BtoBマーケティング成功事例14選!他社から紐解くポイントや注意点を解説
BtoBマーケティングは、商材単価が高く意思決定に時間がかかるなどの理由から、BtoCよりも難易度が高いと言われています。
さらに、マーケティング手法も多岐にわたるため、顧客ごとの課題やニーズにマッチした施策を見極めなければなりません。
「BtoBマーケティングを実施しても成果につながらない……」
「自社にマッチしたマーケティング施策を知りたい」
このように考えるマーケティング担当者もいるでしょう。
そこで本記事では、BtoBマーケティングの成功事例14選を紹介します。成功のポイントや注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- BtoBマーケティングにおける手法の具体例
- BtoBマーケティングの成功事例14選
- スターティアレイズ株式会社|展示会で獲得したリードへのメール配信で40%のアポ獲得
- ライオン株式会社|デジタルマーケティングにより売上が向上
- アドビ株式会社|マーケティング業務の自動化で商談率UP
- 株式会社ジェイアール東日本企画|無料オンライン相談でリード獲得率2.5倍
- 株式会社HubWorks|ホワイトペーパーの訴求でアポ獲得率最大20%
- 株式会社ノビテック|独自ノウハウのアピールでCV数232%向上
- トレノケート株式会社|社員向けワークショップで課題を解決
- 山洋電気株式会社|伴走型PDCAでCV件数8~10倍UP
- キヤノンマーケティングジャパン|ECサイトの改善で年間売上20%UP
- 株式会社アシスト|マーケティングコンサルでCV2倍にUP
- 富士電機ITソリューション株式会社|サイトリニューアルで問い合わせ数が約3倍UP
- 川崎重工業株式会社|SEO対策で検索上位表示を実現
- 株式会社マネーフォワード|情報共有体制の整備で紹介件数10倍にUP
- コニカミノルタ株式会社|SNSマーケティングによるブランディング向上
- BtoBマーケティングを成功させる6つのポイント
- BtoBマーケティングを実施する際の注意点
- まとめ:BtoBマーケティングの成功事例から学んで戦略的に施策を打とう
BtoBマーケティングにおける手法の具体例
BtoBマーケティングにおける手法は、オンラインとオフラインに大別されます。成果につなげるには、複数の施策を組み合わせる必要があることに留意しましょう。
ここでは、オンラインとオフライン、それぞれ手法の施策例を紹介します。
オンラインの施策例
オンラインの施策例は以下の通りです。
Web広告 | ディスプレイ広告 リスティング広告 SNS広告 記事広告 |
---|---|
コンテンツマーケティング | オウンドメディア SNS メールマガジン ホワイトペーパー |
Web広告は種類によって効果が異なるものの、ターゲットに直接リーチできるのがメリットです。
コンテンツマーケティングは、ターゲットに有益な情報を発信して、興味や関心を引き出します。効果的に訴求できれば、成果につながりやすいでしょう。
オフラインの施策例
オフラインの施策例は以下の通りです。
- テレアポ
- 展示会
- マス広告
テレアポは、電話で顧客にアプローチして商談の機会を獲得する施策です。電話越しの対応となるためコツが必要ですが、顧客の関心を引き出せれば商談の機会を獲得できます。
展示会は、見込み度の高い顧客と直接対話できるのがメリットです。すぐに成果にはつながらなくても、名刺交換をきっかけに商談を獲得できる可能性があります。
マス広告は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などに広告を出稿します。広範囲への訴求が可能なため、企業の認知度を拡大できるのもメリットです。
BtoBマーケティングの成功事例14選
では次に、BtoBマーケティングの成功事例14選を紹介します。
- スターティアレイズ株式会社
- ライオン株式会社
- アドビ株式会社
- 株式会社ジェイアール東日本企画
- 株式会社HubWorks
- 株式会社ノビテック
- トレノケート株式会社
- 山洋電気株式会社
- キヤノンマーケティングジャパン
- 株式会社アシスト
- 富士電機ITソリューション株式会社
- 川崎重工業株式会社
- 株式会社マネーフォワード
- コニカミノルタ株式会社
スターティアレイズ株式会社|展示会で獲得したリードへのメール配信で40%のアポ獲得
スターティアレイズ株式会社は、リードごとに問い合わせ件数が把握できないため、費用対効果を把握しづらいといった課題を抱えていました。
そこで、展示会で獲得したリードへメール配信を実施します。さらにメール配信後は、条件を絞り込み電話でのアプローチも併用しました。
その結果、12件のリストで40%のアポを獲得しています。
ライオン株式会社|デジタルマーケティングにより売上が向上
ライオン株式会社は、自社サイトからの問い合わせページの効果が低いという課題を抱えていました。
そこで、マーケティングコンサルティングを受けて、デジタルマーケティングを実施します。
マーケティングで得られた情報を分析して、商品名の変更や顧客ニーズにマッチしたコンテンツプロモーションによって、売上拡大を実現しています。
アドビ株式会社|マーケティング業務の自動化で商談率UP
アドビ株式会社は、イベントや展示会などオフラインの施策を実施していたため、安定した成果につながらないのが課題でした。
そこで、マーケティング業務を自動化して、自社サイトのSEO対策を強化します。
その結果、リード獲得数が約150%、商談獲得数が約130 %アップしています。
株式会社ジェイアール東日本企画|無料オンライン相談でリード獲得率2.5倍
株式会社ジェイアール東日本企画は、新型コロナウイルス感染症の影響から、対面営業の機会が激減したという課題を抱えていました。
そこで、インバウンドマーケティングにより、顧客との接点を増やすために無料オンライン相談サービスを開始します。
匿名で利用できるのも特徴ですが、匿名の顧客にもアプローチした結果、100社以上の相談が寄せられてリード獲得率も2.5倍にアップしています。
株式会社HubWorks|ホワイトペーパーの訴求でアポ獲得率最大20%
株式会社HubWorksは、商談率の向上を目的としてホワイトペーパーによる訴求を実施しています。
ターゲットごとに、複数のホワイトペーパーを用意することで、均アポ獲得率20%を実現しています。Facebook広告やプレスリリース配信を活用したのも、成功のポイントといえるでしょう。
株式会社ノビテック|独自ノウハウのアピールでCV数232%向上
株式会社ノビテックは、カメラや測定機を扱う企業です。
専門性の高いニッチな商材のため、ターゲットが限定されるのが課題でした。
そこで、自社Webサイトをリニューアルして、自社商材の強みをアピールした結果、CV数が232%も向上しています。
SEO対策やWeb広告の出稿、MAツールの導入などを積極的に導入したのも成功のポイントです。
トレノケート株式会社|社員向けワークショップで課題を解決
トレノケート株式会社は、人材育成サービスを提供する企業です。
部門間の連携が上手く行かずに、視野が狭くなっているのが課題でした。
そこで、社員向けのワークショップを外注。ワークショップの実施に伴い、カスタマージャーニーマップを作成したのも成功のポイントだったようです。
結果として、課題が見える化されて解決に至っています。
山洋電気株式会社|伴走型PDCAでCV件数8~10倍UP
山洋電気株式会社は、モーターや冷却ファン、無停電電源装置の製品開発を行う企業です。
自社マーケティングがパターン化しているため、思うような成果につながらないのが課題でした。
そこで、2020年の1月から伴走型PDCAを導入します。コロナ禍であったにもかかわらず、CV件数8~10倍UPを実現しています。
キヤノンマーケティングジャパン|ECサイトの改善で年間売上20%UP
キヤノンマーケティングジャパンは、ECサイトがユーザー行動の変化に対応できていないことが課題でした。
そこで、新たに自社Webサイトを構築して、同時にデジタルマーケティングの導入や、潜在顧客へのアプローチも積極的に実施します。
その結果、月間CVが前年比の2.6倍にアップして、ECサイトの年間売上も20%アップを実現しています。
株式会社アシスト|マーケティングコンサルでCV2倍にUP
株式会社アシストは、ソフトウェアの導入支援サービスを提供する企業です。
自社サイトのコンテンツが、リードの獲得につながらないという課題を抱えていました。
そこで、コンサルティング会社に依頼してアドバイスを受けたところ、CV2倍アップを実現しています。
富士電機ITソリューション株式会社|サイトリニューアルで問い合わせ数が約3倍UP
富士電機ITソリューション株式会社は、ICTソリューションを提供する企業です。
自社でウェブマーケティングを成功させているにもかかわらず、問い合わせ件数が減少していたのが課題でした。
原因を調査した結果、競合の増加により埋没していたという課題が見つかります。
そこで、サイトリニューアルを実施した結果、3年後には問い合わせ数が3倍にアップしています。
川崎重工業株式会社|SEO対策で検索上位表示を実現
川崎重工業株式会社は、自社サイトの検索結果が低い課題を抱えていました。
そこで、SEO対策を実施します。
グローバルサイトでの検索上位を目標設定して施策を実施した結果、検索上位表示を実現しています。
なお、施策実施後にも継続的な分析と改善を行うことで、トラフィックやエンゲージメントの増加につながっているのもポイントです。
株式会社マネーフォワード|情報共有体制の整備で紹介件数10倍にUP
株式会社マネーフォワードは、新型コロナウイルスの影響を受け、対面でのアプローチが困難なことに加えて、社内での情報共有体制を整備できないといった課題も抱えていました。
そこで、課題解決に向けて、MAツールを導入してデータの一元管理を実施します。
その結果、社内の情報共有がスムーズになり、パートナー企業からの紹介件数10倍アップも実現しています。
コニカミノルタ株式会社|SNSマーケティングによるブランディング向上
コニカミノルタ株式会社は、ブランディング力強化を目標に掲げて、SNSマーケティングを実施します。
積極的に動画広告を発信したことで、Facebookでは200万回再生を記録しています。
さらに他のSNSを活用したことで、ブランディング力向上も実現。情報拡散力の高いSNSを活用したのが成功のポイントといえるでしょう。
BtoBマーケティングを成功させる6つのポイント
BtoBマーケティングを成功させるポイントは6つあります。
- ターゲットのニーズを正しく理解する
- 最適なタイミングで施策を実施する
- 各部門との連携を強化する
- 分業体制を構築する
- ツールを活用する
- PDCAサイクルを効果的に回す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ターゲットのニーズを正しく理解する
ターゲットのニーズを正しく理解するのは、BtoBマーケティングにおいて非常に重要なポイントです。
どんなに優れた商品やサービスであっても、顧客ニーズにマッチしていなければ関心を持ってもらえません。
的外れな提案をして顧客を不快にさせれば、企業のイメージダウンにつながる恐れがあります。
顧客ニーズを正しく理解できていれば、顧客の信頼を勝ち取り良好な関係性を構築できるでしょう。
最適なタイミングで施策を実施する
顧客のニーズを正しく理解できていても、アプローチするタイミングが悪ければ成果にはつながりません。
特にBtoBでは、検討から導入までの意思決定が長期化しやすい傾向があります。タイミングを見誤ると、失注を招く恐れがあるので注意してください。
適切なタイミングを見極めるには、MAツールを活用したリードナーチャリング(見込み顧客の育成)が有効です。
ツールを利用すれば作業を自動化できるので、業務効率化にもつながります。
こちらの記事では、BtoBマーケティングの手法21選をシーン別に解説していますので、あわせてご覧ください。
BtoBマーケティングの手法21選!施策一覧をシーン別に解説
各部門との連携を強化する
そして、各部門との連携を強化するのも重要です。
マーケティング部門が確度の高い見込み顧客を選出しても、情報を共有できていなければ認識のズレが生じて営業活動を最大化できません。
各部門との連携を強化するには、情報共有体制の整備が必要不可欠です。
各種ツールを活用すれば、スムーズに情報を共有できます。他にも、定例会や社内SNSなどで積極的にコミュニケーションを図るのも有効です。
分業体制を構築する
近年インターネットの普及に伴う消費者行動の変化により、営業プロセスが変化しています。
多様化するニーズに対応するには、分業体制の構築が必要不可欠です。
- マーケティング部門:見込み顧客の創出
- インサイドセールス部門:見込み顧客の育成と商談の獲得
- フィールドセールス部門:商談と受注の獲得
分業体制は企業によって異なるものの、このように分業化することで各部門がコア業務に注力できます。
ツールを活用する
ツールを活用すれば、ワークフローの効率化や自動化により、業務効率化が向上します。
- MAツール(マーケティングオートメーション)
- CRMツール(顧客関係管理)
- SFA(営業支援システム)
上記は一例ですが、BtoBマーケティングを効果的に実施するのに有効です。
また、ツールに蓄積された情報は、データとして分析や人材育成に活用できるといったメリットもあります。
こちらの記事では、BtoBマーケティングツールのおすすめ17選を紹介しています。選び方やポイントも解説していますので、参考にしてください。
BtoBマーケティングツールのおすすめ17選!選定ポイントや注意点も紹介
PDCAサイクルを効果的に回す
PDCAサイクルを効果的に回すのも重要なポイントです。
- P(Plan)計画
- D(Do)実行
- C(Check)評価
- A(Aktion)改善
PDCAとは、業務改善や生産性の向上などに活用されるフレームワークです。
4つのサイクルを繰り返すことで、継続的な改善が可能になります。
なお、PDCAサイクルは繰り返すほど精度が上がりますが、スパンが長すぎると課題の発見が遅れて早急に対策できなくなる恐れがあります。
日次や週次など、できるだけ短いスパンで実施するのもポイントです。
BtoBマーケティングを実施する際の注意点
では最後に、BtoBマーケティングを実施する際の注意点を4つ紹介します。
- 見込み顧客の獲得が難しい
- 見込み顧客が離脱する恐れがある
- 競合が多いと認知度の拡大が難しい
- 精度の高いペルソナ設定が求められる
見込み顧客の獲得が難しい
近年、少子高齢化に伴い国内市場が縮小する傾向が高まっています。
この影響から、経験や勘に基づく意思決定が通用しなくなっており、見込み顧客の獲得が難しいのが現状です。
こうした状況に対応するには、インバウンドマーケティングが有効です。
自社Webサイト経由のお問い合わせフォームや資料請求など、顧客の自発的な行動を促すので成果につながりやすいという特徴があります。
見込み顧客が離脱する恐れがある
見込み顧客を獲得できても、途中で離脱すれば当然成果にはつながりません。
BtoBマーケティングで起こる要因としては、意思決定までのプロセスが長いことや、見込み顧客の育成が上手く行かないなどが考えられます。
見込み顧客の途中離脱を防ぐには、MAツールを活用して確度の高い見込み顧客を絞り込むことが重要です。
競合が多いと認知度の拡大が難しい
競合各社でも、国内市場の縮小に伴い、さまざまな対策を講じています。
競合との差別化を図れなければ、埋没してしまい認知度の拡大が難しくなるのも課題です。
そこで、コンテンツマーケティングを充実させて、競合との差別化を図れば認知度を拡大できる可能性があります。
- 顧客に有益な情報を発信できているか
- 他社にはない自社だけの強みをアピールできているか
このような点を意識しながら、質の高いコンテンツを作成してください。
精度の高いペルソナ設定が求められる
ターゲットの絞り込みが難しいのも、BtoBマーケティングの難易度を上げている理由です。
そこで、精度の高いペルソナ設定により、具体的なターゲットを絞り込みやすくなります。
BtoBにおいては、企業と個人でそれぞれペルソナを設定するのも重要です。ペルソナをイメージしづらい場合は、自社の既存顧客をモデルにするといいでしょう。
なお、設定したペルソナを社内で共有して、認識を擦り合わせておくことも大切です。
まとめ:BtoBマーケティングの成功事例から学んで戦略的に施策を打とう
BtoBマーケティングは、国内市場の縮小に伴い新規顧客開拓が困難になっています。
また、施策も多岐にわたるため、ターゲットの課題やニーズにマッチした施策を見極めることも大切です。
本記事で紹介したBtoBマーケティングの成功事例を参考にしながら、戦略的な施策を打ちだし、成果につなげてください。