が活かされます。
分析結果から具体的な行動につなげる力が、AIを営業活動へ活用するうえで重要になります。
AI時代における営業でのAI活用事例

実際の営業活動では、商談前の情報整理やアプローチ文の作成、商談後の文字起こし・要約、CRM・SFAへの記録などにAIを活用できます。
また、蓄積した商談データを分析し、営業担当者の振り返りやトレーニングに利用する方法もあります。
主な活用事例
- 提案資料の作成
- 営業メールの作成と送付
- 市場調査・競合リサーチ
- 問い合わせへの対応
- 商談の議事録作成・要約
- トークスクリプト作成
- リードリスト作成
- 商談分析
- 日程調整
- 売上予測
AIの活用範囲は企業や業務によって異なるため、自社の課題に合わせて適切な用途を選ぶことが重要です。
AI時代の営業でAIを活用するときの注意点

以降では、AI時代の営業でAIを活用するときの注意点を解説します。
- AIが出した情報をそのまま信用しない
- 顧客の個人情報や機密情報の入力に注意する
- AIだけに任せず最後は人が内容を確認する
- 顧客との会話まで自動化しすぎない
- 利用するAIサービスのルールや安全性を確認する
AIが出した情報をそのまま信用しない
生成AIでは、事実に基づかない情報をもっともらしく生成してしまう場合があります。
この現象はハルシネーションと呼ばれ、価格や商品情報など正確性が求められる内容で特に注意しなければなりません。
AIが出した情報は参考情報として扱い、事実と異なる点がないか確認してから使用することが大切です。
確認を怠ると、顧客に誤った情報を伝えてしまうリスクがあります。
顧客の個人情報や機密情報の入力に注意する
営業活動で扱う顧客情報には、氏名や契約内容といった個人情報が含まれます。
利用するAIサービスの規約でデータの取り扱いを確認したうえで、必要な範囲に絞って入力することが求められます。
入力したデータが学習に利用される可能性がある場合は、特に慎重な判断が必要です。
個人情報や機密情報の取り扱いに関する社内ルールを整備したうえでの運用が大切です。
AIだけに任せず最後は人が内容を確認する
AIが作成した資料やメール文面、要約された商談記録は、そのまま使うのではなく、内容に誤りがないかを人が確認してから活用しましょう。
確認を省略すると、誤った情報や不適切な表現がそのまま顧客に届いてしまう可能性があります。
特に、価格や契約条件など顧客の判断に影響する情報は、正式な情報源と照合することが重要です。
重要な情報ほど、複数人でチェックする体制を整えておくと安心です。
顧客との会話まで自動化しすぎない
定型的な問い合わせはAIで自動化できますが、複雑な相談や個別の判断が必要な商談では、人による対応が必要になる場合があります。
顧客が人との対話を求めている場面で、AIとのやり取りだけで終わらせてしまうと、関係性が築けません。
AIだけで解決できない場合に有人対応へ切り替えられるよう、対象業務や切り替え条件を事前に整理しておくことが重要です。
自動化の範囲は、顧客の反応を見ながら調整していく必要があります。
利用するAIサービスのルールや安全性を確認する
AIサービスを導入する際は、利用規約でデータの取り扱いやセキュリティ対策の内容を確認しておくことが必要です。
サービスによって、入力したデータの保存期間や、第三者への提供の有無などの取り扱いが異なります。
確認を怠ると、想定していなかった形でデータが扱われる可能性があります。
社内で利用してよいAIサービスの基準を決めておくと、担当者ごとの判断のばらつきを防げます。
AIを駆使した営業活動ならディグロス

株式会社ディグロスは、テレアポや商談代行など営業活動を幅広く支援してきた実績を持ち、蓄積したセールスアセットとAIを組み合わせた営業支援を提供しています。
AIを活用した業務の自動化から、人による営業支援まで、自社の課題に応じて営業活動の効率化を図れる点が特徴です。
なかでも「AIテレアポ」は、初期コールから受付通話までをAIが自動化し、担当者につながる可能性が高い通話を選別してオペレーターへ引き継ぎます。文字起こしや担当者名の収集にも対応しており、当社では架電にかかるコストを削減につなげています。
AI時代に合わせて営業活動を効率化したい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:AI時代の営業ではAIを使いこなす力が重要

AI時代の営業では、定型業務の自動化やAIによる支援が進む一方、顧客との対話や複雑な判断では、人の関与が引き続き重要になると考えられます。
これからの営業担当者には、AIの活用範囲を見極めながら、人の判断や対話が重要な業務へ時間を配分することが求められます。
AIを導入する際は、自社の業務を整理し、自動化・効率化に適した業務から段階的に活用しましょう。


