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コールセンターのKPI一覧!13個の指標や計算式・改善ポイントを解説

コールセンターの最終目標である、顧客満足度の向上を実現させるには、現状の課題を把握し改善することが大切です。

しかし、業務の煩雑化や業界全体に見られる慢性的な人手不足などの課題から、目標を立てづらいと頭を悩ませる担当者は少なくありません。

そこで役に立つのが、KPIの設定です。

コールセンターのKPIにもさまざまな種類があるため、目的に合わせて設定する必要があります。

本記事では、コールセンターのKPI一覧を紹介します。13個の指標計算式の他、改善ポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

コールセンターのKPIとは ?

KPI(Key Performance Indicator)は、重要業績評価指標のことです。

コールセンター本来の目的は、顧客満足度の向上ですが、業務を遂行するうえでは応対品質やスタッフのモチベーションなどの管理が大切です。

また、企業が求める要素や業務形態などの違いもあるため、設定すべきKPIはそれぞれ同一ではありません。

さらに、企業が独自に設定する指標もあるため、コールセンターのKPIは多岐にわたるのも特徴です。

コールセンター向けのKPI一覧

コールセンター向けのKPIは、4つのカテゴリに大別されます。

カテゴリKPI概要
応対品質応答率
放棄呼率
サービスレベル
ASA(平均応答速度)
応答率や応対の質を測る
生産性稼働率
AHT(平均処理時間)
ATT(平均通話時間)
ACW(平均後処理時間)
コスト・パー・コール(CPC)
対応効率を測る
顧客満足度CS(顧客満足度)
NPS®(顧客推奨度)
顧客満足度につながる対応ができているかを測る
スタッフマネジメント欠勤率
離職率
職場環境や健全性を測る

各カテゴリの詳細については、次章で詳しく解説します。

コールセンターのKPI|応対品質

それでは、コールセンターの応対品質に関するKPIを紹介します。

  1. 応答率
  2. 放棄呼率
  3. サービスレベル
  4. ASA(平均応答速度)

応答率

応答率は、営業時間内にどれだけオペレーターが対応できたかを測る指標です。

「対応した件数÷着信数×100」の計算式に当てはめると、応答率を算出できます。

応答率が低ければ、顧客満足度は低下する恐れがあります。ただし、高い応答率を求めすぎると、オペレーターへの負担が大きくなり、対応品質の低下につながりかねません。

繁忙期は電話が集中するため、応答率が下がる傾向があることに留意しましょう。80%を目安に無理のない目標を設定してください。

放棄呼率

放棄呼率は、オペレーターが出る前に電話を切る割合のことです。

「放棄呼数÷着信件数×100」で割り出せます。

放棄呼率が高くなるほど、電話がつながりやすく、顧客満足度の向上につながる重要な指標です。

サービスレベル

サービスレベル(SL)は、設定した時間内でどれだけオペレーターが対応できたかの指標です。

「設定時間内に対応した件数÷着信件数×100」で割り出せます。

割合が高いほど効率は上がりますが、スピードを重視しすぎると応対品質の低下につながる恐れがあることに留意しましょう。

ASA(平均応答速度)

ASA(Average Speed of Answer)は、平均応答速度を指し、着信から応答までの平均時間を表すものです。

「応答までの時間÷着信件数」で割り出します。

ASAが低いほど顧客の待ち時間が短くなるので、顧客満足度の向上につながるでしょう。

なお、応答は目安として3コール以内とされています。3コール以上待たせた場合は「大変お待たせいたしました」の一言を添えることが大切です。

コールセンターのKPI|生産性

続いて、コールセンターの生産性に関するKPIを見ていきましょう。

  1. 稼働率
  2. AHT(平均処理時間)
  3. ATT(平均通話時間)
  4. ACW(平均後処理時間)
  5. コスト・パー・コール(CPC)

稼働率

稼働率は、オペレーターが勤務時間内にどれだけ顧客対応に時間を使えたかを表します

「(応対時間+保留時間+後処理時間+待機時間)÷労働時間」で割り出せます。

ただし、離席時間は計算に含めません。

目安は80%~90%とされていますが、目標を高く設定しすぎるとオペレーターの負担が増え離職率を高める恐れがあるので注意が必要です。

AHT(平均処理時間)

AHT(Average Handling Time)は、1件の電話に対応するのにかかる平均時間のことです。

「(通話時間+処理時間)÷通話件数」で割り出せますが、ここでは保留時間も含まれます。

ATT(平均通話時間)

ATT(Average Talk Time)は、顧客との通話にかかる平均時間を表します

「通話時間÷対応件数」で割り出します。

顧客によっては話が長くなるケースもあるため、差が生じやすいことに留意しましょう。

ACW(平均後処理時間)

ACW(After Call Work)は、電話を切った後の処理にかかる平均時間を表します

「後処理時間÷対応件数」で割り出します。

後処理とは、通話内容の伝達や記録、事務手続きなどです。

ACWは、オペレータースキルによる違いはあるものの、システムやツールの活用で短縮することができます。

コスト・パー・コール(CPC)

CPC(Cost Per Call)は、1件の通話にかかるコストのことです。

「総コスト÷処理件数」で割り出せます。

なお、総コストには、設備費や人件費も含まれます。

コールセンターのKPI|顧客満足度

コールセンターにおける顧客満足度のKPIは以下の2種類です。

  1. CS(顧客満足度)
  2. NPS®(顧客推奨度)

CS(顧客満足度)

CS(Customer Satisfaction)は、コールセンターでは最も重要な顧客満足度の指標です。

CSは顧客へのアンケート調査が必要ですが、顧客の声を聞けるため課題を見出しやすくなります

中にはクレームなどネガティブな意見も含まれるでしょう。しかし、そういった意見は課題の解決に役立ちます。

NPS®(顧客推奨度)

NPS(Net Promoter Score)は、顧客が企業をどれだけ推奨しているかを表すものです。

NPSもアンケート調査が必要になりますが、推奨度・推奨理由・評価ポイントなど、質問内容がシンプルなので実施しやすいでしょう。

また、競合他社と比較しやすいのもメリットです。

NPSの実施には、質問に対して0~10の11段階で回答してもらいます。

  1. 推奨者:10点~9点
  2. 中立者:8点~7点
  3. 批判者:6点以下

上記を元に、「推奨者の割合-批判者の割合」で割り出せます。

割合が高いほど推奨度は上がるものの、日本では中間評価をする傾向があるためマイナス寄りになりやすい傾向があることに留意しましょう。

コールセンターのKPI|スタッフマネジメント

次に、コールセンターのスタッフマネジメントに関するKPIを紹介します。

  1. 欠勤率
  2. 離職率

欠勤率

欠勤率は、「(欠勤日数÷シフトの予定日数)×100」で割り出します。

オペレーターがシフトをどれだけこなせたかを表すものです。

なお、欠勤率を計算する際は、遅刻や早退なども含めるので、時間単位で計算します。

離職率

離職率は、(離職者数÷労働者数)×100で算出できます。

コールセンターは、離職率が高いことで知られています。

コールセンタージャパンによると、2018年の新人オペレーターの離職率71%以上の割合が2013年の0.9%から22%と大幅な上昇を見せました。

参照:コールセンタージャパン|新人オペレータの離職率の推移

欠勤率が高くなるほど在籍オペレーターの負担が増え、離職率が高まる傾向にあるのも特徴です。

アウトバウンドにおけるコールセンターのKPI一覧

アウトバウンドにおける、代表的なKPIを紹介します。

KPI概要計算式
コール数発信件数架電数をカウント
コンタクト率発信に対してつながった割合着信件数÷対応件数
AHT1件あたりの平均処理時間ATT+ACW
ATT1件あたりの平均対応時間通話時間÷対応件数
CPC1件あたりの平均コスト総コスト÷処理件数
稼働率勤務時間内に対応した時間(応対時間+保留時間+後処理時間+待機時間)÷労働時間
成約率発信件数のうち成約の割合成約件数÷対応件数
ミス発生率誤案内した割合コールセンターごとに異なる

インバウンドにおけるコールセンターのKPI一覧

続いて、インバウンドにおける代表的なKPIの一覧も以下にまとめました。

KPI概要計算式
応答率着信があった中でオペレーターが対応した割合対応件数÷着信数×100
放棄呼率電話がつながるまえに切られた割合放棄呼数÷着信件数×100
SL設定時間内に対応できた割合設定時間内の対応件数÷着信件数×100
ASA着信から応答までにかかった平均時間応答までの時間÷着信件数
稼働率勤務時間内に対応した時間の割合(応対時間+保留時間+後処理時間+待機時間)÷労働時間
AHT対応から後処理までにかかった平均時間(通話時間+処理時間)÷通話件数
ATT1件あたりの平均通話時間通話時間÷対応件数
ACW電話を切った後の処理にかかる平均時間後処理時間÷対応件数
CPC1件あたりの平均コスト総コスト÷処理件数
CS顧客満足度アンケート調査
NPS顧客ロイヤルティの指標推奨者の割合-批判者の割
欠勤率シフト予定に対して欠勤した割合(欠勤日数÷シフトの予定日数)×100
離職率在籍オペレーターが離職した割合(離職者数÷労働者数)×100

アウトバウンドとインバウンドでは、設定するKPIが異なります

業務形態に合わせて必要なKPIを見極めてください。

コールセンターのKPIを設定・達成するポイント

では最後に、コールセンターのKPIを設定し達成するためのポイントを5つ紹介します。

  1. 現時点での課題を明確化・共有する
  2. KPIツリーを設定する
  3. 週や月でPDCAを回す
  4. 達成できる目標を設定する
  5. KPIの設定を定期的に見直す

現時点での課題を明確化・共有する

まず、現時点での課題を明確化して、社内で共有します。

コールセンターといっても、業務形態によって設定すべきKPIは異なります。また、課題もそれぞれ異なるでしょう。

課題を把握しないままKPIを設定しても、根本的な課題の解決にはつながりません。

今どんな課題を抱えているのかを明確化してください、そして課題を社内で共有して、全体で課題を解決していくことが大切です。

KPIツリーを設定する

次に、KPIツリーを設定しましょう。

KPIツリーとは、設定した目標をどのように解決していくかを段階的に可視化するものです。

KPIツリーを設定する際は、一番左に最終目的を設置し、右に向かって段階的に展開していきます。

最終的には、一番右がスタート地点になり、段階ごとに最終目的に向かってひとつずつ課題解決に取り組むイメージです。

週や月でPDCAを回す

次に、週や月でPDCAを回します。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

このように、PDCAを繰り返すことで、課題を把握しやすくなり、常に最善の状態を保つことにつながります

週単位や月単位でPDCAサイクルを繰り返せば、業務効率化や生産性の向上、顧客満足度の向上効果も期待できるでしょう。

達成できる目標を設定する

そして、達成できる目標を設定することも大切です。

目標を高く設定しすぎると、課題の解決にはつながらず、かえって状態を悪化させる恐れがあります。

例えば、応答率を90〜95%などに設定すれば、オペレーターの負荷が増えるでしょう。その結果離職率を高めたり、生産性の低下につながったりします。

目標は達成できる範囲で設定してください。

KPIの設定を定期的に見直す

KPIの設定は定期的な見直しが必要です。

一つの課題を解決できても、顧客ニーズやコールセンターを取り巻く環境は常に変化していきます。

さまざまな課題を解決するには、定期的にKPIの設定を見直さなくてはなりません

見直しは、PDCAサイクルを回す周期に合わせてもいいですし、予め3ヶ月や6ヶ月など見直す時期を決めておくといいでしょう。

まとめ:コールセンターのKPIを設定して課題解決につなげよう

コールセンターは業務量が多く、業務が煩雑化しやすいことから、慢性的な人材不足が懸念されています。

オペレーターが不足すれば対応できる件数が減り、顧客満足度の低下につながりかねません。

また、コールセンターによって課題は異なるため、業務形態や現状に合った目標を設定することも大切です。

本記事で紹介した情報を参考にしながら、現状の課題に合ったKPIを設定して課題解決につなげてください。

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