アウトバウンドセールスとは?インバウンドセールスとの違いや成功の秘訣を紹介

企業から見込み顧客に対してアプローチする「アウトバウンドセールス」は、これまで長く用いられてきた営業手法としても知られています。
顧客からのアプローチを待つインバウンドセールスに比べて、積極的にアプローチできるのが特徴です。
とはいえ、闇雲にアプローチしても成果につながるとは限らないため、ターゲットにマッチした施策を見極める必要があります。
また、業界や商材によっても適切な施策が異なるため、見極めも重要です。
そこで本記事では、アウトバウンドセールスの特徴やインバウンドセールスとの違いを紹介します。成功の秘訣やメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
アウトバウンドセールスとは?

アウトバウンドセールスとは、企業側から見込み顧客にアプローチする営業手法のことです。
手法については以降で詳しく解説しますが、顧客に直接アプローチできるため、ニーズとタイミングが合えば短期間で成約を獲得できるケースもあります。
アウトバウンドセールスの手法

それでは、アウトバウンドセールスの手法を4つ紹介します。
- テレアポ
- 飛び込み営業
- コールドメール
- 手紙
テレアポ
テレアポは、アポイントの獲得を目的として、見込み顧客に電話をかける手法です。
顔が見えないため、高度なトークスキルや声のコミュニケーションスキルが求められます。
成約率は1%とあまり高くはありませんが、1日に多くの見込み顧客にアプローチできるのはメリットです。
飛び込み営業
飛び込み営業は、営業担当者が顧客先を直接訪問する手法です。
事前のアポイントなしで訪問するため、断られるケースもありますが、直接顧客とコミュニケーションを取れます。
顧客の反応を直に確認でき、決裁者と話ができればその場で成約を獲得できる可能性があります。
コールドメール
コールドメールは、これまで接点がなかった見込み顧客に向けてメールでアプローチする手法です。
多くの情報を記載できる他にも、システムを使えば大量メールの一斉送信も可能です。
ただし、相手に見てもらえなければ成果にはつながりません。一目で内容が分かる件名やパーソナライズされた内容を意識して、特別感を出すといった工夫が求められます。
手紙
手紙は、個別に発送するので特別感を演出できます。
見込み顧客が直接手に取るので、開封率が高くなるのもメリットです。文面からでも熱意は伝わるので、顧客との関係性を構築したいときにも役立ちます。
ただし、返信はされにくいので、メールアドレスや電話番号などの連絡先を記載することも大切です。
アウトバウンドセールスとインバウンドセールスとの違い

では次に、アウトバウンドセールスとインバウンドセールスの違いを2つ紹介します。
- 見込み顧客の購買意欲
- 商談獲得のハードル
見込み顧客の購買意欲
まず、見込み顧客の購買意欲が異なります。
アウトバウンドセールスでは、事前に作成した営業リストには明確層や顕在層の他にも、潜在層も含まれるためすべてが成果につながるとは限りません。
インバウンドセールスは、自社商材に興味や関心の高い顧客がターゲットなので、見込み顧客の購買意欲は高いと考えられます。
商談獲得のハードル
インバウンドセールスのターゲットは、自ら問い合わせや資料請求というアクションを起こしているので、商談を獲得しやすい傾向があります。
自社に対してポジティブな印象を持っていることが多いので、商談獲得のハードルは低いと考えてよいでしょう。
アウトバウンドセールスは、企業側からアプローチするので、押し売りや強引といったマイナスな印象をもたれやすいのが懸念点です。
顧客との関係性を構築するのが難しいため、商談獲得のハードルは高くなります。
アウトバウンドセールスを実施する5つのメリット

アウトバウンドセールスの実施で得られる5つのメリットを紹介します。
- 自社商材にマッチする顧客にアプローチできる
- 接点のない顧客にもアプローチできる
- アプローチ数を増やすほど成約の率向上が見込める
- 潜在顧客を発掘できる
- 関係性を構築できれば成果につながりやすくなる
自社商材にマッチする顧客にアプローチできる
企業がターゲットを選ぶので、自社商材にマッチする顧客へのアプローチが可能です。
- 自社商材の認知拡大を目指すBtoB企業:大企業へのアプローチ
- 子供向けの商材を扱うBtoC企業:子供がいる世帯や保育園・幼稚園など
このように、商材に合わせてターゲットを絞ってアプローチできます。
接点のない顧客にもアプローチできる
アウトバウンドセールスは、接点のない顧客にもアプローチできます。
たとえば、商材には関心があっても、問い合わせや資料請求までには至らない顧客もいるでしょう。
インバウンドセールスでは、こうした顧客との接点を持てません。
アウトバウンドセールスなら、不特定多数にアプローチできる手法もあるので、接点のない顧客へのアプローチが可能です。
アプローチ数を増やすほど成約率の向上が見込める
テレアポや飛び込み営業では、話も聞かずに断られるケースは少なくありません。
そこで、アプローチの母数を増やせれば、成約率の向上が見込めます。
ターゲットによって手法は異なるものの、テレアポやダイレクトメールなど比較的行動量をコントロールしやすい手法ならアプローチ数も増やしやすいでしょう。
潜在顧客を発掘できる
潜在顧客を発掘できるといったメリットもあります。
たとえば、自社商材を認知しているが購買には至らない顧客でも、ちょうどいいタイミングで企業からのアプローチがあれば、成約につながる可能性はあります。
非認知層でもニーズにマッチしていれば、企業からのアプローチがきっかけになり、いずれ購入してもらえるかもしれません。
関係性を構築できれば成果につながりやすくなる
積極的かつ最適なタイミングでのアプローチにより、顧客との関係性を構築できれば成果につながりやすくなるでしょう。
これまで接点がなかったとしても、丁寧な対応で顧客の信頼を勝ち取れば、自社商材に興味を持ってもらえる可能性があります。
アウトバウンドセールスは顧客と直接コミュニケーションを取るので、関係性を構築できれば短期間で成果を出せるのもメリットです。
アウトバウンドセールスのデメリット

アウトバウンドセールスには、デメリットも存在します。
- 顧客に警戒されやすい
- 押し売りと思われる場合がある
- 担当者のスキルに依存しやすい
以降で3つのデメリットを紹介します。
顧客に警戒されやすい
アウトバウンドセールスは、企業のタイミングで実施できる反面、突然知らない相手からの電話や訪問があると警戒されやすい傾向があります。
特に最近では、営業を装った詐欺事件も多発しているので、警戒されやすいことに留意しましょう。
警戒されないようにするには、企業情報や目的を明確に伝える必要があります。アプローチする際は、顧客の警戒心を解いてから要件を伝えることも大切です。
押し売りと思われる場合がある
企業からのアプローチは、押し売りと思われる場合があります。
テレアポや飛び込み営業は、事前のアポイントなしで実施するため、営業感を出しすぎると「強引」「押し売り」など、ネガティブな印象を与えかねません。
そこで、一方的に売り込むのではなく、相手主体でわかりやすく話すように心がけてください。相手に寄り添い共感する姿勢を見せることも大切です。
担当者のスキルに依存しやすい
担当者のスキルに依存しやすいのも懸念点です。
インバウンドセールスでは、顧客からの問い合わせに対応できるスキルがあれば成果につながる可能性は高いと考えてよいでしょう。
しかし、アウトバウンドセールスでは企業が顧客にアプローチするので、経験やスキルに乏しいと成果につなげるのが困難です。
担当者に依存しないためには、社内の教育体制や情報共有体制の整備が欠かせません。
アウトバウンドセールスを成功に導く5つのポイント

では最後に、アウトバウンドセールスを成功に導く5つのポイントを紹介します。
- ターゲットを明確にする
- 適切なKPIを設定する
- 精度の高い営業リストを作成する
- 最適なタイミングでアプローチする
- ツールを活用する
ターゲットを明確にする
ターゲットが不明瞭では、最適な施策を策定できません。
まず、ターゲットを明確にして、ターゲットにマッチした施策を策定しましょう。
ターゲットを明確にするには、ペルソナ設定が有効です。架空の人物像を設定することで、ニーズを把握しやすくなります。
なお、ターゲットが複数いる場合は、ペルソナも複数設定してください。
適切なKPIを設定する
アウトバウンドセールスでは、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定するのも重要なポイントです。
KPIは中間指標とも呼ばれており、営業プロセスを見える化できます。
目標を達成するためにやるべきことを把握しやすくなり、途中で問題が生じた時にも早期発見が可能で、スムーズに対応できるのがメリットです。
なお、KPIはKGI(重要目標達成指標)に沿って設定して社内で共有すれば、チーム力の強化につながります。
精度の高い営業リストを作成する
アウトバウンドセールスは、営業リストに記載された顧客にアプローチします。
リストの精度が低いと、非認知層や無関心層も含まれるため、時間ロスを招き業務効率が低下する恐れがあります。
営業リストは、精度も重要です。
事前にできるだけ多くの情報を収集して、分析も徹底してください。情報を整理したら、見込み確度の高い顧客に優先順位を付けます。
優先順位の高い顧客にアプローチしていけば、成果につながりやすいでしょう。
情報が最新のものであるか、重複はないかも確認しながら、精度の高い営業リストを活用してください。
アウトバウンドセールスを成功させるには、アプローチのタイミングも重要です。
最適なタイミングでアプローチする
アプローチするタイミングが悪ければ、見込み確度の高い顧客でも断られる可能性があります。
最適なタイミングを把握するには、カスタマージャーニーマップが有効です。
カスタマージャーニーマップは、顧客が商材を認知してから購買に至るまでの経緯をタッチポイントごとに可視化できます。
最適なタイミングでアプローチできれば、成果につながりやすくなるでしょう。
ツールを活用する
営業職は顧客への対応以外にも、事務仕事など業務が煩雑化しやすいのが課題です。
SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)などのツールを活用すれば、作業を自動化できるので業務効率化を図れます。
ツールにはログが残るので、データとして活用できる他にも、情報共有がスムーズになるのもメリットです。
まとめ:アウトバウンドセールスのコツをおさえて成約率を高めよう

アウトバウンドセールスは、企業から顧客にアプローチするプッシュ型の営業手法です。
自社商材にマッチしたターゲットを選べるだけでなく、アプローチのタイミングや手法も選べるので、戦略的な営業活動を実現できます。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、アウトバウンドセールスのコツをおさえて成約率を高めてください。