商談報告書の書き方ガイド!目的やコツをわかりやすく解説

商談報告書には、上司に商談内容を報告する以外にも、商談の振り返りや社内での情報共有などさまざまな役割があります。
営業職は業務量が多く煩雑化しやすいため、商談報告書の作成に手間取る担当者は少なくありません。
「商談報告書の書き方がよくわからない……」
「上司に認められる商談報告書を作成したい」
このように考える担当者もいるでしょう。
そこで本記事では、商談報告書の書き方を徹底解説します。目的やコツ、例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
商談報告書とは?

商談報告書は、商談で話したことや決定事項などをまとめたものです。
「営業日報」は営業活動の成果を記録するものですが、「商談報告書」は商談に特化しているという特徴があります。
商談に参加しなかった上司や関係者も、商談報告書を見れば内容を確認できるのがメリットです。
商談報告書を作成する目的

商談報告書を作成する目的は、大きく5つあります。
- 進捗状況を見える化する
- 商談内容を記録して保管する
- 社内で情報を共有する
- ネクストアクションを明確にする
- 意思決定をサポートする
以降でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
進捗状況を見える化する
営業における商談は、一度で成約まで進むことは稀であり、複数回実施するのが一般的です。
一人の営業担当者が複数の案件を抱えることもあるため、案件ごとに進捗状況を把握できていなければ、業務に支障が出る恐れがあります。
そこで商談報告書を作成すれば、進捗状況を見える化できます。商談に参加していない上司も、商談報告書で進捗状況を把握できるのはメリットです。
商談内容を記録して保管する
商談内容の記録と保管も、商談報告書を作成する目的の一つです。
すべての商談が成約につながるとは限らず、失注になるケースもあります。そこで、なぜ成約に至らなかったのか、その原因を追求するには商談の振り返りが欠かせません。
商談報告書を見れば、どこに課題があったのかを把握できます。失注してもその原因が分かれば、解決策も見出せるでしょう。
課題の洗い出しと改善を繰り返すほど、ノウハウが蓄積されます。その結果、営業品質が向上すれば、成果につながりやすくなるでしょう。
社内で情報を共有する
営業職は、属人化が起きやすいといった課題を抱えています。
担当者が不在の時に顧客から問い合わせがあっても、他のスタッフが対応できなければ顧客に信頼してもらえません。
商談報告書を社内で共有すれば、進捗状況や課題などの情報を他のスタッフも把握できます。
属人化が解消されれば、担当者が不在時にも他のスタッフが対応できるので、チーム力の強化にもつながります。
ネクストアクションを明確にする
商談報告書には、ネクストアクションを明確にする目的もあります。
たとえば、初回の商談では顧客との関係性を構築できていないため、顧客に信頼してもらえないことも少なくありません。
ネクストアクションを明確にしておけば、次回の商談でやるべきことを把握できます。顧客が納得する解決策の策定もしやすくなるでしょう。
意思決定をサポートする
上司や関係者が意思決定を行う際に、商談内容を把握できていなければ適切な判断ができません。
商談報告書で進捗状況を把握できれば、価格交渉や条件などを判断する際の材料になります。
適切な判断を下せれば、成約につながりやすくなるでしょう。
商談報告書に必要な項目

では次に、商談報告書に必要な項目を紹介します。
- 作成者名
- 訪問先の基本情報:顧客の会社名、住所・連絡先
- 部署名・担当者名:複数人の場合はそれぞれ記載
- 訪問日時:商談の日付と時刻・所要時間
- 訪問目的:ヒアリング、価格交渉など
- 商談内容
- 質問や懸念点など
商談内容は、顧客の反応や場の雰囲気なども記録しておくとよいでしょう。商談で使用した資料があれば、備考欄に記載しておきます。
商談報告書の書き方

続いて、商談報告書を書くポイントを6つ紹介します。
- 成果は具体的に数字で示す
- グラフや表を使用してわかりやすく書く
- 訪問の目的を述べて要点ごとに整理する
- 5W1Hを意識して書く
- 客観的に分析する
- 売上予測や成約数の着地見込みを記載する
成果は具体的に数字で示す
成果を記載する場合は、具体的な数字で示してください。
成果を挙げても、結果が漠然としていると説得力に欠けます。
具体的な数字で示すことで、説得力が増し商談報告書の信頼性が向上します。
グラフや表を使用してわかりやすく書く
グラフや表も活用してください。
文字や数字が並んでいるだけの報告書は、見づらいので内容を理解するのに時間がかかります。上司や関係者の時間を奪うことになりかねません。
グラフや表を使用すれば、視認性が高まり一目で内容を理解できます。
訪問の目的を述べて要点ごとに整理する
誰が見てもわかりやすい報告書を作成するには、訪問の目的を述べてから、要点ごとに整理するのも重要です。
報告書には、商談で話した内容を一語一句漏らさず記入する必要はありません。
訪問した目的を達成するために、重要な要点を整理すれば内容を把握できます。
5W1Hを意識して書く
見やすくわかりやすい報告書を作成するには、5W1Hが有効です。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
要点ごとに5W1Hを意識して書けば、伝えるべき内容をわかりやすくまとめられます。
箇条書きである必要はないので、文章に盛り込むとよいでしょう。
客観的に分析する
商談報告書は、事実に基づき客観的に分析することも重要です。
主観的な分析では、状況を正確に伝えられません。
商談中の感情や雰囲気を記載する際にも、客観的に分析して記載すると説得力が増します。
売上予測や成約数の着地見込みを記載する
商談報告書には、売上予測や成約数の着地見込みも記載しましょう。
上司や関係者が意思決定を行う際の判断基準になります。
営業担当者にとっても、将来を見越して営業活動を行っていると上司にアピールできるのはメリットです。
わかりやすい商談報告書を作成するコツ5選

上司が認める、わかりやすい商談報告書を作成する5つのコツを紹介します。
- フォーマットを統一する
- 基本情報は正確に記載する
- 些細な情報も漏らさず記載する
- 目標を達成できなかった理由と改善策も記載する
- ツールやシステムと連携する
フォーマットを統一する
フォーマットは統一しましょう。
フォーマットがバラバラだと、商談の振り返りや比較をする時に、内容を把握するのに時間がかかります。
フォーマットを統一しておけば、どこに何が書いてあるのかを把握しやすいので、振り返りや比較が容易になるでしょう。
基本情報は正確に記載する
基本情報は正確に記載するのも重要です。
後から商談報告書を参照する際に、基本情報が間違っていると追跡に時間がかかります。
フォーマットを統一しておけば、基本情報を正確に記載できるのもメリットです。
些細な情報も漏らさず記載する
商談中にはさほど重要な内容とは思えなくても、意思決定に必要な情報が含まれているかもしれません。
些細な情報だからと省略すれば、適切な意思決定ができなくなる恐れがあります。
些細な情報でも省略せずに、漏らさず記載してください。
目標を達成できなかった理由と改善策も記載する
入念に準備をして商談に臨んでも、目標を達成できないケースはあります。
営業担当者にとってはネガティブな内容ですが、目標を達成できなかった理由と改善策も記載してください。
商談の振り返りをする際には、課題を洗い出しと改善に役立ちます。内容を見た上司から、フィードバックを受けられるのもメリットです。
ツールやシステムと連携する
ツールやシステムと連携すれば、商談報告書の作成を自動化できます。
以下におすすめのツールやシステムを紹介しますので、参考にしてください。
GoogleスプレッドやExcel | データを自動集計できる 目標や進捗状況・成果を見える化できる グラフや表を自動集計できる データを蓄積して分析に活用できる |
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チャットツール | リアルタイムで情報を共有できる 即座にコメントやアドバイスができる 過去ログから検索できる |
CRM・SFA | 作業を自動化できる データを蓄積できる 営業品質を標準化できる リアルタイムで進捗状況を把握できる |
作業を自動化できれば、業務効率化につながります。クラウド上のシステムなら、情報をリアルタイムで更新・共有も可能です。
コメントやアドバイスもできる他に、検索や追跡も容易になります。
商談報告書の例文

では最後に、商談報告書の例文を紹介します。
■作成者名:営業部、〇〇
■訪問日時:2025年4月◯日◯時~◯時
■訪問先
〇〇株式会社
〒◯◯◯-〇〇〇〇
東京都~~
TEL:03-XXXX-XXXX
担当者〇〇様
■商談内容・目的
自社の〇〇を提案するため、〇〇株式会社を訪問しました。
資料をお渡しして、自社の〇〇がお客様の課題解決に役立つと訴求するのが今回の目的です。
〇〇様は、自社の〇〇に対して高い関心を示していました。
しかし、予算的に厳しいため再度検討したいとのことで成約には至っていません。
■未達の理由と改善策
お客様の課題を解決に役立つと思い、上位プランを提案したのが課題だと判断しました。
サービス内容は変わりますが、次回はお客様の予算に合うプランを提案する予定です。
■備考
サービス導入後の運用にも不安があると言っていたので、コンサルサービスも提案しようと思います。
次回商談日:2025年4月◯日◯時~◯時
■資料
◯◯のPDF
まとめ:商談報告書の書き方を覚えて営業活動の成果を最大化させよう

商談報告書は、商談の振り返りや社内での情報共有など重要な役割があります。
目的に対して要点をまとめると、誰が見てもわかる質の高い商談報告書を作成できます。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、商談報告書の書き方を覚えて営業活動に活かしてください。