オンライン商談の資料作成ガイド!役割や作成する10個のコツを詳しく解説

コロナ禍で対面交流が制限されたことを契機に、Web会議ツールを活用したオンライン商談が注目されるようになりました。
対面商談における資料は、口頭での説明を補足する目的で使用しますが、オンライン商談では資料の役割や作成するコツが変わるので注意が必要です。
そこで本記事では、オンライン商談における資料作成方法やコツを紹介します。手順や注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
オンライン商談における資料の役割

それでは、オンライン商談における資料の役割を紹介します。
- 商材の魅力を伝えやすくなる
- 顧客が導入効果をイメージしやすくなる
商材の魅力を伝えやすくなる
オンライン商談では、画面共有機能により資料を提示するため、顧客は画面に表示される資料を見ながら説明を聞きます。
対面式での資料は「営業担当者の説明を補う」ものですが、オンライン商談では「資料をメインに口頭で補足する」のが異なる点です。
そこで、誰が見ても分かるように視認性の高い資料を作成すれば、自社商材の魅力を伝えやすくなります。
顧客が導入効果をイメージしやすくなる
視認性の高い資料は、商材をよく知らない人が見ても情報を理解しやすくなります。
画面を通して見るオンライン商談の資料は、クオリティも重要です。
見やすいことはもちろんですが、ストーリー性を持たせれば、顧客が導入効果をイメージしやすくなります。
自社商材を導入する効果を具体的にイメージできれば、顧客の購買意欲を高められるでしょう。
オンライン商談資料に盛り込みたい3つの要素

では次に、オンライン商談の資料に盛り込みたい要素を3つ紹介します。
- メリットとベネフィット
- 信頼できる企業と思ってもらえる情報
- 共感しやすいストーリー
メリットとベネフィット
自社商材の強みやアピールポイントを伝える際は、メリットとベネフィットをセットで盛り込むとよいでしょう。
メリットとは、商材の特徴や長所を指す言葉です。
たとえば、低価格を売りにした商材では「他社よりも低コストで導入できる」のようにメリットをアピールできます。
しかし、安い点をアピールするだけでは、顧客が導入効果をイメージできません。
そこで、「コストを削減できれば、結果的に企業の利益拡大につながる」というベネフィットを伝えれば、顧客が導入効果をイメージしやすくなります。
信頼できる企業と思ってもらえる情報
自社商材に興味や関心を持つ見込み顧客でも、関係性を構築できていない相手から売り込まれると、ネガティブな印象を与える恐れがあります。
特に初回の商談では、顧客に与える印象が重要です。オンライン商談資料には、信頼できる企業だと思ってもらえる情報を盛り込みましょう。
信頼性をアピールするには、お客様の声や具体的な数字で実績を提示するのが有効です。
共感しやすいストーリー
そして、共感を得やすいストーリーも盛り込みたい要素です。
顧客からの共感を得るには、ストーリーテリングを活用するとよいでしょう。
- 登場人物を設定することで共感度が高まる
- 事実よりもストーリーの方が記憶に残りやすい
- 共感度が高いほど感情移入しやすく行動喚起につながる
ストーリーテリングを活用すると、このようなメリットが生まれます。
自社商材を開発するきっかけとなったエピソードや、商品開発秘話などを盛り込んでください。
オンライン商談の資料を作成する手順

オンライン商談の資料は、以下の手順で作成します。
- 商談で伝えたいアジェンダを整理する
- アジェンダを元に資料に盛り込む内容を決める
- スライドごとに伝えたいメッセージを設定する
- メッセージを元にスライドのデザインを決める
ステップ1.商談で伝えたいアジェンダを整理する
まず、商談で伝えたいアジェンダを整理してください。
アジェンダとは、オンライン商談の議題や予定のことです。
たとえば、新規顧客とのオンライン商談では、以下のようにアジェンダを整理します。
- アポイントのお礼
- 挨拶と自己紹介
- ヒアリング(顧客の課題をニーズの確認)
- 自社商材の提案
- 見積もり
- 質疑応答
- 次回アポイントの取り付け
- クロージング
- 締めの挨拶
アジェンダを整理しておけば、スムーズに商談をすすめられます。
ステップ2.アジェンダを元に資料に盛り込む内容を決める
次に、アジェンダに基づき、オンライン商談の資料に盛り込む内容を決めます。
新規顧客とのオンライン商談例で、資料に盛り込む内容を見ていきましょう。
- 挨拶と自己紹介
- 自社商材の提案
- 見積もり
資料に盛り込むのは、顧客に説明が必要な部分のみとなります。
ステップ3.スライドごとに伝えたいメッセージを設定する
資料に盛り込むアジェンダを設定したら、スライドを割り振り、スライドごとに伝えたいメッセージを設定します。
- 挨拶と自己紹介:業界経験や取引実績が豊富である
- 自社商材の提案:顧客の課題解決に役立つ
- 見積もり:費用対効果が高い
メッセージは、「顧客に安心感を与えて信頼できる企業である」とアピールできるような内容を意識するとよいでしょう。
ステップ4.メッセージを元にスライドのデザインを決める
次にスライドのデザインを決めますが、メッセージとデザインがマッチしていないと、効果的に訴求できません。
伝えたいメッセージにマッチするデザインを意識してください。また、見やすくわかりやすいデザインを採用することも大切です。
オンライン商談の資料を作成する10個のコツ

では次に、オンライン商談の資料を作成するコツを紹介します。
- 縦横比は顧客の画面に合わせる
- 読みやすいフォントを選びサイズを大きめにする
- 1スライドにつき1メッセージにする
- 視認性の高いデザインを意識する
- 重要な箇所を強調する
- 説明の中にメリットを盛り込む
- スライドの途中に質問を挟む
- 色を多用しない
- 受け手に配慮した視線の流れを意識する
- アニメーション機能を活用する
それぞれのコツを詳しく見ていきましょう。
縦横比は顧客の画面に合わせる
オンライン商談では、パソコンやスマートフォンなどの画面で資料を共有するため、縦横比を顧客の画面に合わせる必要があります。
- オンライン商談のみなら16:9
- 対面もあるなら4:3
なお、タブレットの場合は上下に余白が生じるため、縦横比は4:3が適しています。
オンライン商談の資料を作成する前に、顧客が使用する環境を確認しておくとよいでしょう。
読みやすいフォントを選びサイズを大きめにする
フォントは読みやすいことに加えて、サイズを大きめにするのもポイントです。
対面とは異なり、画面を通して資料を閲覧するため、フォントが小さいと読みづらく感じる場合があります。
説明文などは18pt、強調したい部分は24ptなど、見やすさを意識してフォントを選んでください。
1スライドにつき1メッセージにする
オンライン商談の資料は、1スライドにつき1メッセージに統一します。
1つのスライドに複数のメッセージを盛り込むと、伝えたい内容が伝わりません。
青シンプルに重要な部分のみを記載して、補足は口頭で伝えるとよいでしょう。
視認性の高いデザインを意識する
視認性の高いデザインを意識してください。
オンライン商談の資料は、一見するだけで内容を理解できるように作成するのが基本です。
たとえば、実績やデータを提示する際には、数字だけよりもグラフ化すると視認性が高まり、誰が見ても理解しやすくなります。
重要な箇所を強調する
文字の羅列のみだと、重要な箇所がどこにあるかわかりません。重要な箇所は強調してください。
- 太字にする
- フォントサイズを大きくする
- 色を変える
- 枠で囲む
このように重要な箇所を強調すれば、顧客の理解度が高まります。
文字だけでは伝えられない内容は、ピクトグラムや図を組み合わせるとよいでしょう。
説明の中にメリットを盛り込む
商材の説明には、メリットを盛り込みましょう。
商談の目的は、顧客との関係性を構築して契約を獲得することです。関係性を構築するには、顧客からの信頼を得る必要があります。
一方的に売り込むのではなく、自社商材が顧客の課題解決に役立つことを理解してもらうことが重要です。
説明文にメリットを盛り込めば、スライドを見ただけで顧客が理解しやすくなり、購買意欲を高められる可能性があります。
スライドの途中に質問を挟む
スライドの途中には、質問を挟みましょう。
オンライン商談は画面越しの対応となるため、対面商談よりも集中力が途切れやすいのが課題です。
画面で資料を共有している間は、お互いが見えないため、途中で飽きられると話を聞き流される恐れがあります。
そこでスライドの途中に質問を挟めば、気持ちを切り替えられます。質問によって顧客の理解度を確認できるのもメリットです。
色を多用しない
強調したい部分に色を使うのは有効ですが、多用すると見づらくなるので注意してください。
- ベースカラー7割
- メインカラー2割
- アクセントカラー1割
上記を目安に、ストレスなく閲覧できる色使いを意識するとよいでしょう。
受け手に配慮した視線の流れを意識する
レイアウトは、受け手に配慮した視線の流れを意識してください。
視線の流れを無視したレイアウトは、読みづらいのでストレスを与える恐れがあります。
左上から右下に移動する「Z型」は視線の流れを最大化できるので、オンライン商談の資料にも有効です。
アニメーション機能を活用する
アニメーションで動きを盛り込むと、顧客の興味を引きやすくなります。
- フェード:文字や画像が徐々に出現・消える
- ワイプ:一方から他方に表示させる
フェードやワイプなら簡単に作成できるので、ぜひ活用してください。
オンライン商談で資料を共有するときの注意点

オンライン商談の資料を共有する際の注意点を3つ紹介します。
- 事前に資料をメールで送付する
- 説明する前に声がけをする
- 環境設定を必ずする
事前に資料をメールで送付する
資料は、事前にメールで送付してください。
事前に送付すれば、内容を確認できるため、顧客が疑問に思う点をまとめておけます。当日はスムーズに商談が進むでしょう。
なお、送付の際は事前にアポイントを取り、できるだけ早めに送付する必要があります。
説明する前に声がけをする
オンライン商談では、画面を共有して資料を見ながら説明をしますが、説明する前に声がけをしてください。
突然説明を始めると、顧客が混乱して理解できない恐れがあるからです。
「これからご説明いたしますが、共有画面の中央部分は見えておりますでしょうか。」
このように説明する部分を伝えつつ、見えているかの確認を取れば、顧客は迷わずに画面を見ながら説明を聞けます。
環境設定を必ずする
オンライン商談は、通信環境に左右されるのが留意点です。
通信環境が悪いと途中で通信が途切れてしまい、商談が続けられなくなる恐れがあります。
事前に環境設定を行い、安定して商談が続けられる状態を整備してください。
オンライン商談の資料作成に役立つツール3選

では最後に、オンライン商談の資料作成に役立つツールを3つ紹介します。
- Office 365 PowerPoint
- Google スライド
- Canva
Office 365 PowerPoint

Office 365 PowerPointは、Office 365 パッケージに含まれているので無料から始められます。
サブスクリプションでの利用も可能なため、用途に合わせて選べるのも嬉しいポイントです。
プレゼンテーションの資料作成に必要な機能が集約されており、ツールバーのデザインがExcelやWordと同じなので直感的に操作できます。
Google スライド

Google スライドは、インストールが不要なので手軽に利用できます。
テンプレートが充実しており、アニメーションや切替効果などを使って、見やすい資料を作成できるのも特徴です。
利用にはGoogleアカウントが必要ですが、無料なので導入のハードルが低く機能も充実しています。
Canva

Canvaは、1億点以上のテンプレートから好きなデザインを選び、テキストや画像を追加するだけで資料が完成します。
オンライン商談の資料以外にも、企画書や名刺などさまざまな用途に利用できるのも魅力です。
無料から始められますが、有料プランは30日間の無料トライアルで試してから検討できます。
まとめ:オンライン商談の資料はシンプルで見やすく作成しよう

オンライン商談における資料説明は、画面共有機能を活用しながら行います。
口頭での説明は補足的な役割となるため、視認性が高く顧客の印象に残るスライドを作成しなければなりません。
オンライン商談の資料は、シンプルで見やすいことも大切です。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、顧客の興味を引く見やすいオンライン商談の資料を作成して成約につなげてください。