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応酬話法とは?営業トークの質が高まる具体例とコツを解説

応酬話法とは?営業トークの質が高まる具体例とコツを解説

「セールスのクロージングが苦手…」
「お客様からの反応や反論にうまく対応ができない」

このようなお悩みを抱えている営業担当者も多いのではないでしょうか。

営業トークに自信をつけたい場合に身につけたいのが応酬話法です。応酬話法を活用すれば、商談がスムーズになるほか、顧客との信頼関係を構築できます。

そこで本記事では、応酬話法のテクニックと具体例を交えて解説します。スムーズにトークを進められるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。

応酬話法とは?

応酬話法とは?営業トークの質が高まる具体例とコツを解説

応酬話法とは、顧客の反応や反論に対処するための営業トークのこと。顧客のネガティブな発言に対して、滞ることなくトークを進めるための話法を指します。

例えば、ある商品の営業時に下記のような返答があったとしましょう。

● 今は結構です…
● 忙しいので後日改めて検討したい
● 他社の類似品と比較したいから一旦保留にしたい

こうした顧客の返答に対してうまく切り返すために、応酬話法を使います。応酬話法を使うことで、顧客とのコミュニケーションがスムーズになり、商品やサービスの購入率のアップにつながります。

営業トーク全体のフェーズで使える

応酬話法は、営業トーク全体で活用できます。

<営業トークの全体的な流れ>
1. 挨拶
2. 雑談
3. ヒアリング
4. オファー
5. クロージング

それぞれのフェーズに応じた応酬話法を使えば、スムーズにコミュニケーションを取れるほか、顧客との信頼関係を深められます。

特にクロージングプロセスに役立つ

営業トーク全体の中でも応酬話法が特に役立つフェーズは、クロージングです。クロージングは営業プロセスにおける最終段階なので、顧客と契約に至る最も重要な工程となります。

顧客の中には「商品はとても良いけれど、一度購入したら何度も電話がかかってくるのでは?」「商品を購入する決定打が欲しい」と考える人もいるでしょう。

こうした場面でも、応酬話法で臨機応変に対応することで顧客の納得感が得られて、契約率が高まります。

応酬話法が営業において不可欠な3つの理由

応酬話法とは?営業トークの質が高まる具体例とコツを解説

営業トークにおいて応酬話法を取り入れるべき理由は以下の3つです。

1. 営業トークの質が高まる
2. 顧客の悩みを引き出しやすくなる
3. 顧客との会話の流れがスムーズになる

営業トークの質が高まる

応酬話法を身につけることで、営業トークの質が高まります。

顧客との商談において、会話が楽しいかどうかは重要なポイント。たとえ雑談であっても、楽しい会話によって顧客は徐々に心を開いてくれます。

応酬話法を身につけることで、トークスキルに自信を持って顧客との商談に臨めるでしょう。

顧客の悩みを引き出しやすくなる

顧客の悩みを引き出しやすくなることも、応酬話法のメリットです。

顧客が本音を打ち明けられるのは、営業担当者と信頼関係が築けてこそ。場に応じた応酬話法の活用によって、それまでヒアリングを重ねても引き出せなかったニーズを見つけることが可能です。

顧客との会話の流れがスムーズになる

応酬話法には顧客との会話の流れをスムーズにするメリットもあります。

例えば、顧客がネガティブな発言をした際に、顧客の気持ちに寄り添った切り返しを行うことで、継続的なコミュニケーションが生まれます。

営業担当者の中には「会話が続かない」「ネガティブな発言に物怖じしてしまう…」と悩む方も少なくありません。応酬話法を取り入れて会話を進めてみましょう。

営業で使える代表的な応酬話法

応酬話法とは?営業トークの質が高まる具体例とコツを解説

応酬話法には、具体的に9種類あります。それぞれの使い方とパターンを習得すれば、実際の営業トークですぐに活かせるのでぜひ参考にしてみてください。

1. Yes/but話法
2. Yes/and話法
3. 質問話法
4. 寄り添い話法
5. 例話法
6. ブーメラン話法
7. 聞き流し話法
8. 否定話法
9. 資料転換法

Yes/but話法

Yes/but話法とは、顧客の言葉に対し「おっしゃる通りです(Yes)」と一旦肯定したあとに「しかし(but)」と反論する話法のこと。顧客の意図を汲み取りつつ、自分の意見を伝えるときに使います。

【Yes/but話法の例】
顧客「御社のサービスはB社と似ていますね。価格の低いB社の方がお得なのでは?」
営業担当者「確かに似ていますね。ですが弊社のサービスは〇〇といったところが異なり、付加価値として提供できます」

このように、最初に顧客の意見を受け入れることで、その後の主張もマイルドな印象に変わります。相手からも共感されやすくなるでしょう。

主に顧客に対して、意見を聞き入れてほしいときに効果的です。

Yes/and話法

Yes/and話法は、顧客の言葉を受け入れ、同意したまま意見を主張する話法のこと。Yes/but話法と異なり「しかし」と反論する部分を「そして」「一方で」「実は」と否定的ではない接続詞で切り返すことが特徴です。

【Yes/and話法の例】
顧客「この商品を購入するには金銭的に不安です」
営業担当者「そうですよね。そうおっしゃる方が大半です。でしたら、こちらの方法がよろしいかと存じます」

Yes/and話法の活用により、相手は配慮があると感じてもらい、冷静に話を聞いてもらいやすくなります。

質問話法

質問話法とは、顧客に質問を投げかけながら、悩みや本音を引き出す話法のこと。商談のフェーズの中でも、特にヒアリングの際に役立ちます。

【質問話法の例】
顧客「今使っているキッチンが使いづらくて悩んでいます」
営業担当者「そうなんですね。〇〇様にとってどの部分が使いづらいと感じますか」
顧客「1日中日当たりが悪くて日中でも電気をつけないと暗いんです」
営業担当者「キッチンの使い勝手というよりも、立地に不満を感じていますか?」

このように質問を繰り返すことで、顧客自身が気がついていない潜在的な悩みの本質を発見する機会にもなります。質問を繰り返し、適切な商品やサービスを提案してみてください。

寄り添い話法

寄り添い話法とは、顧客の気持ちに寄り添って会話を進める話法のこと。顧客の抱える悩みに対し共感で切り返し、信頼関係を築きやすくします。主にヒアリングの際に使われます。

【寄り添い話法の例】
顧客「こちらの保険に入りたいのですが、払い続けられるか不安です」
営業担当者「保険は固定費なので月々の支払いとなると不安ですよね。〇〇様にとって負担にならない保険を一緒に探してみましょう」

このように、顧客の気持ちに共感を示し二人三脚となることで、顧客と信頼構築につながります。

例話法

例話法とは、商品やサービスを使った場合の「たとえ話」を盛り込む話法のこと。主に、クロージングの場面で役立ちます。

【例話法の例】
営業担当者「もし御社が弊社の営業支援ツールを導入したとしたら、どんな変化がありそうですか」
顧客「今までよりも業務が効率化して、残業が減りそうですね」

例話法では、より具体的に説明することで、顧客は購入後のイメージをしやすくなり、購買意欲が高まります。

ブーメラン話法

ブーメラン話法とは、顧客がネガティブな発言をした場合に「だからこそ〜なんです」とプラスの言葉で切り返し、商品やサービスの価値を強調する話法のこと。主に、商品説明の際に役立ちます。

【ブーメラン話法の例】
顧客「御社の商品は、ほかと比べて価格が高いから踏み込めないです」
営業担当者「価格が高いのは質が良いからこそです。私たちが取り扱う商品の原材料は〇〇産の…」

このように、提案したいモノの価値をアピールすることで、顧客の興味を質の良さへと転換できます。ブーメラン話法を使う際には、自社の商品やサービスの特徴をしっかりとおさえておきましょう。

聞き流し話法

聞き流し話法とは、顧客が否定的な言葉を発したときに別の話題を持ち出し、一旦聞き流す話法のこと。別の話題に変えることで、ネガティブな感情をクールダウンさせるために行います。

【聞き流し話法の例】
顧客「今、新車の買い替えは予定していないです」
営業担当者「…。ところでお客様は今の職場にいらしてどのくらいですか」

聞き流し話法は、話題を転換することで会話が途切れることを防ぎます。ただし、多用してしまうと「突然話をすり替えられた」「無視された」と信頼を失いかねません。会話に行き詰まったときだけ使うようにしましょう。

否定話法

否定話法とは、顧客が発するネガティブな意見を否定する話法のこと。不安な気持ちを和らげる際に活用します。

【否定話法の例】
顧客「たしかにこの物件は価格が魅力的だけど、駅まで少し遠いから不安だな」
営業担当者「その心配はご無用です。こちらの物件はバス停が近く、駅まで直通しているので住民の方にもご満足いただいています」

否定話法を使う際のポイントは、やわらかな言い回しで伝えることです。声のトーンにも意識して活用してみましょう。

資料転換法

資料転換法とは、商品やサービスの詳細が記載された資料を共有しながら説明する話法のこと。口頭では伝わりにくい内容を資料を用いることで、顧客の理解度を深められます。

【資料転換法の例】
顧客「この機械を導入した際のコスパがいいのかイメージしづらいな」
営業担当者「こちらの資料にシミュレーションを作成しましたが、かなりコスパは期待できますよ」

資料転換法は、会話に行き詰まったときも活用できます。事前にいくつか準備しておきましょう。

応酬話法の質を高めるトレーニング

応酬話法とは?営業トークの質が高まる具体例とコツを解説

応酬話法のテクニックを高めための、トレーニング方法を紹介します。

1. ロールプレイングを実施する
2. トークスクリプトを作成する
3. 上長や部下が商談に同行してチェックする

ロールプレイングを実施する

まず、顧客と対話する場面を想定したロールプレイングの実施です。ロールプレイングでは商談のフェーズとテーマを決め、役割を入れ替えながら行います。本番さながらのシチュエーションを作れれば、良いイメージトレーニングができるでしょう。

ロールプレイングを行うことで、応酬話法を使うタイミングを自然に身につけられるほか、営業担当者それぞれの話し方の癖を発見できます。

トークスクリプトを作成する

トークスクリプトの作成も、応酬話法を身につけるコツです。トークスクリプトとは、営業担当者が営業トークをする際に、顧客の心理に基づいて買いたいと思わせるテンプレートのこと。

顧客の反応にはさまざまなパターンがあるため、それぞれのパターンに適した応酬話法を準備しておきましょう。トークスクリプトに沿って商談を進めることで、内容にブレがなくなり成約率もアップします。

トークスクリプトの作成ポイントを詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください

営業組織全体の底上げアポ獲得のための正しいトークスクリプトのポイント

上長や部下が商談に同行してチェックする

実際の商談の場に上長や部下が立ち会うことも、応酬話法の質を高めるトレーニングの一つです。

ロールプレイングで応酬話法を習得できても、必ずしも本番で上手くいくとは限りません。上長や部下が同行し、客観的な視点でチェックしフィードバックをすることで、応酬話法の質はさらに向上していくでしょう。

まとめ 応酬話法を使いこなして成果に導こう

応酬話法は、顧客と円滑なコミュニケーションを進めるための重要なテクニックです。応酬話法を活用してもアポイントを取ることが難しい場合は、営業代行に委託してもいいでしょう。

応酬話法に限らず営業トーク全体にいえることですが、営業担当者が顧客に対し発したすべての言葉は、会社のイメージにも直結することを忘れてはなりません。応酬話法を使いこなして成果に導いていきましょう。

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