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カスタマーサクセスで大切なKPI12項目!設定の理由や例・ポイントも紹介

カスタマーサクセスには、顧客満足度やロイヤリティを向上させ、売上増加や企業の成長につなげるという重要な役割があり、適切なKPIの設定は必須です。

とはいえ、KPIは現状や課題に合わせて設定する必要があるため、何をどのように設定すればよいか迷うこともあるでしょう。

そこで本記事では、カスタマーサクセスのKPIで設定する12個の項目を紹介します。設定の理由や例、ポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

カスタマーサクセスとは? 

カスタマーサクセス(CustomerSuccess)とは、自社の商品やサービスを最大限に活用しながら、顧客の成功体験を支援する取り組みのことです。

また、顧客の成功体験を実現した後も、自発的に成功を継続させる目的も含まれます。

顧客とは長期的な関係性を構築し、成功に向けた戦略の策定や課題に寄り添うサポートは欠かせません。顧客が商品やサービスを購入しただけでは、事業形態に最適なプロダクトの利用ができず、課題の解決につながらないからです。

そこで、販売後も企業が能動的に顧客をサポートし続ければ、商品やサービスを通じて既存顧客の成功体験を後押しできます。

結果として、顧客満足度やロイヤリティが向上し、長期的な視点での収益向上にも結び付けられます。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い 

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、顧客に対応する点は共有していますが、企業の立ち位置が異なります。

  • カスタマーサクセス:企業が顧客の成功体験をサポートする
  • カスタマーサポート:企業は顧客からの問い合わせに回答する

カスタマーサクセスは能動的にアクションを起こすのに対し、カスタマーサポートはあくまでも受動的なのが違いです。

カスタマーサポートでは、回答の的確さ(解決率)や返答スピードなどが求められます。

カスタマーサクセスにおけるKPI設定の重要性 

カスタマーサクセスの成功に、KPI設定が欠かせない理由を3つ紹介します。

  1. 顧客満足度の向上につながる
  2. 利益を最大化できる
  3. 成果を定量的に評価できる

顧客満足度の向上につながる

まず、顧客満足度の向上につながります。KPIの設定により顧客ニーズが可視化され、最適な提案ができるからです。

顧客ニーズを正確に把握できていれば、自社商材に関する評価を客観的に把握でき、商品開発やプロモーションにも活用が可能です。

さらに、設定したKPIを社内で共有し認識を統一すれば、課題が生じた時も早期発見と改善ができ、サポート体制を強化できます。

その結果、顧客満足度が向上し、長期的な関係性を構築しやすくなるでしょう。

利益を最大化できる

企業にとっては、利益の最大化も重要な目標です。

KPIの設定により、営業プロセスや顧客行動を可視化できます。顧客満足度を正確に把握する必要はありますが、アップセルやクロスセルのタイミングも見極められるでしょう。

優良リピーターの獲得は安定した利益につながり、さらには、既存顧客からの紹介で新規顧客獲得につながる可能性もあります。

成果を定量的に評価できる

KPI設定には、成果を定量的に評価する目的も含まれます。

たとえば、途中で担当者が変わるケースでは、成果を定量的に評価できなくなるかもしれません。

KPIに基づき体制を整備すれば、途中で担当者が変わっても成果を定量的に評価でき、一貫したカスタマーサクセスを提供できます。

カスタマーサクセスで設定するKPI(指標)12項目

カスタマーサクセスにおけるKPIには、成果・顧客満足度・営業活動の3つの指標があります。

成果チャーンレート(解約率)
リテンションレート(顧客維持率)
アップセル・クロスセル率LTV(顧客生涯価格)
NRR(売上継続率)
顧客満足度NPS(顧客推奨率)
CSAT(顧客満足度)
口コミ・レビューサイトでの投稿獲得数
営業活動オンボーディング完了率
CSQL(追加の販売機会)
アクティブユーザー数
セッション時間

以降でそれぞれ設定するKPIを紹介します。

チャーンレート(解約率)

チャーンレートは、解約した顧客の割合を示しており、数値が低いほど顧客満足度は高いと判断できます。

契約件数に対して、一定期間内に解約した顧客数から算出します。

計算式:解約数÷契約件数×100

契約件数1,000件に対して、1か月以内に40人が解約した場合は「40÷1000×100=4%」です。

リテンションレート(顧客維持率)

リテンションレートは、所定期間内に契約を継続している顧客の割合です。数値が高いほど顧客満足度が高いことを表します。

計算式:(期間終了時の顧客数-期間中の顧客数)÷期間開始時の顧客数×100

期間開始時の顧客数が100人で、期間中に30人の顧客を獲得、期間終了時に120人だった場合に当てはめると以下のようになります。

(120-30)÷100×100=90%

この例では、顧客満足度が高く商品やサービスへの期待値も高いと判断できます。

アップセル・クロスセル率

アップセル率は、現在利用中の商材よりも、高ランク商材に乗り換える割合を指します。

計算式:アップセルの顧客数÷顧客総数×100

クロスセル率は、現在利用中の商品やサービスとは別に、他の商品やサービスを追加で購入・契約する割合です。

計算式:クロスセルの顧客数÷顧客総数×100

顧客総数が2,000人で、アップセルの顧客が200人、クロスセルの顧客が100人の場合を、計算式に当てはめてみましょう。

  • 200÷2,000×100=10%(アップセル率)
  • 100÷2,000×100=5%(クロスセル率)

なお、アップセル・クロスセルは、顧客の負担を増やすことになるので強引に進めないことも重要です。

LTV(顧客生涯価格)

LTV(Life Time Value)は、1人の顧客が一生涯で企業にもたらす利益を示す指標です。

成約を獲得してもリピートしなければLTVは低く、優良リピーターほどLTVは高くなります。

LTVに関しては計算式が複数ありますが、ここでは基本的な計算式を紹介します

平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

たとえば、平均単価10万円で収益率が20%、購入頻度が年6回、継続期間3年の場合で計算してみましょう。

100,000×0.2×6×3=360,000円

LTVは、顧客満足度やロイヤリティが高いほど、金額も大きくなります。

NRR(売上継続率)

NRR(Net Revenue Retention)は、売上継続率を指しています。

特に、サブスクリプションモデルでは非常に重要な指標であり、アップセルやクロスセルにもつながる要素です。

NRRは、MRR(月次計上収益)を元に算出します。

計算式:前年度の顧客の今月MRR÷前年度の顧客の同月MMR×100

NRRが100%以上であれば、売上が安定していると判断できます。

NPS(顧客推奨率)

NPS(Net Promoter Score)は、ロイヤリティを可視化できる顧客推奨率のことです。

自社商品やサービスを利用している顧客が、他の人にどのくらい勧めたいと思っているかを把握できます。

NPSはアンケート調査により、0~10点の11段階での評価と、点数の理由も回答してもらいます。

  • 推奨者:9~10点
  • 中立者:7~8点
  • 批判者:0~6点

上記の結果を元に、「推奨者-批判者」で計算します。

なお、日本では回答中心化傾向があるため、NPSの結果がマイナスになるケースは少なくありません。

結果だけにとらわれず、他の指標も参考にしながら対策を講じるのもポイントです。

CSAT(顧客満足度)

CSAT(Customer Satisfaction Score)は、カスタマーサクセスでは重要な、顧客満足度の指標です。

はじめにアンケート調査をしますが、顧客の感情を直接確認できます。

  • 非常に満足
  • 満足
  • 普通
  • 不満
  • 非常に不満

このように5段階で評価してもらい、以下の計算式で算出します。

非常に満足・満足と回答した顧客数÷回答した顧客総数×100

CSATが高いほど顧客満足度が高いと判断でき、低い場合は早急に改善策を立案する必要があります。

口コミ・レビューサイトでの投稿獲得数

口コミやレビューは、企業への信頼度や認知度を把握するのに役立ちます。

中には、悪い口コミやレビューもありますが、改善点の洗い出しに役立つでしょう。

オンボーディング完了率

オンボーディング完了率は、顧客が商品やサービスを購入してから定着するまでの期間を示します。

計算式:オンボーディング完了済みの企業数÷オンボーディング期間中の企業総数×100

たとえば、企業総数100社で、30社がオンボーディングを完了している場合で計算してみましょう。

30÷100×100=30%

なお、オンボーディングが未完了の場合は、解約率が高くなりやすいことに留意しましょう。

CSQL(Customer Success Qualified Lead)

CSQL (Customer Success Qualified Lead)は、追加の販売機会が見込まれる指標です。

アップセルやクロスセルのアプローチでは、可能性が高い顧客の選出に活用できます。

CSQLは計算式ではなく、顧客情報を分析して見込み角度を見極めます。

アクティブユーザー数

アクティブユーザー数は、一定期間内で自社のWebサービスやSaaSを積極的に利用する顧客数を示します。

  • 1か月以内に1回以上ログインしている
  • 1か月以内にコンテンツを閲覧している

上記は一例ですが、一定のアクションを起こしていればアクティブユーザーであると判断できます。

アクティブユーザー数が少ない場合は、丁寧なフォローアップが必要になると判断できるでしょう。

セッション時間

セッション時間は、顧客がどのくらいサービスを利用しているかを示しています。SaaSのようなクラウドサービスで重要視される項目です。

セッション時間が長いほど、サービスを利用していると判断できるので、顧客満足度も高いと考えられるでしょう。

もし、セッション時間が短い場合は、解約のリスクが高い可能性があるので注意が必要です。

カスタマーサクセスのKPI設定手順4ステップ

では次に、カスタマーサクセスのKPIを設定する手順を紹介します。

  1. 目標を明確に設定する
  2. KGIに沿ってKPIを設定する
  3. KPIに優先順位を付ける
  4. PDCAサイクルを回す

ステップ1.目標を明確に設定する

まず、目標を明確に設定してください。

目標が曖昧だと、適切なKPIを設定できません。現状の課題とすべきことを洗い出せば、目標をイメージしやすくなるでしょう。

なお「目標は定量的に設定すること」「実現可能であること」も重要です。

ステップ2.KGIに沿ってKPIを設定する

KPIは、最終目標のKGI(重要目標達成指標)に沿って設定してください。

そもそも、KPIは目標達成に向けて、各プロセスで何をすべきかを可視化する役割があります。

KPIを設定しても、KGIとマッチしていなければ目標を達成できません。

そこで、KGIから逆算すれば適切なKPIを設定できます。

ステップ3.KPIに優先順位を付ける

KPIには、優先順位を付けてください。

たとえば、限られたリソースで運用しなければならない場合は、1つのKPIに時間を取られるとプロジェクトの遂行を妨げる恐れがあります。

現状と照らし合わせながら、リソースを集中できるKPIからこなしていけば、効果的にプロジェクトを進められるでしょう。

ステップ4. PDCAサイクルを回す

カスタマーサクセスのKPIを設定しても、目標を達成できないケースは少なくありません。

そこで、PDCAサイクルを回していけば、問題や課題を特定しやすくなります。

また、PDCAサイクルはスパンが短いほど、問題や課題の早期発見と改善が可能です。

1週間や10日など、できるだけ短いスパンで回していけば、カスタマーサクセスの成功につなげられるでしょう。

カスタマーサクセスを成功させるKPI設定のポイント 

では最後に、カスタマーサクセスの成功に向けた、KPIの設定ポイントを6つ紹介します。

  1. KPIだけで評価・判断しない
  2. 自社の現状に合わせて適切なKPIを選択する
  3. 現実的に達成可能なKPIを設定する
  4. 内容を定期的に見直し改善する
  5. KPIに対する評価をする
  6. 他部門との連携を図る

KPIだけで評価・判断しない

KPIは、目標達成に向けたプロセスやすべきことを可視化できますが、あくまでも指標です。

また、数字に頼りすぎると、定性的な要素を見落とす恐れがあります。

全体を判断する際はKPIだけで判断せず、口コミや顧客行動の変化など、数値化できない情報も含めて評価してください。

自社の現状に合わせて適切なKPIを選択する

カスタマーサクセスで設定するKPIは、業界やサービス内容によって内容が異なります。

自社業界や商材からかけ離れたKPIを設定すると、目標を達成できません。

自社で達成可能なKIPを設定できれば、目標までの道筋を把握しやすくなるでしょう。

現実的に達成可能なKPIを設定する

非現実的な目標を達成するために無理をすれば、チームのモチベーションやパフォーマンスが低下する恐れがあります。

カスタマーサクセスの活動に支障が出れば、顧客満足度の低下につながりかねません。

自社の現状に合わせて、達成可能なKPIを設定してください。

内容を定期的に見直し改善する

KPIを設定した後は、定期的に見直し改善するのも重要です。

目標を達成できなかった時や、達成できても予定通りではなかった時には、適切なKPIを設定できていなかった可能性があります。

また、目標を達成してもKPIの内容が変わらないままでは、市場動向や顧客行動の変化に対応できません。

KPIを設定したらPDCAサクルを回しながら、内容の見直しと改善を繰り返しましょう。

KPIに対する評価をする

目標を達成しても適切に評価されなければ、スタッフのモチベーションが低下してパフォーマンスを発揮できなくなる恐れがあります。

ただし、スタッフによって貢献度は異なるため、公平に評価するのも重要です。

頑張りに対して適切に評価されれば、モチベーションが上がり、従業員満足度の向上にもつながります。

他部門との連携を図る

カスタマーサクセスのKPI設定においては、他部門との連携が必要になることもあります。

他部門との連携が取れなければ、足並みが揃わず目標を達成できない恐れがあります。

他部門とスムーズに連携するには、情報共有体制の整備が欠かせません。

ツールでの情報共有や定期的なミーティングなどで、他部門との連携を強化してください。

まとめ:カスタマーサクセスのKPIを適切に設定して売上向上を目指そう

カスタマーサクセスは、顧客と長期的に関係性を構築して、継続的な利益を得るために欠かせない要素です。

自社の現状に合う実現可能なKPIを設定すれば、顧客満足度やロイヤリティの向上にもつながりやすくなります。

本記事で紹介した情報を参考にしながら、適切なKPIを設定してカスタマーサクセスを成功させてください。

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