インサイドセールスのクロージングとは?成約を掴み取る9つのポイントを紹介

インサイドセールスでは、見込み顧客を育成して関係性を構築しながら商談を進めますが、クロージングに成功しなければ成約には至りません。
また、インサイドセールスの分業スタイルには種類があり、それぞれクロージングの担当が異なります。
そこで本記事では、インサイドセールスのクロージングについて、詳しく解説します。成約を獲得する9つのポイントや方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インサイドセールスにおけるクロージングとは?

インサイドセールスでは、リード獲得→アポ獲得→ヒアリング→商談→クロージングの流れで進めます。
しかし、分業型のタイプによって目的や役割が異なることに留意しましょう。
- 分業型
- 完結型
- 混合型
分業型
分業型は、インサイドセールスとフィールドセールスで、それぞれ役割が異なります。
- インサイドセールス:リードの獲得・アポイントの獲得・ヒアリング
- フィールドセールス:商談・クロージング
分業型におけるインサイドセールスの役割は、「見込み顧客の育成」と「商談機会の獲得」です。
商談機会を獲得したら、後はフィールドセールスに引き渡すので、クロージングはフィールドセールスの担当者が行います。
完結型
完結型では「成約の獲得」を目的として、リードの獲得からクロージングまで、すべてインサイドセールスが担当します。
非対面のインサイドセールスでは、顧客との関係性を構築しづらいのが課題ですが、同じ担当者が一貫体制で対応できるのがメリットです。
成約後にも丁寧にフォローアップを続ければ、クロスセルやアップセルにつながる可能性が高まります。
混合型
混合型は、分業型と完結型を状況に合わせて使い分けます。
たとえば、新規顧客には「分業型」、既存顧客には「完結型」のような使い分けが可能です。
混合型は工数が増えるため、情報共有体制の整備や、各部門との連携を強化する必要があります。
インサイドセールスにおけるクロージングの流れ3ステップ

インサイドセールスでのクロージングを進める流れを、3つのステップに分けて紹介します。
- テストクロージング
- クロージング
- 契約締結
ステップ1.テストクロージング
テストクロージングとは、クロージングの前に顧客の購買意欲を確認する目的で実施します。
- 商品やサービスの説明前
- 金額を提示する前
- 提案の後
タイミングは顧客によって異なるものの、適切なタイミングで実施すれば、クロージングの質を高められます。
なおこちらの記事では、テストクロージングについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
テストクロージングとは?メリットやタイミング・例文も徹底解説
ステップ2.クロージング
テストクロージングで顧客の購買意欲を確認できたら、いよいよクロージングに進みます。
ただし、この段階で顧客の不安や疑問を完全に解消できていなければ、成約につながらない恐れがあります。
最終的に成約を獲得するには、クロージングで顧客の不安や疑問を解消して、安心感を与えることが大切です。
ステップ3.契約締結
顧客の購買意欲が高まり、安心して契約できる状況が整ったら契約を締結します。
後は事務的な手続きになりますが、顧客に寄り添い真摯に対応することが重要です。
なお、成約を獲得した後も丁寧にフォローアップを続けて、長期的な関係性構築を目指してください。
インサイドセールスのクロージングで成約を掴み取る9つのポイント

では次に、インサイドセールスのクロージングで成約を取るために、おさえておきたい9つのポイントを紹介します。
- KPIはセグメントごとに設定する
- BANTを活用して成約確度を見極める
- トークスクリプトを活用する
- テストクロージングを実施する
- 最適なタイミングを見計らって行う
- 成約後のイメージを持ってもらう
- 提案は複数パターン用意する
- 顧客と長期的な関係性構築を意識する
- ツールを活用する
KPIはセグメントごとに設定する
まず、KPIはセグメントごとに設定してください。
セグメントとは、顧客の年齢や性別といったデモグラフィック情報や、行動パターンなどに合わせて分類することです。
たとえば、20代と40代では、ニーズが異なるためアプローチ方法も変わります。
ターゲットに合わせて最適なアプローチ方法を見出すには、セグメントごとに最適なKPIを設定する必要があります。
BANTを活用して成約確度を見極める
BANTは、4つの項目から構成された、成約率を高めるときに活用するフレームワークです。
- Budget(予算)
- Authority(決裁権)
- Needs(ニーズ)
- Timeframe(導入時期)
BANTは主にヒアリングで用いられる手法ですが、見込み顧客の購買意欲を評価するときに役立ちます。
BANT情報に基づき最適なタイミングでクロージングに移行すれば、成約につながりやすくなるでしょう。
トークスクリプトを活用する
トークスクリプトを活用するのも有効です。
トップセールスのトークスキルや、成功事例を元にトークスクリプトを作成すれば、経験に乏しいスタッフもどのように会話を展開すればいいかを把握できます。
インサイドセールスにメールを活用するなら、メールテンプレートも作成しておくとよいでしょう。
トップセールスのノウハウを共有できるので、営業品質の標準化が可能になり、顧客満足度の向上効果が期待できます。
テストクロージングを実施する
テストクロージングは、適切なタイミングで実施してください。
早く成約を獲得したいからと、顧客の感情を無視してクロージングに進むと失注のリスクが高まります。
顧客の反応を伺いながら、不安や疑問を感じているようなら、都度解消できるように質問を挟むとよいでしょう。
最適なタイミングを見計らって行う
クロージングは、最適なタイミングを見計らうことも重要です。
購買意欲が高いと判断しても、タイミングを間違えれば顧客に不信感を与える恐れがあります。
クロージングには心理テクニックを活用するのもおすすめです。
テクニック | 概要 |
---|---|
ミラーリング | 顧客の身振り手振りを真似て心理的距離を縮める |
ドア・イン・ザ・フェイス | 最初にハードルの高い要求をして断らせて、次にハードルを下げた本命の要求を提示する |
両面提示 | メリットとデメリットも伝えて誠実さをアピールする |
クローズドクエスチョン | 「はい・いいえ」で答えられる質問を用意する |
このような心理テクニックを活用して、顧客との関係性を構築できれば、最適なタイミングが見えてくるでしょう。
成約後のイメージを持ってもらう
顧客が成約後にメリットをイメージできるように、ベネフィットを具体的に提示するのも有効です。
メリットは商品やサービスの特徴にすぎないので、メリットだけでは成約後をイメージできません。
たとえば、自社商品やサービスの導入事例として、「弊社の◯◯を導入して、年間◯◯万円のコスト削減に成功しています。」と提示すれば、顧客はメリットをイメージしやすくなります。
導入する価値があると思ってもらえれば、成約につながりやすくなるでしょう。
提案は複数パターン用意する
課題やニーズを把握していても、顧客によって最適な提案はそれぞれ異なります。
提案は複数パターン用意して、顧客の選択肢を増やしてください。
選択肢が用意されていれば、顧客は迷わずに最適な提案を選べます。
顧客と長期的な関係性構築を意識する
顧客とは、長期的な関係性を構築するように意識してください。
成約を獲得しても、リピーターになってもらえなければ短期的な成功にすぎません。
企業が安定した利益を得て成長し続けるには、リピーターの獲得が必要不可欠です。
成約後も丁寧にフォローアップを続けていけば、いずれクロスセルやアップセルにつながる可能性があります。
丁寧にフォローアップし続けると、顧客ロイヤリティの向上も見込めます。信頼できる企業だと理解してもらえれば、新規顧客を紹介してもらえるかもしれません。
ツールを活用する
ツールの活用も有効な手段です。
営業職は業務量が多く煩雑化しやすい傾向がありますが、ツールを使えば作業を自動化できます。
業務効率化につながるだけでなく、情報共有もスムーズになり属人化を防止できるのもメリットです。
ツールには活動ログが残るので、データとして蓄積すれば、課題の洗い出しや商談の振り返りにも活用できます。
こちらの記事では、インサイドセールスツールのおすすめ20選や選び方について解説していますので、あわせてご覧ください。
インサイドセールスツールのおすすめ20選を徹底比較!選び方やメリットも紹介
インサイドセールスのクロージングで強引にならないように注意

クロージングの成功が目前に迫っていると、成約を獲得したい一心から強引になる可能性があります。
商談が順調に進んでいても、最後に強引な姿勢を見せれば顧客に信頼してもらえません。せっかく築いてきた関係性が崩れると、元に戻すのは非常に困難です。
焦らず最後まで、顧客に寄り添い丁寧な対応を心がけましょう。
インサイドセールスのクロージング成約率を高める方法

では最後に、インサイドセールスのクロージング成約率を高める方法を2つ紹介します。
- 社内の教育体制を整備する
- 代行会社に依頼する
社内の教育体制を整備する
社内の教育体制を整備するのは、とても大事なことです。
教育体制が整備されていなければ、成績の悪いスタッフのモチベーションが低下する恐れがあります。
スタッフによって経験やスキルに差が生じるのは仕方ないことですが、教育体制が整備されていれば、業務品質の標準化や底上げが可能です。
- OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング):実務を通じて知識やスキルを身につける
- ロールプレイング:顧客と担当者の役を決めて実践を想定して実践的に学ぶ
- OFF-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング):研修やセミナーで学ぶ
教育体制を整備する方法はいくつかあるので、自社にマッチした方法を選ぶとよいでしょう。
代行会社に依頼する
内製化が難しいなら、代行会社に依頼するのも選択肢の一つです。
知識やスキルを持つプロが対応するので、成約率の向上が見込めます。
インサイドセールスのテレアポ代行なら、株式会社ディグロスにお任せください。

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まとめ:インサイドセールスにおけるクロージングのポイントをおさえて成約率を高めよう

インサイドセールスにおけるクロージングは、売上に直結する重要なプロセスです。
インサイドセールスの分業タイプによって役割は異なりますが、顧客の購買意欲が高まったタイミングで、適切にクロージングを実施する必要があります。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、インサイドセールスにおけるクロージングのポイントをおさえて成約率を高めてください。