売上予測はAIに!活用するメリットや注意点を解説
売上予測では、担当者の経験や過去の実績をもとに予測する方法が用いられることがあります。
近年は、AIを使って過去のデータを分析し、売上予測に活用する方法も広がっています。
この記事では、AIを活用した売上予測の仕組みやメリット、必要なデータ、ツールの選び方を解説します。
目次
AIを活用した売上予測とは?

売上予測とは、将来の売上をデータから見通すことです。
従来は、担当者の経験に基づいて数字を積み上げる方法が中心でしたが、AIの活用で過去のデータや設定した条件に基づく予測を行いやすくなります。
AIによる売上予測と従来の予測方法の違い
従来の売上予測は、営業担当者の経験や勘、過去の実績をもとにした積み上げ方式が中心でした。
AIによる売上予測は、過去の売上データに加えて曜日や季節、天候など複数の要因を分析し、人手では把握しにくい傾向を予測に反映できる点が特徴です。
担当者の経験による予測は、その担当者が異動・退職した際に、予測ノウハウの引き継ぎ作業が発生しますが、AIならデータとロジックが社内に残るため、属人化を避けやすくなります。
どちらか一方に頼るのではなく、AIの予測結果を担当者が確認しながら活用する形が現実的です。
売上予測AIと需要予測AIの違い
売上予測AIと需要予測AIは、どちらも予測にAIを使う点は共通していますが、予測の対象が異なります。
売上予測AIは自社の売上高や成約件数といった、自社の実績としての数字を予測するものです。
一方で、需要予測AIは、商品・サービスがどの程度必要とされるかを予測し、在庫や生産計画などに活用するもので、在庫や生産計画の検討に使われることが多くあります。
両者は連動する場面も多いため、自社がどちらを重視して導入するのかを整理しておくことが大切です。
売上予測にAIを活用するメリット

AIを売上予測に取り入れることで、予測業務の効率化や、予測に利用するデータの拡充につながります。
以降では、売上予測にAIを活用するメリットを5つ紹介します。
- 過去データや外部要因を踏まえた予測ができる
- 売上予測にかかる作業時間を減らせる
- 担当者ごとの判断のばらつきを減らせる
- 需要に合わせて在庫や人員を調整しやすくなる
- データをもとに営業や経営の判断がしやすくなる
過去データや外部要因を踏まえた予測ができる
AIは、過去の売上データだけでなく、曜日・季節・天候・イベントといった外部要因も組み合わせて予測に反映できます。
人が手作業でこれだけ多くの要因を同時に考慮するのは難しく、経験や勘に頼らざるを得ない場面が多くありました。
AIを活用すると、複数の要因と売上の関係を分析し、予測に利用できます。
予測に必要なデータを継続的に蓄積し、目的に応じて利用する要因を見直すことが重要です。
売上予測にかかる作業時間を減らせる
従来の売上予測では、複数の担当者から数字を集めて集計し、資料にまとめる作業に多くの時間がかかっていました。
AIを導入すると、データの集計から予測値の算出までを自動化でき、担当者は集計作業に割いていた時間を他の業務に振り向けられます。
特に、拠点や部署が多く、集計対象のデータが分散している企業ほど、集計作業にかかる工数を削減しやすくなります。
削減した作業時間を、予測結果の分析や施策の検討に充てられます。
担当者ごとの判断のばらつきを減らせる
経験に基づく予測は、担当者によって強気・弱気の見積もりの傾向が分かれる課題があります。
AIを使うと、同じデータと同じロジックで予測するため、担当者間の判断のばらつきを抑えられます。
ばらつきが減ることで、複数の拠点や商品の予測を横並びで比較しやすくなります。
ただし、AIの予測結果にも一定の誤差はあるため、完全にばらつきがなくなるわけではない点は理解しておく必要があります。
需要に合わせて在庫や人員を調整しやすくなる
売上予測を在庫管理や人員配置に活用することで、その予測に合わせて在庫の発注量や、店舗・コールセンターの人員配置を調整しやすくなります。
予測より少なく仕入れて需要に応じた発注量を検討しやすくなり、機会損失や余剰在庫を抑えるための判断材料になります。
人員配置についても、繁忙が見込まれる時期に合わせて事前に体制を整えられます。
需要の変動が大きい商材ほど、予測精度が経営に与える影響は大きくなります。
データをもとに営業や経営の判断がしやすくなる
AIによる予測結果は、営業目標の設定や経営会議での意思決定など、さまざまな判断の材料として使えます。
データに基づく予測値を共通の判断材料として、営業や経営に関する議論を進めやすくなります。
たとえば、特定のエリアや商品の売上が伸び悩むと予測された場合、早い段階で対策を検討できます。
予測結果はあくまで参考情報であり、最終的な判断は状況を踏まえて人が行うことに変わりはありません。
AIの売上予測に必要なデータ

AIによる売上予測の精度は、どのようなデータを読み込ませるかによって大きく変わります。5種類のデータを紹介します。
- 過去の売上データ
- 顧客の属性や購買履歴データ
- 曜日・季節・天候・イベントなどの外部データ
- 広告やキャンペーンなどのマーケティングデータ
- 営業担当者の商談・案件データ
過去の売上データ
売上予測の基本となるのが、商品・サービスごと、期間ごとの過去の売上実績データです。
一定期間の売上データを蓄積することで、季節性や周期的な傾向を分析しやすくなります。
売上データに欠損や重複があると予測の精度が下がるため、事前の整理が欠かせません。
過去データが少ない新規事業や新商品では、他のデータで補いながら予測します。
顧客の属性や購買履歴データ
顧客の年代や地域、購入商品、購入頻度といった属性・購買履歴データも、売上予測に活用できます。
どのような顧客層が売上に貢献しているかが分かると、購買傾向を売上予測の判断材料として活用できます。
既存顧客の購買パターンから、リピート購入や解約の傾向を予測に反映もできるでしょう。
顧客データを扱う際は、個人情報の管理に注意する必要があります。
曜日・季節・天候・イベントなどの外部データ
売上は、自社の努力だけでなく、曜日や季節、天候、大型連休やイベントなどの外部要因によっても変動します。
これらの外部データを組み合わせることで、過去の売上実績だけでは捉えにくい変動要因も予測に反映しやすくなります。
たとえば、気温の変化で売れ行きが変わる商材では、天候データが予測精度に大きく影響します。
自社の業種にどの外部要因が影響しやすいかを事前に整理しておくと、必要なデータを絞り込みやすくなります。
広告やキャンペーンなどのマーケティングデータ
広告出稿やキャンペーンの実施状況、価格変更の履歴といったマーケティングデータも、売上予測に活用できる情報の一つです。
施策の実施時期と売上の変動を紐づけることで、施策の実施状況を予測モデルの要因として利用できます。
値引きやセールなどの価格変更は、短期的な売上に大きく影響するため、実施時期や内容を記録しておく必要があります。
マーケティング施策のデータが整理されていないと、売上の変動要因を後から特定するのが難しくなります。
営業担当者の商談・案件データ
BtoBの営業では、商談の進捗状況や案件の受注確度といった商談・案件データも、売上予測の重要な材料になります。
記録された案件ごとの確度・金額・見込み時期を集計し、今後の受注見込みを積み上げ形式で予測できます。
売上予測のAIツールの選び方

AIツールにはさまざまな種類があり、自社の目的に合わないものを選ぶと、導入しても活用しきれない場合があります。
選び方のポイントを5つ紹介します。
- 既存のSFA・CRM・基幹システムと連携できるか
- 予測したい指標に対応しているか
- 予測結果の根拠や要因を確認できるか
- 現場担当者が使いやすいか
- 導入後のサポートや運用支援があるか
既存のSFA・CRM・基幹システムと連携できるか
すでにSFAやCRM、基幹システムに顧客データや商談データを蓄積している場合、それらのシステムとAIツールが連携できるかを確認することが重要です。
連携できないと、データの移行や入力に追加の工数が発生する可能性があります。
API連携やデータの出力形式に対応しているかは、導入前の比較ポイントの一つです。
既存システムとの連携が取れるほど、日々更新されるデータを予測に反映しやすくなります。
予測したい指標に対応しているか
ツールによって、予測できる指標の種類や粒度が異なります。
自社が知りたいのは全体の売上高なのか、商品別・拠点別の売上なのかを整理したうえで、対応する指標を確認する必要があります。
細かい粒度の予測に対応していないツールを選ぶと、必要な情報が得られない場合があります。
将来的に予測したい指標が増える可能性がある場合は、拡張性も確認しておくとよいでしょう。
予測結果の根拠や要因を確認できるか
予測結果の数字だけが表示され、なぜその数字になったのかが分からないツールでは、現場での納得感を得にくくなります。
どの要因が予測にどの程度影響しているかを確認できる機能があるかは、比較する際の重要なポイントです。
予測に影響した要因を確認できれば、予測結果を検証する際の判断材料になります。
経営会議などで予測結果を説明する場面が多い企業ほど、根拠の可視化機能の重要度は高くなります。
現場担当者が使いやすいか
どれだけ高機能なツールでも、操作が複雑な場合、現場で十分に活用されない可能性があります。
専門知識がない担当者でも操作できるUIになっているかを、導入前に確認しておく必要があります。
無料トライアルやデモを利用して、実際の操作感を確認しておくと、導入後のギャップを減らせます。
操作が難しいツールは、一部の担当者しか使わなくなり、社内に定着しにくくなる場合があります。
導入後のサポートや運用支援があるか
AIツールは導入して終わりではなく、運用しながら精度を高めていく必要があります。
導入後の使い方に関する問い合わせ対応や、予測モデルの調整を支援してもらえるかを確認しておくことが重要です。
サポートの範囲や追加費用の有無は、契約前に確認しておくべき項目です。
売上予測にAIを導入する流れ

AIによる売上予測は、ツールを導入してすぐに高い精度が出るわけではなく、段階を踏んで進める必要があります。導入の流れを6つのステップで紹介します。
- 目的と予測したい指標を明確にする
- 必要なデータを収集・整理する
- 自社開発かAIツールの導入かを決める
- 予測モデルを作成・学習させる
- 実績と比較して予測精度を検証する
- 営業・在庫管理・経営判断に活用しながら改善する
目的と予測したい指標を明確にする
まずは、何のために売上予測を行い、どの指標を予測したいのかを明確にすることです。
在庫の最適化が目的なのか、営業目標の設定が目的なのかによって、必要なデータや予測の粒度が変わります。
目的と予測したい指標を明確にし、関係部署で共有しておくことが重要です。
必要なデータを収集・整理する
目的が決まったら、予測に必要なデータを社内外から収集し、整理します。
売上や顧客データなど、部署ごとに分散しているデータを一元化し、重複や欠損がないか確認します。
データの形式や単位を統一し、AIが読み込める状態に整えることがこの段階の作業です。
自社開発かAIツールの導入かを決める
売上予測の仕組みを構築する方法には、自社開発や既存AIツールの導入、外部ベンダーへの開発委託などがあります。
社内の専門人材や予算、導入までの期間、必要な機能を踏まえて、自社に適した方法を検討します。
専門人材が少ない場合は、既存ツールの導入から始めると早く運用をスタートできます。
予測モデルを作成・学習させる
方法が決まったら、収集したデータをもとに予測モデルを作成し、学習させます。
自社開発の場合は分析担当者がモデルを設計し、ツール導入の場合はツールにデータを取り込んで設定を行います。
実際の予測結果を確認しながら、必要なデータや条件を調整しましょう。
実績と比較して予測精度を検証する
次に、実際の売上実績と予測値を比較し、精度を検証します。
予測と実績のずれが大きい場合は、データの内容や予測に使う要因を見直しをします。
一度の検証で判断せず、複数回の予測と実績を比較して傾向を確認することが大切です。
自社で設定した評価指標をもとに予測精度を検証し、業務で利用かを判断しましょう。
営業・在庫管理・経営判断に活用しながら改善する
精度が確認できたら、営業目標の設定や在庫管理、経営判断など、実際の業務に予測結果を活用していきます。
活用しながら得られた新しいデータをもとに、継続的にモデルを見直し、改善していきましょう。
市場環境や商品構成が変わると、それまでの予測モデルが合わなくなる場合もあります。
市場環境や商品構成の変化に応じて、データや予測モデルを定期的に見直すことが重要です。
売上予測にAIを活用する際の注意点

AIによる売上予測には多くのメリットがある一方で、導入や運用の際に押さえておきたい注意点もあります。6つの注意点を紹介します。
- データの量や質によって予測精度が変わる
- 新商品など過去データが少ない場合は予測が難しい
- 市場の急変や災害など予想外の出来事には対応しにくい
- AIの予測結果をそのまま信用しない
- 生成AIだけで高精度な売上予測を行うのは難しい
- 顧客情報などの個人情報を適切に管理する
データの量や質によって予測精度が変わる
AIによる予測の精度は、読み込ませるデータの量や質に大きく左右されます。
データが少ない、あるいは欠損や誤りが多い状態では、AIを使っても精度の高い予測は期待しにくくなります。
データの整理やクレンジングにかける手間を惜しむと、後の予測結果に影響が出やすい点は理解しておく必要があります。
データの品質を維持しながら、予測と実績を比較してモデルや利用データを見直すことが重要です。
新商品など過去データが少ない場合は予測が難しい
AIによる売上予測は、過去のデータをもとにパターンを見つける仕組みのため、発売したばかりの新商品や新規事業のように過去データが少ない対象では、予測の精度が低くなりやすくなります。
このような場合は、類似する既存商品のデータを参考にしたり、担当者の知見で補ったりする必要があります。
データが蓄積された後も、予測と実績を比較し、必要に応じてモデルや条件を見直します。
新商品の予測では、AIの予測結果に加えて、市場動向や担当者の知見も考慮することが重要です。
市場の急変や災害など予想外の出来事には対応しにくい
AIは過去のデータからパターンを学習するため、過去データに十分に反映されていない急激な市場変化や災害などには対応しにくいという弱点があります。
こうした場面では、通常時の予測モデルだけに依存せず、最新の状況を踏まえて人が判断を補う必要があります。
平時の予測と非常時の対応を分けて考え、非常時の対応方針をあらかじめ定めておくことが重要です。
予測モデルが想定していない環境変化が生じた場合は、予測結果の扱いを見直す必要があります。
AIの予測結果をそのまま信用しない
AIが示す予測値は、一定の条件のもとで算出された参考値であり、常に正しいとは限りません。
予測結果をそのまま経営判断に使うのではなく、現場の状況や担当者の知見と照らし合わせて確認が必要です。
予測と実績が大きくずれた場合は、原因を分析し、次回以降の予測に反映することが求められます。
AIの出力を参考情報の一つとして扱い、最終判断は人が行う姿勢が基本になります。
生成AIだけで高精度な売上予測を行うのは難しい
生成AIは、データの要約や資料作成、分析結果の説明文の作成などには役立ちますが、精度の高い数値予測には、時系列分析や機械学習など予測に特化した手法を組み合わせる必要があります。
高精度な数値予測が必要な場合は、生成AIだけに依存せず、時系列分析や機械学習など予測目的に適した手法を組み合わせることが重要です。
目的に応じて、生成AIと予測に特化したAIを使い分けることが重要です。
顧客情報などの個人情報を適切に管理する
売上予測に使うデータには、顧客の氏名や購入履歴といった個人情報が含まれる場合があります。
アクセス権限を必要な担当者に限定し、外部への漏えいリスクを抑えるため、アクセス権限の管理やセキュリティ対策を行う必要があります。
AIツールを利用する際は、入力データの保存場所や保持期間、モデル学習への利用の有無、アクセス権限などを確認しておく必要があります。
個人情報の取り扱いに関する社内ルールを整備したうえで、運用することが前提になります。
AIによる営業支援で売上アップを目指すならディグロス

株式会社ディグロスは、成果報酬型テレアポ代行をはじめ、営業支援BPOやAIを活用したセールスオートメーションを提供する営業支援会社です。
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まとめ:売上予測にAIを活用して業務の効率化と精度向上を目指そう

AIを売上予測に活用すると、過去の売上実績や外部要因など複数のデータをもとに予測でき、集計や分析にかかる業務の効率化にもつながります。
一方で、データの質による精度の変動や、AIの予測結果を鵜呑みにしないことなど、運用面で押さえておくべき注意点もあります。
AIによる売上予測を導入する際は、目的と予測したい指標を明確にし、必要なデータを整理することが重要です。


