商談議事録の書き方ガイド!書き方やフォーマット・ツールを詳しく解説

商談議事録は、商談内容を記録するだけでなく、商談の振り返りや人材育成までさまざまな目的で活用できます。
しかし、すべてを記録するのは難しいため、要点をおさえてわかりやすく書くことが大切です。
「商談議事録の書き方がよくわからない……」
「誰が見てもわかるような商談議事録を書きたい」
このように思う営業担当者もいるでしょう。
そこで本記事では、商談議事録の書き方を徹底解説します。フォーマットやツール、注意点なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
商談議事録とは?

商談議事録とは、商談の内容をまとめた文章のことです。
話した内容だけを記録するのではなく、商談日時や参加者、議題や決定事項などをまとめます。
議事録として商談内容を見える化しておけば、さまざまな目的で業務に役立つのもメリットです。
商談議事録の役割

商談議事録には、大きく4つの役割があります。
- 商談内容の記録
- 課題の明確化
- 商談内容の共有
- 商談の振り返り
以降で詳しく見ていきましょう。
商談内容の記録
商談内容を記録として残せば、案件ごとに内容を整理できます。
営業担当者は、同時に複数の案件を扱わなければならないこともあるため、頭の中だけでは管理しきれず誤った対応をする恐れがあります。
そこで商談議事録を作成すれば、案件ごとに内容を記録できるので、それぞれ適切な対応が可能です。
課題の明確化
商談議事録は、課題を明確にする役割もあります。
たとえば、複数人が参加する商談では、参加者ごとに発言が異なるので責任の所在が不明確になることも少なくありません。
商談議事録では、参加者ごとの発言を記録できます。記録として残せば、後から言った言わないのトラブルを回避でき、認識のすり合わせにも役立ちます。
商談内容の共有
案件に携わるスタッフでも、当日はスケジュールの都合がつかず商談に参加できないこともあるでしょう。
そこで商談議事録を作成すれば、商談に参加できなかったスタッフともスムーズに内容を共有できます。
他の関係者にも商談議事録を共有すれば、共有の認識を持ってプロジェクトに取り組めるので、業務効率化を図れます。
商談の振り返り
入念に準備をして商談に臨んでも、成果につながらないこともあります。
そこで商談議事録を商談の振り返りに活用すれば、課題の洗い出しと改善が可能です。
商談中には気付けなかったことも、内容の見える化によって気づきや学びにつながることもあるでしょう。
その都度商談を振り返り改善していけば、業務品質の向上につながるのは企業にとっても大きなメリットです。
商談議事録を作成する3つのメリット

では次に、商談議事録を作成するメリットを3つ紹介します。
- 商談内容を正確に記録して社内で共有できる
- 顧客との認識のズレを防げる
- 営業戦略の見直しができる
商談内容を正確に記録して社内で共有できる
まず、商談内容を正確に記録できます。
商談議事録を社内で共有すれば、商談に参加しなかったスタッフや関係者とも、スムーズに情報を共有できるのもメリットです。
口頭で情報を共有しようとすると、伝達ミスが起きる恐れがあります。
そこで商談議事録を活用すれば、正確かつスムーズに情報を共有できます。
顧客との認識のズレを防げる
商談で顧客の同意が得られても、認識のズレを解消できていなければ成果につながりません。
商談議事録を顧客と共有すれば、認識すり合わせが可能です。
特に複数人が参加する商談では認識のズレが生じやすいので、商談議事録を活用するとよいでしょう。
営業戦略の見直しができる
営業プロセスにおける商談は、複数回実施します。初回アプローチでは、情報不足から顧客を納得させる提案ができないこともあるでしょう。
そこで商談議事録を元に課題を洗い出せば、すべきことが見えてきます。早急に営業戦略の見直しをして最適な提案を立案できれば、顧客との関係性を構築できます。
良質な商談議事録を書く6つのポイント

良質な商談議事録を書くために、おさえておきたいポイントを6つ紹介します。
- フォーマットを統一する
- 商談のテーマを正しく理解する
- 5W1Hを意識して作成する
- ICレコーダーも活用する
- 感情や雰囲気も記録しておく
- ネクストアクションを明確にする
フォーマットを統一する
フォーマットは統一してください。
たとえば、後から複数の商談議事録を比較する必要がある場合は、フォーマットが違うと比較しづらくなります。
フォーマットを統一すれば、比較検討しやすいでしょう。
さらに、常に同じフォーマットを利用すれば、どこに何を記載すればいいかを理解できるので、作成にかかる時間を短縮できます。
商談のテーマを正しく理解する
商談のテーマを正しく理解することも大切です。
そもそも、テーマが理解できていなければ、商談議事録に記載すべき要点を理解できません。
テーマを正しく理解するには、顧客の基本情報や抱える課題とニーズへの理解も必要です。
これらの情報を精査してから商談のテーマを把握できれば、質の高い商談議事録を作成できます。
5W1Hを意識して作成する
5W1Hを意識して作成すれば、誰が見てもわかりやすい商談議事録を作成できます。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
5W1Hを意識して議事録を作成すると、要点をシンプルにわかりやすくまとめられるのもメリットです。
一目で商談内容を理解できれば、社内や関係者ともスムーズに情報を共有できます。
ICレコーダーも活用する
あくまでも補助利用が大前提ですが、ICレコーダーも活用してください。
正確に内容を記録するように意識しても、商談中に一語一句漏らさず書き留めるのは困難です。
そこでサポート的な役割としてICレコーダーを使えば、後から聞き直して正確に記録を残せます。
ビジネスマナーとして、事前に顧客の承諾を得る必要があることに留意しましょう。
感情や雰囲気も記録しておく
商談中の感情や雰囲気も記録しておきましょう。
こちらの説明に対する顧客の反応や、提案に対する見込み度合いなども記録しておけば、後から商談を振り返る際に役立ちます。
ネクストアクションを明確にする
ネクストアクションを明確にすることも大切です。
一度の商談でクロージングまで到達しないことも多いので、検討事項や保留事項も記載しましょう。
具体的な日程を記載すれば、次回の商談までのスケジュールも組みやすくなります。
商談議事録に盛り込む5つの項目

商談議事録には、以降で紹介する5つの項目を盛り込んでください。
- 商談の基本事項
- 決定事項
- 議論事項
- 保留・検討事項
- ネクストアクション
それぞれ詳しく見ていきましょう。
商談の基本事項
まず、基本事項として以下を記載します。
- 日時
- 商談名(テーマ)
- 開催場所
- 参加者
- 議題
テーマは、一文で理解しやすくまとめましょう。
参加者が複数人いる場合は、自社と顧客それぞれの氏名に役職と決裁権の有無も記載してください。
決定事項
決定事項は、商談議事録において重要な項目の一つです。
- 取引条件
- 契約範囲
- 予算と価格
- 保証内容
- 責任の所在
顧客との認識のズレを防ぎ、トラブルを防止するためにも、詳細をわかりやすくまとめる必要があります。
議論事項
議論事項では、結論に至る経緯を交えながら、顧客の反応なども記録しておくとよいでしょう。
後から商談を振り返る際に、一連の経緯を把握できれば、課題の洗い出しや改善に役立てられます。
商談中に提示した資料のデータをクラウド上に保存している場合は、URLを記載しておくと確認しやすいでしょう。
保留・検討事項
保留や検討事項も記載します。
例えば、現状で情報が足りずに持ち帰りが必要な商品や、予算の確保が必要なケースなどが挙げられます。
こうした内容も正確に記載して記録に残せば、改善策の立案に役立ちます。
保留や検討事項に対する対処方法や経緯は、社内ノウハウとして蓄積できるのもメリットです。社内ノウハウを蓄積できれば、人材教育にも役立つでしょう。
ネクストアクション
商談議事録の最後には、必ずネクストアクションを記載してください。
次回の商談日程や場所、議題が決定している場合は議題も記載します。
議題に合わせて何をすべきかを記載しておけば、次回の商談がスムーズに進みます。
商談議事録を作成する際の注意点

商談議事録を作成する際に、注意したい点を3つ紹介します。
- 24時間以内に提出する
- 要点をわかりやすくまとめる
- 修正や追記しやすい形式で作成する
24時間以内に提出する
商談議事録は、24時間以内に提出してください。
時間が経過するほど記憶が曖昧になり、正確な議事録を作成できなくなる恐れがあるからです。
フォーマットを統一しておけば、スムーズに議事録を作成できるでしょう。
要点をわかりやすくまとめる
要点をわかりやすくまとめるのも重要なポイントです。
一語一句漏らさず記録できなくても、要点をおさえて簡潔にまとめられれば、全体像を把握しやすくなります。
項目が増える場合は、箇条書きを活用するのも有効です。
修正や追記しやすい形式で作成する
商談議事録は、後から修正や追記が必要になるケースは少なくありません。
修正や追記に手間がかかると、スムーズに情報を共有できない恐れがあります。
クラウド上で管理するドキュメントやツールなら、修正や追記もしやすく、リアルタイムで反映されるので便利です。
商談議事録のフォーマット例

それでは、商談議事録のフォーマット例を紹介します。
■作成日
2025年4月◯日
■商談日時
2025年4月◯日◯時~◯時まで
■商談場所
〇〇の□□にて
■参加者
株式会社〇〇A部長、担当者B、弊社部長、担当者(議事録作成者)
■議題
〇〇の販促計画について
■決定事項
〇〇と△△を併用して宣伝する
キャンペーンも開催する
■議論事項
株式会社〇〇A部長:30代~40代の女性をターゲットにしたい
株式会社〇〇B担当者:ターゲット層を広げることも検討している
弊社部長:ターゲットに合わせてコンセプトを練り直す必要がある
■保留・検討事項
宣伝内容と予算の見直し
キャンペーンのタイミングを再検討する
■ネクストアクション
2025年4月◯日◯時~◯時
商談議事録を効率よく作成する方法

では最後に、商談議事録を効率よく作成する方法を2つ紹介します。
- 共有ドキュメントを利用する
- 議事録作成ツールを利用する
共有ドキュメントを利用する
Googleドキュメントは、Googleアカウントがあれば無料で利用できます。無料で15GBまで使えますし、修正や追記も簡単です。
Microsoft 365は有料ですが、AIを搭載しており写真や映像も活用できます。30日間の無料体験版で試してから導入を検討できるのも魅力です。
Dropbox Paperも有料ですが、テンプレートが充実しており、ノウハウの共有にも役立ちます。
議事録作成ツールを利用する
議事録作成ツールは、議事録作成を自動化できるので業務効率化に役立ちます。
音声認識機能が搭載されていれば、ICレコーダーの音源を元にテキスト化も可能です。
テンプレートを活用すれば、スピーディかつ質の高い商談議事録を作成できます。
まとめ:質の高い商談議事録をツールで作成しよう

商談議事録は商談内容を記録するだけでなく、社内での情報共有や商談の振り返りなど重要な役割があります。
手動でも作成できますが、ツールを活用すればスピーディに精度の高い商談議事録を作成できるのもメリットです。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、質の高い商談議事録を作成して、営業活動を最大化してください。