顧客分析をAIで!7つのステップとメリット・注意点を解説
顧客分析は、蓄積した顧客データをもとに特徴や行動を把握し、営業やマーケティング施策の精度を高めるために重要な取り組みです。
一方で、データ量が増えると手作業での集計や分析に時間がかかるため、AIを顧客分析に活用する方法もあります。
この記事では、顧客分析でAIにできること、相性のよい分析手法、AIを使った顧客分析の進め方7ステップ、売り上げを伸ばすポイントと注意点まで解説します。
目次
顧客分析でAIにできること

AIを顧客分析に取り入れることで、大量のデータの分類や傾向分析などを効率化できる場合があります。
以降では、顧客分析でAIにできることを6つ紹介します。
- 顧客を属性や購入履歴ごとに分類できる
- 購入確度や解約リスクを予測できる
- 顧客ごとに適した提案内容を導き出せる
- 口コミやアンケートから顧客の感情を分析できる
- 売上予測や需要予測に活用できる
- 営業・マーケティング施策の改善点を見つけられる
顧客を属性や購入履歴ごとに分類できる
AIを活用すると、年代・地域・購入商品・購入回数など複数のデータをもとに、顧客をグループ分けできます。
人が手作業でこれを行う場合、集計や条件分けに多くの時間がかかりますが、AIや分析ツールを活用すれば、設定した条件や分析手法に基づいてデータを処理できます。
分類した結果は、グループごとに異なる施策を検討する際の土台になります。顧客数が多い場合は、手作業による分類と比較して作業工数を削減しやすくなります。
購入確度や解約リスクを予測できる
過去の購入履歴やサイトの閲覧履歴などのデータから、AIは購入・解約につながりやすい顧客の傾向を予測できます。
たとえば、閲覧頻度が下がっている顧客を解約予備軍として抽出し、早めのフォローにつなげるといった使い方があります。
予測はあくまで傾向であり、常に当たるとは限らない点には注意が必要です。予測結果を対応の優先順位を決める際の判断材料として活用できます。
顧客ごとに適した提案内容を導き出せる
AIは、顧客の購入履歴や属性データから、その顧客が関心を示す可能性のある商品やサービスを提案候補として抽出できます。
全顧客に同じ内容を案内するのではなく、興味の傾向が近い顧客ごとに提案を変えることで、反応率の向上が期待できます。
提案内容の候補をAIが提示し、最終的な言い回しや提案の仕方は担当者が調整する、という役割分担が現実的です。
提案の精度を高めるには、分析目的に関連する十分な量と質のデータを用意することが重要です。
口コミやアンケートから顧客の感情を分析できる
口コミやアンケートの文章から、肯定的・否定的といった表現の傾向を分析できます。
数値データだけでは把握しにくい顧客の意見や評価の傾向を確認できるため、商品やサービスの改善点を見つける手がかりになります。
大量の口コミを1件ずつ人が読むのは負担が大きいため、口コミや自由記述の件数が多い場合は、AIを活用することで確認作業を効率化できます。
分析結果は、既存の数値データと合わせて確認すると、数値データとテキストデータの両面から判断しやすくなります。
売上予測や需要予測に活用できる
過去の販売データや季節性などをもとに、AIを活用すると、過去の販売実績や季節性などをもとに、将来の売上や需要を予測できます。
予測結果は、在庫の準備や人員配置、キャンペーンの計画を立てる際の判断材料になります。
十分なデータがない場合は予測精度が低下する可能性があるため、結果を過信しないことが重要です。
定期的に実績と予測を照らし合わせ、必要に応じて予測方法を見直すことが大切です。
営業・マーケティング施策の改善点を見つけられる
AIは、実施済みの施策のデータを分析し、施策ごとの成果データを顧客層別に整理し、傾向を分析できます。
成果が出ている・出ていない施策の違いを比較することで、次の施策に活かせる改善点が見えてきます。
データをもとに施策を比較できるため、改善点を検討する際の判断材料になります。
改善点を洗い出したら、次の施策に反映して効果を確認するサイクルにつなげます。
AIと相性のよい顧客分析の手法

顧客分析にはいくつかの代表的な手法があり、AIや分析ツールを組み合わせることで、集計や分類などの作業を効率化できます。
以降では、AIと相性のよい顧客分析の手法を4つ紹介します。
- RFM分析
- セグメンテーション分析
- LTV分析
- チャーン分析
RFM分析
RFM分析とは、Recency(直近の購入日)やFrequency(購入頻度)、Monetary(累計購入金額)という3つの指標で顧客をランク分けする分析手法です。
直近によく買っている顧客と、以前は買っていたが最近購入していない顧客を区別できるため、優良顧客の把握や離反顧客への対応に活用されます。
顧客数や購入データが多い場合は、AIや分析ツールを活用することで集計・分類の工数を削減できます。
RFM分析の結果を、顧客を分類する際の一つの軸として活用もできます。
セグメンテーション分析
セグメンテーション分析とは、年代・地域・購入履歴などの共通点をもとに顧客をグループ分けする分析手法です。
グループごとに異なるニーズや行動傾向を把握できるため、一律ではなくグループに合わせた施策を検討しやすくなります。
分類の軸を人が一つずつ検討する場合は時間がかかりますが、AIを活用すると、複数のデータを組み合わせた分類や、顧客データから類似するグループを抽出する分析も行えます。
どの軸で分けると施策に活かしやすいかは、業種や商材によって異なります。
LTV分析
LTV(顧客生涯価値)分析とは、1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす価値を算出・予測する分析手法です。売上や利益などをもとに算出します。
一度の購入金額が小さくても、長く取引が続く顧客はLTVが高くなる場合があります。
AIの活用で、購入頻度や継続期間などのデータから将来のLTVを予測する方法もあります。
LTVを高める施策を検討する際は、既存顧客の維持と新規顧客の獲得、どちらに重点を置くかも合わせて整理しておく必要があります。
チャーン分析
チャーン分析とは、解約につながりやすい行動パターンを分析し、解約リスクの高い顧客を特定する分析手法です。
利用頻度の低下や問い合わせ内容の変化など、解約の前兆となりやすい行動を過去の解約データをもとにAIで傾向を分析できます。
解約リスクが高い顧客を抽出し、早めのフォローを検討できます。
チャーン分析は、契約が継続するサブスクリプション型のサービスと特に相性がよい手法です。
リスクが高いと判定された顧客にどう対応するかは、あらかじめ社内でルール化しておくと運用しやすくなります。
AIを駆使した顧客分析の進め方7ステップ

AIを使った顧客分析は、保有しているデータを無計画に分析するのではなく、順を追って進めることで目的に沿った分析を進めやすくなります。
進め方を7つのステップで紹介します。
- 売り上げアップなど顧客分析の目的を決める
- 必要な顧客データを洗い出す
- 重複や入力ミスを直してデータを整理する
- AIを使って顧客の特徴や行動を分析する
- 分析結果をもとに狙う顧客と営業方法を決める
- 施策を実行して売り上げや成約率を確認する
- 結果を再分析して施策を改善する
売り上げアップなど顧客分析の目的を決める
最初に行うのは、何のために顧客分析を行うのかを決めることです。
「売り上げアップ」「解約防止」「新商品の企画」など、目的によって注目すべきデータや使う分析手法が変わります。
分析の目的を明確にし、関係者の間で共有しておくことが重要です。
必要な顧客データを洗い出す
目的が決まったら、その目的を達成するためにどのデータが必要かを洗い出します。
購入履歴や問い合わせ履歴、アンケート回答、Webサイトの閲覧履歴など、社内の保有データを一覧化します。
目的に直接関係するデータと、参考程度のデータを分けて整理するとよいでしょう。あわせて、データの保存場所や形式も確認しておきます。
重複や入力ミスを直してデータを整理する
分析に使うデータは、そのままの状態では重複や入力ミス、表記のゆれが含まれている場合があります。
同じ顧客が別人として登録されていたり、日付や金額の入力形式がばらばらだったりすると、分析結果の精度が下がります。
重複データを統合し、入力ミスや表記のゆれを統一のルールで直すことがこの段階の作業です。
AIを使って顧客の特徴や行動を分析する
データが整理できたら、AIを使って顧客の特徴や行動の分析を行います。
RFM分析やセグメンテーション分析など、目的に合った手法を選び、目的に適した分析手法やAIツールを使用してデータを分析します。
得られた分析結果が目的に沿った内容になっているかを確認しながら進めるのがこの段階の進め方です。
分析結果をもとに狙う顧客と営業方法を決める
分析結果が出たら、その内容をもとに、どの顧客層を優先してアプローチするか、どのような営業方法でアプローチするかを決めます。
たとえば、購入確度が高いと予測された顧客には個別提案を、解約リスクが高い顧客にはフォロー連絡を、といった振り分けを行います。
分析結果を営業担当者と共有し、対応方針をすり合わせることが目的です。
施策を実行して売り上げや成約率を確認する
方針が決まったら、実際に施策を実行し、その結果を確認します。
提案事項の送付やフォロー連絡、キャンペーンの実施など、決めた営業方法を現場で実行します。
実行後は、売り上げや成約率、解約率などの数値で結果を確認するのがこの段階の進め方です。
結果を再分析して施策を改善する
施策の結果が出たら、それをもとに再度分析を行い、次の施策に活かしましょう。
想定より成果が出なかった場合は、狙った顧客層や提案内容、AIに与えたデータのいずれかに見直す余地がないかを確認します。
結果を分析し、次の施策に反映するサイクルを継続することが大切です。
AIを活用した顧客分析で売り上げを伸ばすポイント

AIを導入するだけでは、売り上げの向上に直結するとは限りません。
以降では、実務で成果につなげる6つのポイントを紹介します。
- 分析する目的とKPIを明確にする
- 既存システムの顧客データをAIと連携する
- AIの分析結果と営業担当者の情報も組み合わせる
- 購入確度が高い顧客から優先してアプローチする
- 顧客ごとに提案内容や連絡するタイミングを最適化する
- 分析と改善を繰り返してAIの精度を高める
分析する目的とKPIを明確にする
顧客分析を始める前に、何を目的とし、どの数値で成果を測るのかを決めておくことが重要です。
売上高や成約率、解約率など、具体的なKPIを設定しておくことで、施策の効果を客観的に判断できます。
目的やKPIが曖昧なまま分析を進めると、結果をどう評価すればよいか分からなくなる場合があります。
KPIは分析を始める前に、関係者の間で認識をそろえておくことが望ましいです。
既存システムの顧客データをAIと連携する
CRMやSFAなど、既存のシステムに蓄積された顧客データをAIと連携させることで、手作業でのデータ移行の手間を減らせます。
複数のシステムにデータが分散している場合は、必要なデータを適切に統合したうえで分析することが重要です。
連携方法はサービスによって異なるため、導入前にAPI連携やデータ出力形式に対応しているかを確認しておく必要があります。
既存システムとの連携が整うほど、日々更新されるデータを分析に反映しやすくなります。
AIの分析結果と営業担当者の情報も組み合わせる
AIの分析結果は、入力データや設定した条件に基づく傾向を示しますが、それだけで顧客の状況をすべて把握できるわけではありません。
営業担当者が商談で得た顧客の反応や事情を分析結果と組み合わせることで、顧客の状況を多面的に判断しやすくなります。
AIが示した傾向と営業担当者が把握している顧客情報が食い違う場合は、どちらか一方を鵜呑みにせず、理由を確認することが大切です。
分析結果と営業現場で得た情報を組み合わせ、意思決定に活用することが重要です。
購入確度が高い顧客から優先してアプローチする
限られた営業リソースを効果的に使うためには、AIが示したデータをもとに、優先順位をつけてアプローチすることが有効です。
購入確度が高い顧客から順にアプローチし、低い顧客には別の施策を検討するという使い分けができます。
すべての顧客に同じ優先度で対応すると、成果につながりやすい顧客への対応が手薄になりかねません。
優先順位は固定せず、状況の変化に応じた見直しが必要です。
顧客ごとに提案内容や連絡するタイミングを最適化する
AIで過去の購買履歴や反応履歴などを分析すると、顧客ごとに反応しやすい提案内容や連絡するタイミングの傾向を把握できる場合があります。
画一的な内容・タイミングでの連絡を避け、顧客に合わせて調整することで、反応率の向上が期待できるでしょう。
たとえば、過去の反応履歴から、メールと電話のどちらに反応しやすいかを踏まえて連絡手段を選ぶといった工夫ができます。
最適化は一度決めて終わりではなく、反応データをもとに継続的に見直していくものです。
分析と改善を繰り返してAIの精度を高める
AIによる分析は、一度実施して終わりにするのではなく、分析結果と実績の差を確認し、データや分析条件、モデルなどを必要に応じて見直すことで、分析精度の改善を図れます。
施策の結果を新たな分析データとして活用し、予測と実績の差を確認します。
分析に適した質の高いデータを継続的に蓄積することで、分析や予測に利用できる情報を増やせます。
継続して運用する体制を社内に整えておくことが、長期的な成果につながります。
顧客分析にAIを活用する際の注意点

AIによる顧客分析には多くのメリットがある一方で、導入や運用の際に押さえておきたい注意点もあります。
以降では、4つの注意点を紹介します。
- 個人情報や機密情報を適切に管理する
- 利用するAIサービスのデータ利用規約を確認する
- ハルシネーションのリスクがある
- AIを使える人材や運用ルールを整える
個人情報や機密情報を適切に管理する
顧客分析で扱うデータには、氏名や連絡先、購入履歴といった個人情報が含まれます。
アクセス権限を必要な担当者に限定し、外部への漏えいリスクを抑えるため、適切なアクセス管理やセキュリティ対策が必要です。
AIサービスを利用する際は、入力データの保存場所や保持期間、アクセス権限、二次利用の有無などを確認しておく必要があります。
個人情報の取り扱いに関する社内ルールを整備したうえで運用することが前提になります。
利用するAIサービスのデータ利用規約を確認する
AIサービスによっては、入力したデータがサービス改善やモデルの学習に利用される場合があります。
顧客データを入力する前に、そのAIサービスの利用規約でデータの利用範囲を確認しておく必要があります。
機密性の高い顧客情報を扱う場合は、入力データをモデルの学習に利用しない設定やプラン、データの保持期間なども確認しましょう。
規約を確認しないまま運用を始めると、想定していなかった形でデータが扱われる可能性があります。
ハルシネーションのリスクがある
生成AIを顧客分析に利用する場合は、事実に基づかない情報を生成するハルシネーションに注意が必要です。
生成AIが出力した説明や数値をそのまま使用すると、誤った判断につながる可能性があります。
重要な意思決定に使う数値については、元のデータと照らし合わせて確認する運用を徹底することが大切です。
重要な分析結果や数値は元データと照合し、担当者が妥当性を確認したうえで意思決定に利用することが重要です。
AIを使える人材や運用ルールを整える
AIを導入しても、担当者がAIの操作方法や分析結果の読み方を理解していないと、分析結果を十分に活用できない可能性があります。
AIの操作方法だけでなく、分析結果の読み解き方や活用方法も含めて社内での共有が必要です。
誰がどの範囲でAIを使ってよいか、結果をどう確認・承認するかといった運用ルールも、導入初期に決めておくことで、運用上の混乱を抑えやすくなります。
AIを継続的に活用するためには、担当者の教育と運用ルールの整備が重要です。
AIによる営業支援ならディグロス

顧客分析によって有望な顧客を特定できても、架電や担当者への接続に多くの時間を費やしていては、営業効率の向上につながりにくくなります。
株式会社ディグロスは、テレアポ代行や商談代行など、営業活動を支援するサービスを展開しています。
なかでも「AIテレアポ by Collapath」は、AIを活用して初期コールから受付通話までを自動化できるサービスです。担当者につながる見込みが高い通話をAIが選別し、コールスタッフへ引き継ぐことで、重要な商談機会に集中できます。
さらに、自動コールや通話内容の文字起こし、担当者名・在社時間の収集にも対応。実際に、架電業務にかかるコストを約7割削減し、スタッフが重要な通話に集中できる環境整備を実現しました。
顧客分析で抽出した見込み顧客へのアプローチを効率化したい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:顧客分析にAIを活用して売り上げアップを目指そう

AIを顧客分析に取り入れると、分類・予測・テキスト分析などの作業を効率化でき、分析結果を営業やマーケティング施策の判断材料として活用できます。
一方で、個人情報の管理やハルシネーションのリスクなど、運用面で押さえておくべき注意点もあります。
まずは分析の目的とKPIを明確にし、必要な顧客データを整理することが重要です。


